寮の入口
放浪者
......
放浪者
あらら〜...
空
神里先輩...本当に待ち伏せしてる...
放浪者
僕達はどっちも誰かの部屋に行かなきゃいけないみたいだね
空
お隣さんだもんね〜…
空
……
放浪者
………
空
え、ならどうすんの?
放浪者
他にあてはいないのかい?
空
いるっちゃいるけど…君はどうするの?
放浪者
君と同じ部屋に転がり込むつもりだけど?
空
へ〜、なるほどぉー
放浪者
納得したようだね
空
ってなるか!!!!さすがにダメだわ!!
空
いい!?本当は2人部屋なところに1人転がり込むだけで、すでにぎゅうぎゅうなんだよ!?
空
迷惑すぎんだろ!?
空
俺だったら絶対「仕方ないな〜、ほら部屋入れよッ…!」なーんてなんねぇわ!!!!
放浪者
なら僕の寝床はどうするつもりなんだい?
空
……
空
頼れる人いないの?
放浪者
僕が心を開くなんてこと、凡人共にすると思うかい?
空
はぁ…
空
なら君は野宿で頑張ってね!
放浪者
はぁ!?この僕が野宿だと!?
空
だって人に頼りたくないんでしょ?
放浪者
……
放浪者が空の言葉にムッとした表情を見せる
空
(拗ねてる…)
空
もう仕方ないなぁ…
空
俺の部屋の上の階に頼れる人がいるからそこに君はお世話になって
放浪者
それって僕の知ってるやつ?
空
うん、知ってるよ
空
放浪者も話したことあるよ
放浪者
…ならいい
放浪者
だけど肝心の君は?
空
え、俺?ウサギ小屋…とか?
放浪者
はぁ?
空
あ、いやいや!!冗談冗談!
空
学校のトイレでいいよ!
空
ちゃんと個室だから安心してよね!
放浪者
はぁ…???
空
あー!!こ、これも冗談だって!床!!教室の床とか!!!
放浪者
君…ふざけてるのかい?
空
いやぁ…全く…
放浪者
……
放浪者
あれはダメなのかい?ゆく…なんとか
空
行秋は俺のお隣さんなんだよ
放浪者
タルタリヤ……はなしだな。僕の隣だ
空
うーん……他に頼れる人なんて…
カーヴェ
どうしたんだ、困り事か?
空の方をいきなり叩く
空
わっ!!び、びっくりした…
カーヴェ
いきなり声をかけて悪かった、僕は2年のカーヴェ
空
俺は1年の空……です
カーヴェ
そう畏まらなくていい、楽にしてくれて構わない。敬語もわざわざ使わなくていいよ
空
ありがとうございます…じゃなくてありがとう
カーヴェ
それで、どうしたんだい?
空
それが…
事の経緯を話す
カーヴェ
うわぁ…神里さんに目をつけられたって言うのあなただったんだな
空
はい…
カーヴェ
それで、部屋に戻れないから匿ってくれる人を探してるけど、仲良くしている人がみんな部屋が近くて困っている。ということだよね
空
はい、完全にその状態です…
カーヴェ
うーん……
カーヴェ
ならさ、僕のうちにおいでよ
空
え!?
空
いいんですか!?
放浪者
ちょっと、なんでこんな知らない奴のところのこのこ行けるの?
空
いや、時間ないし泊めてくれるって言うし…
放浪者
こいつ一人だけに意見を聞いて行ったら、こいつと同じ部屋のやつが嫌がるかもしれないだろ
空
確かに…
カーヴェ
いや、そこのところは大丈夫だよ
カーヴェ
多分僕の同室のやつも君のこと気になってるよ
空
そ、そう?
カーヴェ
だってこの前君のこと話してたし
空
え?俺のこと?
カーヴェ
あぁ、随分楽しそうに話すものだから気になってたんだ
空
へー、そうなんですか…
空
(マジでその俺のこと話してるやつだれ?!)
カーヴェ
君と話したこともあるようだから平気だと思うから安心して
空
じゃあお言葉に甘えてお世話になります…
カーヴェ
うん、よろしく空
放浪者
ところで、僕は誰の部屋に泊まればいいわけ?
空
あぁ、そうだった
空
場所は俺の丁度上の階の部屋
空
君の知り合いがいる部屋だから安心してね
放浪者
知り合い?
空
うん。だから多分大丈夫だよ
カーヴェ
それじゃあ行こうか、空
空
はい、カーヴェ先輩
空
それじゃあ放浪者!また明日
放浪者
あぁ
カーヴェの部屋
カーヴェ
ここが僕の部屋だよ
空
1年の寮と場所が違うんですね…
カーヴェ
まぁね
カーヴェ
じゃ、入って入って
空
なんかThe寮って感じの部屋ですね
カーヴェ
本当は僕の美学に合わないから壁紙とか張り替えようとしたんだけど、さすがに怒られちゃったからやめたんだ
空
わざやざ張り替えようとしたんですね…
カーヴェ
気に入らなかったからね
空
ところで同室の方は?
カーヴェ
まだ帰ってきてないみたいだから床にでも座って待ってて
カーヴェ
お茶用意するから
空
いえいえ!本当はお邪魔になってる俺がするべきことなので、待ってるだけじゃなく手伝わせてください
カーヴェ
いや、一応形的にははお客様だし…
空
先輩に茶を注がせる手間のかかるダメな後輩には少しでもなりたくないんです!!!
カーヴェ
そこまで思ってないから平気だよ
空
いえいえ!!これは俺のプライドが許さないので…!!!!
カーヴェ
じゃあ僕のプライドも許さないから…!!!
空
迷惑かける側なのでせめてお茶ぐらい用意させてください…!!!!
空が土下座をしておねだりする
カーヴェ
いやでも…
空
お願いします!!!ここで働かせてください!!!
カーヴェ
千と千○の神隠しじゃないよここ!!!!
空
違います!!!!そうなんです!!!
カーヴェ
僕湯○婆じゃないよ!?!?
空
湯○婆なんです!!!!!!
カーヴェ
違う!!!!!
空
とにかく手伝わせてください!!!!
カーヴェ
いいって大丈夫だよ!!!
空
いいえ!!!これは俺のプライドが…
空が立とうとした時、足が痺れて前向きに倒れそうになる
カーヴェ
ちょっと空?!
空
ご、ごめんどいて!!!
ドタッと音を立てて倒れる
空
いててて…
カーヴェ
う……大丈夫かい空…
空
えっ、カーヴェ先輩なんで俺の下敷きに…??
カーヴェ
君が押し倒したんだよ!!!
空
あー、すいません
空
どいてください
カーヴェ
い、いやその…悪いが足が痺れて…
空がカーヴェにまたがるような状態で2人は床に倒れ込んでいた
セノ
またあったな空。それにしても、空の股に股がったりしてどうしたカーヴェ
空
……
カーヴェ
……
セノ
……
カーヴェ
もしかしてジョーク…??なわけ…
セノ
(灬ꈍ ꈍ灬)ポッ
空
……(ドン引き)
カーヴェ
……(ゴミを見るかのような目)
空
あ〜…セノさんが同室の人だったんですね…
セノ
あぁ
空
ん?っていうか年上!?!?
セノ
あぁ。
空
ティナリと同い年かと思ってた…
セノ
あいつは認めたがらないが俺の方が年上だ
空
そうなんだ
空
(ティナリよりか頼りがいなさそうな性格してるけどな…)
セノ
それよりも空、アレをやろう
空
え
セノ
この間会った時に誘ったのに断られたからな
セノ
せっかくの機会だ。夜通し付き合うぞ
空
(どっちかと言うと俺の方が付き合わされるんじゃ…??)
カーヴェ
それってセッ##?
セノ
いや違う
セノ
セッ##よりか楽しいことだ
カーヴェ
セッ##よりか!?!?
カーヴェ
そ、それって?!
セノ
その名は…!!!!
空
ただの七星召喚です
セノ
フッ……素晴らしいだろ?
カーヴェ
は????
カーヴェ
いやいや絶対ない
カーヴェ
セッ##よりか楽しいってないよ
カーヴェ
ここにティナリがいたら絶対「僕もそうだと思う…」って苦笑いしながら言うさ!!!
セノ
いいや、ティナリはそんなことは言わない
セノ
「まぁそれは個人の意見だからね…」って呆れながら言うだろう
カーヴェ
いいや違う!!!僕の「カーヴェに同意するよ」って言うさ!!!
セノ
いいや!!!俺の
空
多分ティナリなら何も言わずに2人の会話に呆れてるよ
カーヴェ
…
セノ
…
セノ
そうだな。ティナリならそうするだろう
カーヴェ
君、ティナリとの付き合いが僕たちよりも短いのによく知ってるんだね
空
俺ティナリと同室だし…
カーヴェ
へぇ…それじゃあ楽そうだね
空
え?
カーヴェ
お世話とかいろいろ世話焼いてくれるだろ?
空
そうだね。確かに色々助かっちゃってるかも
セノ
俺と食事をするとき、俺が喋り出すととてつもなくイヤーな顔をするんだ
空
え?なんで?
カーヴェ
あ〜……
カーヴェ
その、ね?セノって時々おかしなことを言うだろう?あれだよ
空
あれ?
空
…
空
……ダジャレか
空
それは……まぁ、仕方ないですね
セノ
それじゃあ空と食事をする時はどんな様子なんだ?
空
俺と…?うーん…
空
あぁ!餌付けされる事が最近多いですね
空
ご飯は作ってくれたり作ってあげたり、買ってきたりで色々楽しんでますね
カーヴェ
(なんだ?この2人付き合ってるのか??)
セノ
(夫婦だな、いや夫夫か)
空
大体思ってることは想像できますけど付き合ってませんよ
カーヴェ
もったいないな、楽だぞ
セノ
ティナリほどつるみやすい人と付き合わないなんて、好きな人でもいるのか?
空
好きな人…
カーヴェ
(どうせこういう子はいないとか言うんだろうな…)
セノ
(少し難しい質問をしてしまったか…)
空
います
カーヴェ
え?
空
好きな人います