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綺麗に散る桜に

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6

リオルと小さな私

2023年10月15日

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これはある日のお話

玲衣(6才)

おかあさま・・・!

玲衣の母

どうしたの?玲衣

玲衣(6才)

さっき、きれいな
真っ白なお花さんを見つけたの!

玲衣の母

お母さんに見せてくれるの?

玲衣(6才)

うん、これ!

私は手に持っていた、小さな白い花をお母様に見せた

玲衣の母

わあ、とっても綺麗ね!

玲衣(6才)

これ、おかあさまにあげる!

玲衣の母

あら、いいの?

玲衣(6才)

うん!
大好きなおかあさまにあげたいなって思ったから!

玲衣の母

嬉しい・・・家に飾らなくちゃね

私といつも一緒に遊んでくれて

大好きなおかあさまだった

今日もおかあさまはお仕事に行った

そしていつものように16時には帰ってくるはずだった

玲衣(6才)

おかあ、さま・・・?

知らない人

ああ、君が玲衣ちゃんかな
少しあがらせてもらうよ

16時に帰ってきたのは まったく知らないおじさんだった

玲衣(6才)

おかあさまは・・・?

知らない人

そのお母さんについてなんだが・・・冷静に聞いてほしい

“君のお母さんはポケモンの攻撃を脳に直接受け”

“死んでしまった”

玲衣(6才)

・・・・・・・・・え?

知らない人

まだ理解しようと、無理をしなくていい

知らない人

ただ君には、伝えておかなくてはと思ってね

それだけの言葉を残して 知らないおじさんは帰っていった

玲衣(6才)

おかあさま、?

小さいときの私の脳では すぐにその状況を飲み込めなかった

言葉の意味もあまりわかっていなくて おじさんがなにを伝えたいかがわからないままだった

玲衣(6才)

・・・今日は、遅いのかな

おかあさまお仕事は知らなかった

でもきっと、おじさんは おかあさまの帰りは遅いよと伝えたのだろうと 思っていた

玲衣(6才)

今日は早く寝よう

ー次の日の昼ー

玲衣(6才)

・・・おかあさま

結局、おかあさまは帰ってこなかった

それがなにを示しているかもわからないままだし なぜ帰ってこないのかもわからなかった

だけれどやっぱり、傍に大好きなおかあさがいないと

玲衣(6才)

うぅ・・・ひぐっ・・・

不安などで心が苦しむばかりだった

《このままお母さんは帰ってこないのかもしれない》

嫌な考えが脳内をよぎる

玲衣(6才)

おかあさま・・・おかあさま・・・!

リオル

・・・リオ?

玲衣(6才)

ポ、ポケモン・・・?

泣いては閉じていた瞼あけると 目の前には私の様子を伺うように立つポケモンがいた

玲衣(6才)

ええっと、確か名前は・・・

リオル

リオリオー!

玲衣(6才)

えっと、そうだ、リオルだ!

リオル

リオ!

玲衣(6才)

んふふ、正解しちゃった

リオル出会えて やっと笑えた私

玲衣(6才)

・・・リオル、ありがとう!

リオル

リオ!

リオルはその日から

私の大事な友達になってくれた

玲衣

何回か公園で一緒に遊び、お話をした後
ひろってきたモンスターボールで捕まえたんです

今思い返すとつらいな なんて考えが薄まるくらい、私はリオルから《楽しい》貰ったんだ

そして、リオルとの出会いはこれで終わり ダンデさんからの返事があってもいいはずなんだけど・・・

玲衣

ダンデさん・・・

玲衣

!?

ダンデさんの顔を伺おうと振り向くと そこには目から大量の涙を流す姿があった

これも私のせいだ・・・

玲衣

ご、ごめんなさい・・・!
お話の内容、重かったですよね

ダンデ

いや、玲衣が謝ることはない
リオルも心優しきポケモンだったんだな

ダンデ

とにかく、2人の愛情が伝わる話だった・・・

玲衣

は、ハンカチどうぞ・・・!

ダンデさんは話す度に涙を流すものだから そろそろこの場に水たまりが出来てもおかしくないくらいに

ポケットに入っていたハンカチを渡すと、ダンデさんは拭き それからは涙を流さないよう頑張って・・・?くれた

ダンデ

リオルは人の心がわかるポケモンなんだ

ダンデ

もしかすると、寂しそうにする玲衣を慰めようと
近づいたのかもな・・・!

玲衣

人の心・・・

そう聞くと 今まで言えなかったことも教えてくれたリオルの行動が理解できる

私・・・

玲衣

リオルに、助けられちゃった

リオルがもっと好きになった

ダンデ

これからも二人が描く物語が平和であると願う!

玲衣

はふふ・・・はい!ありがとうございます!

キバナ

やっと終わったー
って、2人でなに話してんの?

ダンデ

ああ、キバナの好きなところについて話してたぞ!

玲衣

キバナ

は?ダンデー、余計なことしないでってあれほど・・・
・・・玲衣はだんでと話して、楽しかったか?

玲衣

はい、楽しかったです・・・!

キバナ

ならいいけどよー

先生に言わない優しさ

その小さな行動にも、心救われたような気がしたんだ

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