これは私が夜道を歩いていたときの話です。
寛
なんだあれ?
線路に目をやると、 どういう訳か男が線路を走って 列車を追いかけてるではありませんか。
男
待ってくれ~
寛
酔っぱらいか?それにしてもだいぶ老けているのによくあんなに走れるな。
寛
ちょっと言ってみるか
寛
おーい!!大丈夫!次乗れるから!!!
気づくと男は消えていた
寛
なんだったんだ?
翌日
誠
聞いてくれよ寛、俺の親戚のおっちゃんが意識不明の重体だったのが、奇跡的に回復して、喋れるまでになったんだよ!!!
寛
あのおっちゃんが!?
誠
そうだよ!
寛
いやー、良かったな!
誠
うん、あとさ
誠
おっちゃんが不思議なこと言ってたんだけど
寛
なに?
誠
死際に亡霊がたくさん乗ってる電車が見えたらしいんだ
誠
おっちゃんは自分も死ぬから、乗らなくちゃって、本能的に思っちゃったらしい。でも、乗る前に発車して、乗れなかったんだって。
寛
へぇー、そんな不思議なことが
寛
本とかでよく見るけど、本当にあったとはね
誠
多分あの電車に乗ってたらおっちゃん、亡くなってたんじゃないかって、みんな言ってるよ
誠
でもおっちゃん、もっと怖いこと言うんだ
寛
なんだよ?
誠
乗れなかったのはいいんだけど、どこかからか
誠
「大丈夫、次乗れるから」って
寛
え、え?
誠
おっちゃん、「あれは死神だ」って震えっぱなしなんだよ。