これは、俺が 小一の時に体験した出来事だ
柊(幼少期)
このクッキー美味しい!
おばあちゃん
ジュースも持ってきてあげるよ
柊(幼少期)
ありがとう!
この日から、俺らは家族で 祖父母の家に2週間泊まる予定だった
柊(幼少期)
柊(幼少期)
トコトコトコトコ)
お泊まりの最初の日の夜 俺は夜中に目が覚めて トイレに向かっていた
柊(幼少期)
眠たいなぁ……
俺がトイレに入っていた時
(コンコン
誰かがドアをノックした
柊(幼少期)
お兄ちゃん?
シーン
柊(幼少期)
柊(幼少期)
この時は 誰かのイタズラだと思っていた
〜翌朝〜
柊(幼少期)
トイレ入ってる時
誰かドア叩いたよね?
柊(幼少期)
僕怖かったんだよ〜
父
兄
兄
おじいちゃん
妹
おばあちゃん
おばあちゃん
母
分からないなぁ……
母
柊(幼少期)
気のせいだったのかも
家族全員に聞いてみたけど ドアをノックしたと答えた奴は いなかった
数日後
柊(幼少期)
(コンコン
また、誰かがドアをノックした
柊(幼少期)
イタズラしてるじゃん!
柊(幼少期)
シーン
声を掛けても 返事はなかった
柊(幼少期)
誰ってばぁ!
バッ)
すぐにトイレから出てみたが
柊(幼少期)
そこには誰もいなかった
それから、夜中トイレに入ると 同じ現象が起こった
その度に家族に話していたが 気のせいだと言われてばかりだった
本当に気のせいならよかったが ノックの音は日に日に 強くなっていった
そして
お泊まりの最後の日には
柊(幼少期)
柊(幼少期)
ギュッ)
(コンコン コンコン コンコン
(コンコン コンコンコンコン
(コンコン
(ドンドンドン
(ドンドンドンドン
(アハハハハッ (コンコン
(アッハハハハハハハハハ
(ドンドンドンドン
女性の笑い声のようなものが 聞こえるようになっていた
柊(幼少期)
柊(幼少期)
あまりにも怖すぎて その場を動けなかったが
シーン
ピタッと静かになった
柊(幼少期)
まだ出来てちゃダメだよ! そこに居てね! 〉
柊(幼少期)
柊(幼少期)
柊(幼少期)
はいはい分かってますとも ちょっと待つんだよ! 〉
その後、1時間ほど 俺はトイレの中にいた
祖母は、お経なのか 何かの呪文なのか、 延々と都内続けていた
ようやく外に出ると 大人達が俺を待っていた
母
父
怖かったな……
おばあちゃん
おばあちゃん
ごめんね
壁にはお札が貼ってあった
当時は何が起きているか 全くわからなかった
ただ、怖くて 涙が止まらなかった
あれから十年経って 祖母は俺の家の近所に 引っ越して来た
俺は、あの時のことを 祖母に聞いてみることにした
柊
何が起きていたんだ?
祖母
幽霊の仕業だったんだよ
柊
気のせいでもなかったんだな
祖母
ドアを叩いたりするだけなら
まだいいんだけどね…
祖母
子供を連れ去ってしまう
幽霊だったんだよ
話を聞いて俺は寒気がした
柊
お前が気づいてくれなかったり
俺がドアを開けたりしてたら
柊
祖母
どうなっていたのか考えると
今でも怖くてたまりません