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メリー・プリニウスの休日

メリー・プリニウスの休日

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メリー・プリニウスの休日

♥

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2022年08月06日

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-昆虫学者の自室-

メリー

今日は試合がないですね…。(予定を確認し)

メリー

身支度を済ませて…。(被り物を装着)

メリー

珍しい虫さんでも採取しに行きましょうか。

-荘園の屋外-

メリー

今日はとても天気が良いですね。

メリー

少し暑いですが…、あまり遠くには行かないので大丈夫でしょう。

メリー

さて、虫さんはいますかね…?(網を構えて辺りを見渡し)

???

コソコソ

メリー

…む、音が聴こえますね。

???

メリー

メリー

…あら、気配が消えました。

メリー

こちらの方向から聴こえたので行ってみますか。

メリー

ガサガサ(草むらをかき分けて歩き)

メリー

多分合っていると思うのですが…。

メリー

しかしここは草木が生い茂って、

メリー

珍しい虫さんがいるかもしれませんね。(嬉しそうに呟き)

???

コソコソ

メリー

…!

メリー

いました…、あれは見たことない虫さんですね。(小声で姿勢を低くし)

???

メリー

草むらによじ登ってる…?

???

ピョン

メリー

まぁ…脚力が強いのですね。

メリー

ふむ、建物の壁に飛びつきましたね。

メリー

ってあら、よく見たら…。

メリー

人、でしょうか。まさか小人?

メリー

これは珍しい…。

メリー

人の姿をした虫さんという可能性もありますね、追いましょう。(後をつけて)

???

ガサ…

メリー

ふふ、頑張って壁をよじ登ってますね。

メリー

窓際に着いたら捕まえましょう。(網を構え)

???

…トッ

メリー

今です!(網を素早く振るい)

メリー

(網の中を確認して)

メリー

!?……いない?

メリー

そんな、まさか…気付かれたかしら。

メリー

あっ…。(窓が開いている事に気付き)

メリー

もしかして、今ので部屋の中に落ちたのかしら。

メリー

(窓から覗くと)…何だかいい匂いがしますね。

メリー

ほのかに紅茶とクッキーの香りがします。

???

コソコソ

メリー

あっ…いました。

メリー

机の上のクッキーを目指して登っているのね。

メリー

ふふ、お腹でも空いてるのかしら?

メリー

…今がチャンスかしら?よし。

メリー

覚悟して下さい!(窓を飛び越え網を机に思いっきり振り)

ガシャーン!!(食器が割れる音)

メリー

あっ…!

メリー

やっちゃいましたね…。

メリー

…少々手荒でしたが、手応えありですね。(網の中を確認し)

???

痛た…。

メリー

あら、喋ったと思ったら。

メリー

この人何処かで見たことがあるような。(顎に手を当て)

???

だ、誰!?僕を食べても美味しくないよ!?(震えながら上を向き)

???

って、メリーさんか。どうしてここに?

???

いやその前に、ここから出してくれないか!?

メリー

えっ、あぁ…すみません。(網から出してあげ)

メリー

驚きました、まさか私の名前を知っているとは。

???

同じ陣営だからね、名前くらい知ってるよ。(苦笑)

メリー

すみませんが貴方のお名前は?

???

えぇ!?まさか覚えてない!?

メリー

はい…。

???

昨日同じ試合にいた冒険家だよ…。(旅行記を使い元のサイズに戻り)

メリー

その本で小さくなっていたのですね。

メリー

今、思い出しました。

メリー

お名前は確か、カートさんでしたね。

カート

名前は覚えていてくれたんだね、良かった。

メリー

すみません、人の顔は覚えにくいので…。

カート

いや、大丈夫だよ。

カート

メリーさんはこんな所で何してるの?

カート

おおよそ、分かるけどね…。

メリー

私は珍しい虫さんを探しに来たんですよ。

メリー

そうして今、珍しい虫さんが目の前にいる訳です。(少し嬉しそうに)

カート

な、なるほど…僕が虫ね…。

カート

虫は苦手なんだけどなぁ…。(苦笑)

カート

って、それより…。(目線を下に傾け)

カート

これ片付けないと…。(床に散りばめられた皿やティーカップの破片を片付け)

メリー

あっ、私も手伝います。

メリー

すみません…私が暴れてしまったばかりに。(破片を片付けながら)

カート

ううん、困った時はお互い様だからね。(破片を集め終わり)

ガチャ(部屋の扉が開く音)

リッパー

ン〜?

リッパー

何か変な音が聞こえた気がしたんですが…。

リッパー

って、

リッパー

ヘアァァァ!?

リッパー

私の紅茶とクッキーがぁぁ!!(床を見て)

リッパー

って、おや。何故昆虫学者と冒険家が私の部屋に?

メリー

お邪魔しております、リッパーさん。

カート

えっ、あ……。

カート

(も、もしかしてここハンターの館!?)

リッパー

…ニコ

リッパー

どうしてここにいるか、わかりませんが…。(片手を背中に回し)

リッパー

1つ聞きたい事があります。(入って来た扉に鍵を閉め)

メリー

は、はい…。

カート

(今 鍵をかけなかったよね…?)

リッパー

貴方たちがやりましたね?(粉々になったクッキーを指さし)

メリー

すみません……、ですがカートさんはやっていません。

メリー

罰なら何でも受けますので、彼だけは逃がしてくれませんか?

リッパー

ほう、何でもですか…ニヤリ

カート

メリーさん!?

カート

ち、違うよ!僕がやったんだ。

カート

ば、罰なら…僕が受けるからさ…、

カート

メリーさんには手を出さないでよ…。(声を震わせながらリッパーの前に立って)

メリー

カートさん、何を言っているのですか?

メリー

元々、私のせいで貴方は…。

カート

だ、駄目なんだよ…。

カート

ここで男の僕が引いちゃ…。(真っ直ぐリッパーを見つめ)

リッパー

ふふ、よく言いましたね。

リッパー

ですが。

リッパー

顔色が悪いですが大丈夫ですか?ニヤニヤ

カート

……ぐっ、

カート

僕が…弁償するから、それでいいよね?

メリー

でしたら、蜂蜜はどうでしょう?

メリー

疲労回復に効きますよ。(2人の間に入り込み蜂蜜を手に持ち)

カート

ちょ…、メリーさん…!

リッパー

フ、

リッパー

フフフ。(可笑しそうに笑い)

リッパー

そうですねぇ…。

リッパー

貴方たちが庇いあってる事はよく分かりました。

リッパー

現状、どちらとも怪しいですので。

リッパー

2人とも逃がしませんよ。(笑みを浮かべ、刃を構えながら)

カート

!?

カート

や、やばい…。(顔色が青くなり)

メリー

私たちが壊したものは相当大きかったようですね。

カート

ぶ、分析しなくていいから!

カート

早く逃げよう!(入って来た窓に走って向かい)

ビュン(霧の刃の音)

カート

……えっ?(何が起こったがわからず)

リッパー

おや、残念です。

リッパー

まぁ 今のは、わざと外しました。

リッパー

言っておきますが、逃げようとしたらタダじゃ済みませんよ?(左手の刃を突き出し)

カート

ひっ…!(怯え)

メリー

…あの。

メリー

リッパーさん、どうしてそんなに怒っているんですか?

リッパー

ヘア!?そりゃ怒るに決まっているでしょう!(予想外の言葉に驚いて)

メリー

理由を聞いても?

リッパー

それは美智子さんが私のために作ってくれたクッキーなんですよ?

リッパー

もうそりゃ、楽しみにしてたんですよ!

リッパー

ですが、貴方たちに粉々にされて…。

リッパー

私の食べたいと言う気持ちは何処にぶつけたらいいんですかァ!

カート

えっと…そ、その…。(申し訳なさそうに)

コンコン(ノック音)

美智子

リッパーはん、おるで?(扉越しで話し)

リッパー

ヘア!?(後ろを振り返り)

リッパー

…あぁ、美智子さんですか!

リッパー

今開けますね。(扉を開けて)

美智子

邪魔するなぁ、…あら。(呆然としているサバイバーを見て)

美智子

どうしてサバイバーがおるん?

美智子

って、うちの作ったクッキー粉々やないの!?(目線をクッキーの方に向けて)

美智子

…まさか。

美智子

リッパーはん…。(般若の面を被り)

リッパー

ち、違いますよ!

リッパー

あのサバイバー達が勝手に入り込んで来てですね!

リッパー

美智子さんの作ったクッキーを…。

美智子

リッパーはん、うるさい!(お面を被ったまま怒鳴り)

リッパー

ヘア!?

美智子

(般若の面を外して、サバイバーに近付き)

美智子

あんさん達、怖い思いさせてすまんなぁ。

美智子

後で叱っとくきん、他のハンターらに見つからんように早う逃げなはれ。(窓を指して)

カート

あ、…ありがとう…ございます。(驚きつつ)

メリー

まぁ…、恐れ入ります。

メリー

ですが、クッキーを駄目にしたのは私なので。

メリー

本当に…すみません。(頭を下げ)

美智子

あら、そうなん?

美智子

ええんよ、クッキーくらい。(扇で口元を隠して微笑み)

リッパー

あの〜、じゃあ私の分は…。

美智子

大人気ないリッパーはんにはありまへん。(そっぽを向いて)

リッパー

うっ……美智子さん、酷いです…。

美智子

ほな、もう2人とも行きな。

美智子

うちの気分が変わらんうちにな。(窓の方を指して)

カート

は、はい…。行こう、メリーさん。(窓の外に出て)

メリー

そうですね、

メリー

じゃあせっかくなので蜂蜜、ここに置いておきますね。(机に置いては)

メリー

お気に召したら良いのですが…。

美智子

あら、おおきにな。

メリー

では、失礼しました。(窓から外に出て)

美智子

……(遠くなる2人の姿を見守って)

リッパー

…本当にいいんですか?

リッパー

今なら まだ仕留められますよ?(いつも通りの笑顔で)

美智子

何言ってはるん、試合中でもないのにそんな事やってはり。

美智子

荘園の主に咎められるでありんす。

リッパー

まぁ、見つかったらそうなりますよね。

美智子

ほな、うちはこれで。(蜂蜜を片手に持ち)

美智子

(廊下に出て)リッパーはん、邪魔したなぁ。

リッパー

えぇ、それではまた明日。(軽く会釈して見送り)

リッパー

…(あまり叱られなくて良かったですね…。)

リッパー

はぁ、あのサバイバー達は運が良かったみたいですね〜。(つまらなさそうに)

リッパー

もう少し早ければ……いえ、考えるのはやめましょう。

リッパー

さて、私は紳士的に後片付けでもしますか。

一方

サバイバーの2人は一…

一荘園の帰り道の途中一

カート

美智子さんが優しい人で良かったね。(安堵して)

メリー

えぇ、寛大な方でした。

カート

美智子さんが来てくれなかったら僕達どうなってたんだろう…。

メリー

多分……この世にはいないかと。

カート

えぇ!?嘘だよね!?

メリー

まぁ半分、冗談ですよ。(被り物の中で微かに笑い)

カート

そ、そうだよね。あはは…。

メリー

にしても、カートさんにご迷惑をかけてしまいましたね…。

カート

とんでもない、僕も紛らわしい行動をしちゃったからね。(頭を掻きながら笑い)

メリー

そう言えば、カートさんは何故あちらに向かっていたのですか?(疑問に思い)

カート

えっ、僕?

カート

この旅行記を使って探検してただけだよ。

カート

途中で何だかいい匂いがする方向に歩いていたら。

カート

さっきの場所にたどり着いたみたい。

カート

まさか、ハンターの館とは思わなかったけどね…。

メリー

あら、お腹が空いてたんですか?

メリー

でしたら、この蜂蜜 良ければどうぞ。(懐から取り出して)

カート

えっ、いいの!?ありがとう!(嬉しそうに貰って)

メリー

どういたしまして、お茶にいれても美味しいですよ。

カート

じゃあ僕も、今度会ったらたくさんお話し聞かせてあげるよ!

カート

色んな外のお話しを聞いて欲しいんだ!(目を輝かせ)

メリー

それはいいですね、今度会う時が楽しみです。

メリー

では、無事到着しましたので。

メリー

ここでお別れですね。

カート

うん、今日は大変だったけど何だかんだ言って楽しかったな〜。

カート

それじゃあ、また今度会おうね〜!(手を振り)

メリー

あぁ、カートさんちょっと待って下さい。(手を前に伸ばし)

カート

ん?どうかした?

メリー

いえ、言い忘れた事がありました。

メリー

コホン(咳払いして)

メリー

さっきは危なかった所を助けて頂きありがとうございます。(表情は見えぬも、感謝しており)

メリー

カートさん、とても頼もしかったです。

カート

うぇ!?//(礼の言葉に驚き)

メリー

それだけです。では私もこれで。(そう言い残し去って行き)

カート

い、いや、当然の事をしただけだよ!(胸を張って)

カート

って、

カート

もういないみたいや…。(少し寂しそうに)

カート

でも、頼もしいって言われるのは初めてだな…。(照れつつ)

カート

…よし、そろそろ僕も帰ろうか!

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