充希
充希
充希
充希
大人組の喧嘩
ジェルくんsiten
ジェルくん『……ふわぁ』
朝、いつも通りに起きる
カーテンから漏れ出る眩しい陽の光で眠気が冷めた
ジェルくん『……頭痛い』
起きて一番最初に思ったのがそれやった
頭痛すごい…
今日会議あんねんけどなぁ…
ジェルくん『一応体温測っとこ……』
体温計を棚から取り出し脇に挟む
ジェルくん『その間エゴサでもしよ』
エゴサを初めて数十秒
脇に挟んどった体温計からピピピと機械音が鳴る
ジェルくん『さぁ何度っかな〜』
ジェルくん『わーお39.8度〜』
脇から取り出した体温計に表記されてた数字は紛れもなく俺の平熱より遥かに上の数字
んもぉ…
最近は不運なことばっかやなぁ…
エゴサしてたらアンチツイート見つけるし、
この間行ったコンビニにたまたま強盗来て人質にされた挙句ナイフで腕刺されたし
今日は風邪ひくし
なんなん?!
確かに俺後厄のが悪いタイプらしいけど…
ジェルくん『うわー会議どーしよーー!!』
ジェルくん『…………』
どうせマスクつけるし、会議くらいなら行っても大丈夫……よな?
そうと決まれば準備やー!
そう思い立ってベッドから出る
ジェルくん『うわっ、』
熱のせいで頭がクラクラしてるのもあって、倒れそうになる
なんとか柱に掴まる
ジェルくん『っ、はぁ、』
息切れハンパねぇ…
てか今何時?
時間が気になりちらっとスマホの時計を見る
ジェルくん『………7時57分…』
えーーっとー?
会議が8時でしょー?
……………
ジェルくん『遅刻やん!』
大急ぎで着替えて準備する
顔も洗い歯磨きもして、ふと朝ごはんを食べてないことに気づく
ジェルくん『あぁもう!朝飯いらんやろ!』
急いで靴を履き家を出る
鍵はちゃんと閉めたし大丈夫
………体調さえ良ければ。
頭のクラクラと若干の眼のかすみのせいでふらふらする
それでもなんとか走り続けてようやくたどり着いた第1すとぷりハウスのころちゃん家
ジェルくん『フォローっはぁ、はぁ、ふぅっはぁ、はぁ』
ジェルくん『ッスゥー』
ピーンポーン
息を整えインターホンを押す
数秒待っているとドアの向こうからドタドタとやかましい足音が聞こえてくる
ころんくん『あ、ジェルくんやっと来た!』
出たのは家主のころちゃん
ころんくん『30分遅刻!』
ジェルくん『ごめんなwちょっと寝坊しちゃってw』
ころん『…もう、しっかりしてよね』
ジェルくん『ごめんごめんw』
なんとか笑いながら誤魔化す
理由は知らんが一瞬ころちゃんに睨まれる
………バレてへんよな?
俺は元演劇部
俺なら行ける!!
と、心の中で自分に喝を入れる
ころんくん『ほら、入って?』
ジェルくん『…お邪魔しまーす』
熱のせいで反応が少し遅れたけどころちゃんなら気の所為って受け取るやろ
ななもり。くん『あ、ジェルくんやっと来た!』
ななもり。くん『も〜!ジェルくん普段遅刻なんてしないからなんかあったんじゃないかってすっごい考えちゃったじゃん〜!』
ジェルくん『ごめんな、なーくんw』
ジェルくん『ちょっと寝坊しただけやでww』
ななもり。くん『……ほんとに?』
ジェルくん『…へ?ほんま、やで?』
ななもり。くん『ほんとならいいけど…』
え、俺バレてへんよな?!
ジェルくんなら行けるって俺信じとるで?!
ななもり。くん『みんなー!ジェルくんも来たことだし会議始めるよー!』
莉犬くん『もー!ジェル遅いー!』
るぅとくん『なにやってたんですか!』
ジェルくん『ごめんごめんww寝坊しただけやでw』
さとみくん『お前ももう遅刻組ってことでぇ?』
ジェルくん『いや言うて俺そこまで遅刻してへんしw』
ななもり。くん『はいはい!会議やるよ!』
5人『はーい』
まぁそんなこんなで会議が終わりましたんですけどもね?
なーんか視線感じんのよね
ころちゃんから
えこれバレてんじゃね?
やべぇじゃん
どーしよ…
って感じで心の中であたふたしてると
ころんくん『……ねぇ、ジェルくん』
ころちゃんから声掛けられましたねーはい
この声色めっちゃ怖い
ジェルくん『……なに?』
よく返事した。頑張ったよ。偉い。
ころんくん『ジェルくんさ、僕らになんか隠してるよね?』
ほらもぉバレとるやんーー!
誰や!ころちゃんなら気の所為で済ますって言ったやつ!
俺やわ!
ちょぉもぉ返事すらできひんねんけど
ころちゃん激怒よ
ころんくん『なーくん、ジェルくんなんか隠してる』
ころんくん『多分、風邪と怪我隠してるよ』
え?
いやね?
一歩譲って風邪はわかるよ??
朝あんだけ熱あったんやし
でもさ?
な ぜ 怪 我 バ レ た し
今日のころちゃん鋭すぎん??
その鋭さなら余裕で紙切れるで???
ななもり。くん『ジェルくん?ほんとなの?』
ジェルくん『え、あ、その、あ、っ、と……』
ななもり。くん『さとみくん、ジェルくん捕まえて』
さとみくん『え、りょ、了解!』
元々逃げる気はなかったがさとちゃんに捕まる
動けんやん
ななもり。くん『ジェルくん、ちょっと体触るね?』
ジェルくん『へ、う、んぁ…』
やっべ変な声出た
ちゃうんよ。俺体超敏感なのよ
ね?わかるっしょ?
てかなーくんの手冷たい…
ちななうでなーくんが俺のおでこ触ってる
ななもり。くん『え、は?ジェルくんめっちゃ熱いんだけど!』
さとみくん『はぁ?!お前?!』
ななもり。くん『説教は後、次は怪我見なきゃ』
ななもり。くん『あるんでしょ?どうせ』
ばれとるやん
サンタさんはいるよって嘘並にばれとるやん
バリバリバレとりますやん
ななもり。くん『さとみくん、しっっかりとジェルくんのこと捕らえといてよ?』
捕らえるって言い方よ
なーくんが俺の左腕の袖を捲る
ななもり。くん『……ジェルくん?なにこの包帯』
ジェルくん『……ちょっ、と、怪我した、だけやもん…』
ななもり。くん『もう!そうやってジェルくんはいっつも怪我や風邪を隠す!!いい加減隠す癖辞めてよ!!すんごいヒヤヒヤするんだから!』
さとみくん『そうだぞジェル!何かある度に隠しやがって!俺らはそんな頼りないか?!そんなに役立たずか?!』
ジェルくん『ちゃ、ちゃう!けど、けど!しゃぁないやん!昔っからの癖なんやから!そう簡単に治せるもんとちゃうねん!!』
さとみくん『はぁ?!こっちは心配して言ってんだぞ!!!』
ななもり。くん『そうだよ?!いっつもヒヤヒヤして心配するこっちの身にもなって!!』
ジェルくん『っ、!』
ジェルくん『なーくんやさっちゃんやって!最近全然寝てへんやん!!隈凄いで?!!?そっちやって俺らになんも言わんと隠しとるやん!!お互い様やん!!』
さとみくん『それにしてもだ!この傷は普通言うべきだろ!風邪だってちゃんと知らせとけばいいだけの話じゃねぇかよ!!』
ななもり。くん『そうだよ!言ってくれればあとで内容や決まったことLINEで教えるのに!!』
ジェルくん『うっさいねん!なにしようが俺の勝手やろ!』
莉犬くん『るぅちゃ、』
るぅとくん『り、りーぬ…』
莉犬くん『ど、どーしよ……あの3人止めないと……』
るぅとくん『でも、止めれる、?あれ……』
莉犬くん『…無理ぃ……』
るぅとくん『どーしよ……』
ころんくん『……はぁ』
ころんくん『ねぇ、3人とも、やめなよ』
ジェルくん『ころちゃんには関係あらへんやろ!』
さとみくん『そうだ!部外者は引っ込んでろ!』
ななもり。くん『ちょっと今はほんとに静かにしてて!』
ころんくん『るぅとくんたちが困ってんでしょ!!仮にも大人組でしょ?!だったら落ち着いて話し合うって方法はなかったわけ?!』
ころんくん『第一!ジェルくんはジェルくんで確かに隠すのは良くないことだけど!!それを無理やり怒鳴りつけるのは違うでしょ?!』
ななもり。くん『それは…』
ころんくん『ジェルくんも!ジェルくんは人のことあーだこーだ言う前に自分の心配して!ジェルくんはなーくんに続いて周りを頼らなすぎる!』
ジェルくん『え、あ、ご、ごめんなさ…』
ころんくん『謝るのは、僕じゃないでしょ?』
ころんくん『ジェルくんはなーくんとさとみくんに、なーくんとさとみくんはジェルくんに、3人はるぅとくんと莉犬くんに謝って』
ジェルくん『…なーく、さとちゃ、ご、ごめんなさぃ……』
ジェルくん『ただ、どーしても、心配かけたくなくて……』
ジェルくん『ただでさえ、みんな疲れとるのに、俺のせいで、仕事、増やしたくなかってん…』
ななさと『………』
ななもり。くん『こっちこそごめんね。ジェルくん。俺ら、ジェルくんに怒鳴りつけちゃって、”話し合う”ってことが出来てなかった……』
さとみくん『でも、もっとちゃんと俺らにも頼ってくれ、な?』
ジェルくん『……うん、わかった』
ななさとジェル『……るぅと/くん、莉犬/くん』
ななもり。くん『大人組の俺らが喧嘩して、困らせちゃってごめんね…?』
さとみくん『ほんとにすまん。今度なんか奢る…』
ジェルくん『ごめ、な、こま、らせ、ちゃっ、て、……』
あ、やばい
怒鳴ったせいで頭くらっくらする……
あ、倒れそ……
ころんくん『っと、ジェルくん、ベッド貸すから寝ときな』
ジェルくん『……うん、あり、がと……』
俺はそこで意識を落とした
目を覚ます
そこはころちゃんの部屋
ジェルくん『…運んでくれたんや…』
なんだかすごく嬉しい
ガチャ
ころんくん『あ、ジェルくん起きた?』
ジェルくん『おん、今起きた』
ころんくん『体調はどう?』
ジェルくん『朝より全然元気やで』
ころんくん『ならよかった』
ころんくん『でも一応寝ときなよ?』
ジェルくん『あーい』
俺はもっかい布団に包まる
と、そこでふと疑問に思ったことがあった
ジェルくん『な、ころちゃん、ころちゃんはさ、俺の風邪と怪我のこと、最初っから気づいとったん、?』
ころんくん『え?気づいてたよ?』
ころんくん『顔赤いし、フラフラしてるし、左手は不自然に守ってるし』
ジェルくん『そうやったんや…』
ジェルくん『ま、僕は鋭いからね』
ころちゃんはそう言いながら優しく笑う
あまりこういう優しさに慣れてないせいか、
ジェルくん『ほら、俺寝るからころちゃんはるぅちゃん達んとこ行ってき?』
と、照れ隠しが出る
ころんくん『僕居なくても大丈夫?』
ジェルくん『大丈夫やって!俺子供やないんやから!』
ころんくん『そ?なら僕向こう戻るね』
そう言ってころちゃんはるぅちゃん達んとこに戻ってった
ジェルくん『……にしても』
ジェルくん『ほんまに』
今日のころちゃん、鋭いわぁ
俺は再び重たい瞼を閉じた
コメント
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ブグマ失礼します。m(._.)m
あれ?ジェル君が「まっ僕は鋭いからねって言ってるん?」 ジェルくん僕っ子やっけ?
ブクマ失礼します!