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「意外とにぎやかなんだね」
大きな通りにはたくさんの出店が
あった。
「もうすぐお祭りなので」
「シェルターなのに祭り?」
「はい。今年の豊作を願って」
ジューダがラーシャと僕の間に
割って入ってきた。
どんだけ嫌なんだよ。
アーサーは焼き鳥を見ながら
ヨダレを垂らしていた。
「買う?」
ラーシャが聞くとキラキラ目を輝かせて
頷いていた。
気を遣わなくてもいいのに。
「これ、何の肉っすか?」
「鶏の肉だよ」
アーサーとラーシャが
話していてもジューダは邪魔しない。
僕が話しかけると邪魔するのに。
僕、嫌われてるのか。
──────────────────
「…..で?どうして僕が兄なんだ?」
僕達は大きめのログハウスに案内され、
焚き火を囲んで座っていた。
「本当に覚えてないの?」
本当にない。覚えてない。
「悪いが本当に覚えていない。」
「本当に?」
「本当に」
「本当の本当に?」
「もういいだろ。本当にない」
「たった8年前のことだよ?」
鬱陶しい、鬱陶しすぎる。
いい加減にしてくれ。
8年前…….何かあったか?
少女…兄…村…
「……あ」
「思い出してくれた?!」
なんとなく思い出した。
一時期任務で人間に成り済まして
生活していた。その時の少女か。
「思い出しはしたが、でも、
僕は君の兄ではない」
結論は同じだ。そう言うと、
彼女は泣き出した。
「それでも….私のお兄ちゃん
だもん…..」
「ちょっと!!何してくれてん
ですか!!!」
ジューダがラーシャを抱えて怒鳴る。
逆にもっと泣く気がするんだが。
アーサーは相変わらず役立たずだ。
「でも、本当のことだ。僕は彼女の兄
じゃない」
「だとしても!」
あーあーあーあーうるさいうるさい
これだから子供は。
「最低です。子供にそんなこと
言うなんて」
そう言ってジューダは席を立った。