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俺の勝ち。なんで負けたか、、、
若宮俊太郎
湯浅幸一
前を走る車はウィンカーを出し、右折した。
若宮俊太郎
木下ひとみ
木下ひとみ
木下ひとみ
楽しげにはしゃぐ二人の様子を後部座席から見ていた木下ひとみが尋ねた。
湯浅幸一
木下ひとみ
若宮俊太郎
若宮俊太郎
木下ひとみ
木下ひとみ
湯浅幸一
木下ひとみ
若宮俊太郎
木下ひとみ
木下ひとみ
湯浅幸一
湯浅幸一
湯浅幸一
少し進むと脇道から赤い車が現れ、湯浅たちの車の前を走り始めた。
湯浅幸一
若宮俊太郎
その時、車内に音楽が流れた。
湯浅幸一
湯浅が通話ボタンを押すと、唐突に男の不適な笑い声が聞こえた。
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湯浅幸一
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若宮俊太郎
湯浅のスマホはBluetoothに接続されている為、男の声は車内の若宮とひとみにも聞こえた。
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男は若宮の言葉を無視するように一方的に口を開いた。
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湯浅幸一
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若宮俊太郎
若宮俊太郎
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湯浅幸一
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木下ひとみ
若宮俊太郎
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湯浅幸一
湯浅幸一
湯浅幸一
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若宮俊太郎
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若宮俊太郎
木下ひとみ
木下ひとみ
若宮とひとみが交々に非難の声を上げると、男はまた不適に笑い出した。
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湯浅幸一
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湯浅は額から汗が流れるのを感じながらも、前を走る赤い車の動きに集中した。
赤い車はまるで狼狽する湯浅たちを嘲笑うかのように、ぐねぐねと走っていた。
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湯浅はライトに照らされた視界から、ナンバープレートの数字に目を向けた。
08-06
若宮俊太郎
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若宮俊太郎
若宮は無遠慮に肩をバシッと叩くが、当の湯浅は微動だにしない。
この時から湯浅は嫌な予感に襲われていた。
「右」「右」「左」「直進」「右」
湯浅が声に出すと、赤い車はその進路通りに車を進めて行く。
湯浅の予想はどんどん的中していた。
命懸けなだけに湯浅も真剣なのだと若宮は思っていたが、木下ひとみだけは違った。
ひとみは声だと気付かれると危惧し、スマホを取り出し若宮にメールを送った。
木下ひとみ
若宮俊太郎
木下ひとみ
木下ひとみ
木下ひとみ
木下ひとみ
若宮俊太郎
若宮俊太郎
若宮俊太郎
木下ひとみ
若宮俊太郎
二人がメールのやり取りをしている間も、湯浅は無言のまま車を走らせていた。
車内には男の「当たり」とか「正解」などの言葉が聞こえる時点では、
湯浅は賭けに勝ち続けているらしい。
それから30分が経過。
長い時間が経てば経つほど、ひとみは自身の読みが確かだという確信を得ていた。
ただ、どうしても男の目的が分からない。
湯浅が勝てば男は自首すると発言したが、現時点で勝算は湯浅にある。
勿論、最後の最後で間違えてしまえば形勢逆転となるが、確率的に湯浅が勝つだろう。
それを裏付けるかのように男は徐々に軽かった口を閉ざし始めた。
湯浅幸一
俄然、赤い車が停車した。
そこは墓地だった。
木下ひとみ
今にも泣き出しそうなひとみを若宮は気に掛けながら湯浅を見た。
湯浅はハンドルに額を押し当てながら、ぶつぶつと呟いていた。
湯浅幸一
湯浅幸一
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車内に響く男の声に押されるように三人は車を降り、墓地へ足を進めた。
湯浅を先頭に若宮とひとみは続くが、やがて一つの墓石の前で立ち止まった。
若宮俊太郎
木下ひとみ
若宮俊太郎
湯浅幸一
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聞き覚えのある声がした方向を見ると、30代らしき男が立っていた。
湯浅は膝からくずおれた。
湯浅幸一
仁科周平
仁科周平
仁科周平
若宮俊太郎
状況が全く呑み込めない若宮は二人の顔を交互に見ながら声を荒げた。
仁科周平
仁科周平
湯浅幸一
仁科周平
仁科周平
仁科周平
木下ひとみ
仁科周平
仁科周平
仁科周平
仁科周平
仁科周平
仁科周平
仁科の気迫に若宮とひとみは口を開くことが出来なくなっていた。
仁科周平
仁科周平
仁科周平
湯浅幸一
仁科周平
仁科周平
仁科周平
仁科周平
仁科周平
湯浅幸一
仁科周平
仁科周平
仁科周平
若宮俊太郎
仁科周平
仁科周平
仁科周平
湯浅幸一
仁科周平
仁科周平
仁科周平
仁科はそう言うと、背中にしょっていたガンケースから猟銃を取り出した。
湯浅たちが驚いて後退りするのをよそに、仁科は落ち着いた様子で弾を込めた。
装填し終わった猟銃を誇らしそうに眺めた後、仁科は湯浅に目を向けた。
仁科周平
仁科周平
仁科周平
仁科周平
仁科周平
仁科周平
仁科周平
仁科周平
仁科周平
仁科周平
仁科周平
仁科は、今度は湯浅の横で震えている若宮とひとみに目を向けた。
仁科周平
仁科周平
仁科周平
木下ひとみ
仁科周平
仁科が冷徹な目を浮かべ、銃口をひとみに向けた。
若宮は咄嗟にひとみの腕を引っ張り、その場から急いで立ち去った。
エンジンが掛かったままの車も忘れ、若宮とひとみは死に物狂いでその場から離れた。
やがて、墓地から銃声が二発、三発と間隔を開けて闇夜に響いた。
無我夢中で走る若宮とひとみには、
どちらが賭けに勝ったかなど知る由も無かった。
2019.07.07 作