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夕月に願いを込めて

夕月に願いを込めて

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夕月に願いを込めて

♥

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2019年10月06日

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青春とはなんだろうか、と

心の中で問う

だけれども

答えは全く出てこない

「青春した〜い!」

なんて叫んでも

青春は招かれる訳ではない

夕焼けが校舎を染めた

秋風が頬を撫でた

夏の暑さが少し緩んだ

カラスが遠くで鳴いた

だから、私は呟いた

……まだかなー…

部活も終わり 下校する友人を待つ時間

部活も違えばクラスも違う

ただ、家が近いだけ

今はそれだけの関係だが あの子と出会って八年

人生の半分以上 一緒に居ることになる

高校行ったら離れちゃうかな…

あの人頭良いもんなぁ…

……てか、私独り言多っ…

自分で気づいて 自分で笑ってしまう

周りには誰もいないが 万が一聞かれていたら恥ずかしい

口を閉じると、怖いと有名な 先生の声が聞こえた

怖いと有名な先生

新人戦の内容ですが──

声、デカっ…

思わず口に出してしまった

2階にある多目的ホールから 鮮明に聞こえる

確か卓球部の顧問だっけ…

うるさくて鬱陶しくて 面倒くさいで有名なあの先生

卓球部も、もう帰るかな

クラスメイト

あ、由希ちゃんばいばーい

呼ばれたので振り返ると

クラスメイトが手を振っていた

あ、ばいばーい…

軽く手を振って見送ると

私はまた校舎の方に目を向けた

…あ、この風景 めっちゃ青春っぽい…

中庭の方の窓から夕日が差して

昇降口の方に光が伸びていた

ふと壁の時計を見ると五時

下校時間…

思考がまとまらない内に それを告げるチャイムが鳴った

少しすると 足早に階段を下る音がする

あ、もうちょっとだ

やがて、昇降口前では 「ばいばーい」 なんて言葉が飛び交って

友人

友人

あ、由希ー!

待ちかねた友人が現れた

奈央ー!

友人

制服着てんじゃん、部活無かったの?

ううん、早く終わったから着替えた

友人

ん、じゃあ帰ろー!

校門へ駆け出す奈央が見える

「早く帰れー」って先生達の声

「完全下校時間すぎるぞー」 って急かす声

全部が夕焼けに照らされて

かけがえのない一瞬に思えるのは 思い過ごしですか

これもまた、青春かな…?

友人

え?

なんでもないっ!

少し笑って目を逸らした

ふと上を見ると 夜じゃないのに月が見える

夕月、っていうんだっけ。

夕焼けの月、と書いて夕月

もし、もしも、ね。

いつか未来で奈央と 夕月を見れたら

この日々を「青春」と 呼ぶ日が来るのかな

見て、月出てる…

友人

え?あ、本当だー!

友人

綺麗だねー…夕月。

夕月…私が言おうとしたのに…

友人

え?あ…まぁ、以心伝心ということで…?

どこかあどけなく 奈央が笑った

そういうとこ 本当変わんないな…

10年後も 変わらなかったりしてね

いつかこの会話も 青春と呼べますように

私の青春を見つけて行きます

──だから

待ってて、未来の私──

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コメント

42

ユーザー

すみません 神ですか!?天才ですか!?

ユーザー

でも、声じゃなくて背がでかいんですけどね笑

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