俺の名前は小湊奏

何故かショッピングモールで元相方に振り回される、元殺し屋の半グレだ

何故こうなったのかというと、 それは数分前のこと

俺が公園のベンチで座っていた時だった

向こうで瓜生君達と話していた那由多がこっちに駆けて来た

あまりに突然過ぎる誘い、俺が一瞬思考停止する程だからだ

まさに天真爛漫の化身ともいえる…こんな奴と元相方と思うと

昔の俺は物好きだなぁ…と感じる

結局断る前に勝手に決められ、そのまま午後まで話すことができなかった

で、こうなった

結果、近くのショッピングモールの中をあちこち引きずられることになった

服を選んで試着したり…

流行りのカフェに行ったり…

新作ゲームが出たとかいってゲーセンに連れていかれたり…

地下のカラオケボックスに連れてかれたり…

とにかく振り回された…本当に疲れた

こいつは本当、何考えてるかわからない奴だと改めて思った

そして久しぶりに家に帰れることになったのだが…

なんとこいつは、俺の後ろをずっとついて歩いてきた

内心イラっとしたが、こいつの性格じゃ普通かと諦めた

そんな時、不意に那由多がこういってきた

俺は一瞬、訳が分からなかった

那由多はずっと、俺を気遣ってくれていたんだと、その時思った

そんな自分が嫌いだと思った、

相手のことも知ろうとしないくせにして嫌っている…そんな自分が

そう考えていた時____

那由多に抱きしめられた… “僕”は混乱した

少し、救われた気がした

那由多と離れる時、少し寂しく感じる…上を向くと、那由多の首元が目につく

悲しい気持ちが込み上がったが、俺はそんな気持ちもぐっと呑み込んだ

なんて誤魔化したけど…多分、バレてるな

そして俺達は分かれた

そして久しぶりに兄の待つ家へ帰ってきた

でも、返信は返ってこなかった

でもこの思いは、届かなかった

この後俺は、あの時兄を探さなかったことを後悔したんだ