佐藤 希
oroca
まりなる
ユキムラチャン!
ユキムラチャン!
佐藤 希
oroca
まりなる
私屋上で靴を 脱ぎかけた時に
ツインテの先客に 声をかけてしまった。
佐藤 希
口をついて出ただけ。
ホントはどうでもよかった。
先を越されるのが、なんとなく癪だった。
ツインテの子は、語る。
どっかで聞いたようなこと
ユキムラチャン!
佐藤 希
佐藤 希
ユキムラチャン!
って
ツインテの子は消えてった
さぁ、今日こそはと靴を
脱ぎかけたらそこに
背の低いの女の子
また声をかけてしまった。
背の低い子は語る。クラスでの孤独を
oroca
oroca
って
佐藤 希
佐藤 希
oroca
と泣いて
背の低い子は、消えてった。
そうやって、何人かに
声をかけて 追い返して
わたし自身の痛みは誰にも言えないまま
初めて見つけたんだ
似たような悩みの子
何人目かにあったんだ
黄色いカーディガンの子
まりなる
まりなる
と言った
口をついて出ただけ。
ホントはどうでもよかった。
思ってもいないこと
でも、声をかけてしまった。
佐藤 希
ああ、どうしよう
この子は止められない
わたしには止める資格が無い。
それでも
佐藤 希
佐藤 希
まりなる
って
目を伏せたまま消えてった。
今日こそは誰もいない
わたしひとりだけ
誰にも邪魔されない
邪魔してはくれない。
カーディガンは脱いで
ツインテほどいて
背の低いわたしは
佐藤 希
佐藤 希
oroca
ユキムラチャン!
まりなる
佐藤 希
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