第十三話　星の呼吸

蝶屋敷　屋根

バチッ　ギンッ

シュッ

サァ…

ザンッ

少し、浮かれていたその時だった

胸騒ぎがした

ほぼ直感的なものだった

でも、何かが起きている

それだけが、確かだった

わたしが走り出すとほぼ同時、

タタタタタ

ドンッ

時、既に遅し

そう言っているようだった

わたしがついた時には、もう…

無惨は火だるま、

お館様の家は、跡形もなかった

そして、無惨に飛び込む…、

前に、しのぶさんから聞いていた

鬼殺隊の味方の鬼がいる、と

珠世さんは、無惨に何かを仕掛けていた

かすかに聞こえたその会話

だけど…

そう思った時

岩柱の、悲鳴嶼さんが、

無惨に攻撃をした

ゴシャァ

頭の潰れる鈍い音が聞こえ、

火の中にいる無惨の首が、

頭もろとも消されたことが分かった

でも、違った

無惨は首を、頭ごと切断された

にも関わらず、再生した

悲鳴嶼さんは、技を出す

無惨も、棘のような血技術を使う

でも、その中に加わって、足手まといになったら…？

外側から、後方援護ができるような技…

わたしは、炎を使って、

自分がいることを悟られないように、

身を数秒間、消した

そして…

バチバチッ

ガキュンッ

わたしがもう一度地面に立った時、

他の柱たちも集まった

わたしと、悲鳴嶼さんは言った

頚を斬っても 死（なない／にません）！！

その言葉を合図にするかのように、

わたしたち柱は、一斉に構えた

みんなが、技を出そうとした、その時だった

バカッ

そこに、突如、落とし穴が生まれた

あまりに唐突のことで、

柱であるわたしたちの、ただの一人も、

その落とし穴から抜けられなかった

わたしが、無限城に入る前に見た最後のもの

それは、許し難い、鬼舞辻の顔だった

お前だ！鬼舞辻無惨！

その言葉が、届いたかは分からなかった

ただわたしは、落ちていた

第十三話　星の呼吸　 ＥＮＤ