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蓮太
（今日も雪音さん、キレイだなぁ…）
俺、蓮太はある子に密かに想いを寄せている
その子の名前は雪音
美人で成績優秀、おまけに優しくて、まさにクラスのマドンナ的存在だ
蓮太
俺には高嶺の花すぎるのかなぁ
蓮太
あ、課題提出しに行かないと
1時間後
蓮太
ったく…
蓮太
あの先生の話長すぎだろ…
蓮太
課題提出しに行って1時間かかるってなんだよ…
蓮太
翔はもう帰ったかなぁ
蓮太
待っててくれてもいいのに
蓮太
ま、こんな時間まで残る物好きはいないか
蓮太
疲れたからさっさと準備して帰ろ
蓮太
……ん？
蓮太
あの先生と話してる人は
蓮太
雪音さん？
先生
今回のテストもよかったじゃないか
先生
キミはいつも勉強をがんばってるからな
雪音
いえ、私なんてまだまだですよ
雪音
これからも上を目指すつもりです
先生
そうかそうか！
先生
期待してるぞ！
雪音
…ありがとうございます
蓮太
はぁ～
蓮太
さっすが雪音さんだな
蓮太
あれ、先生と別れて…
蓮太
どこ行くんだろ、そっちは屋上に続く階段しかないのに…
蓮太
（たしか屋上には出られないから鍵がかかってるはずだ）
蓮太
………
雪音
………
蓮太
（スマホ取り出して…電話かな）
雪音
あ、お兄ちゃん？私、雪音
蓮太
（お兄さんに電話してるのか）
雪音
今日の夜はたしかお友達とお泊まりだったよね
雪音
え、この喋り方やっぱり変かな？
蓮太
（喋り方…？）
雪音
お兄ちゃんは元の方がいい？いや、周りに誰もいないよ
雪音
じゃあ今だけね
雪音
ホントは学校では喋り方気をつけてるんだから
蓮太
？？
雪音
てか聞いてよー
雪音
また勝手な期待背負わされたんだけど、マジでいやだ
蓮太
！？！？
蓮太
（え？あの雪音さんが…）
雪音
そりゃしかたないんだけどさ…
蓮太
(なんか、違う)
がっ！
蓮太
(あ、カバンが壁に…！)
雪音
！？ち、ちょっと切るね、また後で！
雪音
だれ！？
蓮太
ど、どうも…
雪音
あ、蓮太くん…
雪音
…聞いてた？よね
蓮太
…聞いちゃった
雪音
キミ、これ他の人に言わないでくんない？
蓮太
…う、うん。言わないよ
雪音
てか盗み聞きとか趣味悪いね
雪音
さいてー
蓮太
ご、ごめん…、階段の方へ歩いていく雪音さんを見かけたから…
雪音
あー、ストーカー気質でもあるんだ
雪音
へんたーい
蓮太
(うぅ、なんかいつも見てた雪音さんとは別人だな…)
雪音
じゃ、私帰るから。
雪音
もう着いてこないでねー
雪音
あと、このこと言わない約束で
蓮太
わかったよ
雪音
じゃね
蓮太
…………
蓮太
はァ…
蓮太
まさか雪音さんがあんな性格だったなんて…
蓮太
でもどうして学校ではホントの自分を出さないのかな
蓮太
………まぁ、
蓮太
俺が雪音さんの思ってることなんてわかるわけないよな…
蓮太
(今日の掃除は美化委員担当かぁ)
蓮太
(あれ、もう1人の美化委員ってたしか…)
先生
じゃあ美化委員の蓮太くんと雪音さん、お願いしますね
雪音
はい、分かりました
蓮太
（やっぱり雪音さんだ…）
蓮太
（最初の頃は同じ委員会になれて嬉しかったのに、今は…）
雪音
蓮太くん？掃除しよ？
蓮太
あ、あぁ
掃除終わり
雪音
よし、ある程度終わったね
雪音
疲れた～、早く帰ろっと
蓮太
…ねぇ、雪音さん
雪音
…なに？
蓮太
それも演技なの？
雪音
……
蓮太
ごめんね、こんなこと聞いて
蓮太
でも前聞いた時から考えてた
蓮太
なんで雪音さんは自分を隠して学校生活を送ってるのかなって
蓮太
だってそれってみんなの前で嘘ついてるってことじゃないかな
蓮太
そんなことしててもホントの…
雪音
さっきからなんなの？
蓮太
………
雪音
もう説教は聞き飽きたよ
雪音
なんでそんな上から目線なの？
雪音
ムカつくんだけど
蓮太
ご、ごめん、でもそうだと思っ…
雪音
だから！！！
雪音
お前に私の何がわかるんだよ！？
雪音
そうだと思った？バカ言うな！！
雪音
私の事なんも知らないくせに勝手な事言ってんじゃねーよ！！
蓮太
知ってるよ…
雪音
…は？
蓮太
知ってる！！
蓮太
だって俺は雪音さんのことずっと見てたから
蓮太
ずっと好き、だったから！
雪音
…え
蓮太
少し乱暴な口調の雪音さんも、いつもの雪音さんも
蓮太
俺は大好きだよ
雪音
え…あ、
雪音
なん、で…そんなこと、言う、の…
蓮太
！？
蓮太
ごめん、な、泣かないで～！
雪音
初めてなの、そういうこと…
雪音
裏の私まで好きだって言ってくた人…
雪音
今まで告白してきた人はみんな外ばっかり見てて
雪音
私の内面なんて見てなかったの
雪音
でも、キミは、違うんだね…
蓮太
…うん、他のやつらより雪音さんを想う気持ちは強いよ
雪音
……！///
雪音
…あのね、
雪音
前に私はお兄ちゃんと電話をしてたでしょ
蓮太
うん…
雪音
私は今、お兄ちゃんとは一緒に暮らしてないの
雪音
親の仲が悪くてね、
雪音
私はお母さんの方に、お兄ちゃんはお父さんの方に行ったから
雪音
今は離れ離れなの。声を聴けるのは時々電話する程度かな
蓮太
（そうだったのか…）
雪音
親の関係が悪くなったのはお母さんの性格が原因だと思う
蓮太
お母さんの性格？
雪音
そう、私のお母さんはね、私をとにかく完ぺきな女の子にしたいらしくて
雪音
「アンタは顔は元々いい方だからあとは学力をつけるのよ」って
雪音
「あとそのお兄ちゃん譲りの口調もやめなさい」って…
雪音
…勝手だよね、自分がなれなかったからって…
蓮太
そうだったんだ…
雪音
だから私は時々お兄ちゃんに電話してこの口調に戻してるの
雪音
じゃないとお兄ちゃんといた頃の…
雪音
いや、家族みんなでいた頃の自分が居なくなりそうで、、
雪音
だ、から私、は…
ぎゅ
雪音
…へ？
雪音
（私、今蓮太くんに抱きしめられてるの？…）
雪音
（どうして…）
蓮太
また泣いてる
雪音
あっ…
蓮太
もう大丈夫だから
蓮太
もう、我慢しないでよ
蓮太
俺、そんな雪音さんの悲しい顔見たくない
蓮太
雪音さんには笑っていてほしい
雪音
……
蓮太
笑っててとは言ったけど、
蓮太
今は…泣こ
蓮太
泣き止むまで俺はここにいるよ
雪音
……！
雪音
っ、ぐずっ…
雪音
うえ～～～ん！
蓮太
（今は思う存分泣いて…）
蓮太
（泣き止んだらまた笑顔を見せてほしいな…）
蓮太
…大丈夫？
雪音
う、うん…
雪音
ごめんね…
蓮太
全然いいよ
蓮太
これからどうするの？
雪音
…どうしよ
雪音
とりあえず学校ではまだ普通の私を演じるよ
蓮太
そっか
雪音
でもお母さんには言ってみる
雪音
ずっと言えなかった私のホンネ
蓮太
うん、それがいい
雪音
こんなに言おうって気になったの初めて
雪音
キミが勇気をくれたんだね
雪音
…ありがとう
蓮太
俺はただ雪音さんに思ってることを言っただけ
蓮太
勇気を出して言おうとしてるのは雪音さん自身だよ
蓮太
だから雪音さん自身が自分を変えた
雪音
…ふふっ、そうかもね
蓮太
（あ…笑った）
雪音
そういえば、さっきのって…
蓮太
さっきの…？
雪音
ええ、わ、忘れたの？！
雪音
ひ、ひっどー…
蓮太
え、え？
雪音
だーかーらー、
雪音
そ、その…こ、告白…のこと…
蓮太
…あ！
雪音
あ！じゃないわ！
雪音
も、もしかしてその告白じゃなかった？！私の勘違い？！
蓮太
ち、違う違う！
雪音
そうだったら恥ずかし…
蓮太
ゆ、雪音さん！！
雪音
は、はい！
蓮太
改めて言うね
蓮太
俺は雪音さんのことが好きです
蓮太
お兄さんだけじゃなくて、
蓮太
俺にもホントの雪音さんを見せてください
蓮太
また泣くことがあったら俺がそばにいます
蓮太
雪音さん、
蓮太
俺の彼女になってください
蓮太
お願いします
雪音
…………
雪音
あーもー！
蓮太
うわ、ご、ごめんなさい！
雪音
なんでアンタが謝るのよ！
蓮太
だってあーもーって怒るからー
雪音
ち、違うわ！
雪音
違くて…
蓮太
……
雪音
そ、そんなにストレートに言われたの、初めて、で…///
雪音
なんか、照れるっていうか…///
蓮太
（最初はキレイだと思ってたけど）
蓮太
（照れてるとこ、かわいい…）
蓮太
へへっ
雪音
な、なんで笑うの？！
蓮太
いやー、なんでもー
雪音
なにそれ…
蓮太
俺と付き合ってくれますか？
蓮太
答えが出るまで何度でも言います
蓮太
キッパリ振ってくれれば諦めます
蓮太
俺と…
雪音
…はい
蓮太
…え？
雪音
だっ、だから…
雪音
私も好き、です
雪音
蓮太くんの彼女になりたいです
蓮太
…え、ほ、ホントに！？
蓮太
ホントのホントに！？
雪音
うるっさいなー！ホントだよ！
蓮太
やったー！！！！
ぎゅー！
雪音
きゃっ…
雪音
（また抱きしめられて…！///）
蓮太
嬉しい、嬉しいよ！雪音さん！
蓮太
これからよろしくね！
雪音
よ、よろしく、って！
雪音
一旦抱きしめるのやめて～！
蓮太
あ、嬉しくてつい…
雪音
はァ…
雪音
（ヤバ…めっちゃドキドキしてる…///）
蓮太
雪音…
雪音
…蓮太、くん
雪音
（あ、蓮太くんの顔が近づいて…）
雪音
っん…
蓮太
っは…
蓮太
ごめん、ね…
雪音
んーん…もう一回…
蓮太
え？
雪音
もう一回…して…
蓮太
（か、かわいい…）
蓮太
いいよ
ガラッ
先生
どうですかー、掃除は終わりましたかー
バッ！
蓮太
お、お、終わりましたでございます！
雪音
終わりましたっ！
先生
よしよし熱心で何よりだ
先生
早く帰るんだぞー
ガラガラ…パタン
蓮太
…はァ
蓮太
ビビったー…
雪音
っふふふ…
蓮太
？
雪音
あははは！！
蓮太
どっどうした？！
雪音
蓮太くんの返答の仕方…！
雪音
マジで笑うっ…
蓮太
え、俺なんて言った？
雪音
お、終わりましたでございますって…ははっ
雪音
何語だよー！
雪音
あははは！
蓮太
ちょ、笑いすぎだろ！
蓮太
俺だってとっさに出た言葉があれだったんだよ！
蓮太
まぁ、へへっ…
蓮太
たしかに笑うな！ははは！
蓮太
今思い返したら笑えてきた！
雪音
もーホントばか…！
雪音
あははは！
蓮太
…よかった
雪音
え？
蓮太
やっぱり雪音は笑った顔が一番かわいいよ
蓮太
ずっと好き
蓮太
好きでいられる自信しかない
蓮太
これからよろしくな
雪音
…また///
雪音
なーんでそんな恥ずいセリフをあっさり言えるかねー…///
雪音
まぁ…よろしく、ね
蓮太
俺の前では猫、かぶらないでね
蓮太
ありのままでいてほしい
こうして俺達はつきあうことになった
ずっと好きだからな、
雪音💕
電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい！がどんどんみつかる。
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