エーミールside
チーノ
エーミール
白銀ってことは、雪とかなんかな……?
チーノ
……この2人はどうなんやろ…?
横取るん、かな……
頭の中を嫌な考えが横切ってしまう
…やがて『祝福』のある扉の前に辿り着いた
エーミール
チーノ
ショッピ
エーミール
エーミール
ショッピ
ショッピはエーミールの言葉を遮るように言った
エーミール
ショッピ
エーミール
すると、双子の兄であるショッピは、 弟であるチーノを押しのけ、扉へと向かう
チーノ
チーノは兄であるショッピの腕を掴み、足を止めようとする
ショッピ
ショッピは今まで聞いたことが無いような 低い声で弟の名を呼ぶ
チーノ
ショッピ
さっきの声とは正反対の、優しさを含んだ声でそう言った
エーミール
エーミール
ショッピ
ショッピ
歓喜の雫を流しながら、ショッピは扉へと入っていった
チーノ
え…? もう少し……
エーミール
さっきの言葉といい今の言葉といい……
エーミール
扉は音を立てて閉まってしまった
チーノ
チーノは今にも泣き出しそうな声で呟く
エーミール
チーノ
チーノ
エーミール
エーミール
ショッピside
ショッピ
視界がどんどんぼやけていく…
泣いてる姿… 見られてもうたかな……
ショッピ
ショッピは、ぼやける視界の中で『祝福』の目の前まで歩く
あぁ… そうやん
この『祝福』に触れれば見られんくてすむ……
ショッピ
そして、ショッピは『祝福』へと触れた
『祝福』に触れた瞬間、指先から物凄い速さで凍っていく
ショッピ
その言葉を最期に、ショッピは完全に凍てついてしまった
目に溜まった涙が流れる前に__
エーミールside
エーミール
チーノ
エーミール
エーミール
チーノ
チーノ
チーノ
エーミール
横取る気"は"…?
エーミール
横取る気はないって…… それじゃあ他に…
チーノ
チーノ
チーノ
小さく、チーノはそう呟いた
エーミールは、そのチーノの呟きで 次の行動を確信した
エーミール
予想通り、チーノは迷いなく『祝福』へと足を進める
チーノ
チーノは突然、エーミールにそう呼びかける
エーミール
チーノ
引っ越して来た日のこと…?
チーノ
エーミール
チーノ
…きっと、あれのことだ
エーミール
チーノ
クイズを考えて来たのに…
チーノ
エーミール
エーミール
チーノ
チーノ
まさか、、、
エーミール
チーノ
チーノ
チーノはそう言って足を踏み入れた
チーノ
チーノは誇らしいような表情をしながら笑った
最後の扉は、音を立て閉じ始める
エーミール
扉が閉まる…という直前で、チーノは悲しげな表情を浮かべていた
エーミール
なんで、、そんな悲しい顔を…?
チーノside
チーノ
…エミさんに嘘見抜かれたやろか…?
チーノ
エミさんには、少しでも長く『祝福』の真実に 気付いてほしくない…
そんな一心でついた嘘やけど……
チーノ
……早く『祝福』に触れんと、エミさんが火を灯せないな…
チーノ
チーノ
チーノは『祝福』へと手を伸ばし、触れた
すると、ゴポゴポという音と共にマグマが部屋に流れてきた
チーノ
マグマは、我先にとチーノを目掛け流れていく
やがて、マグマはチーノの足に触れた
チーノ
熱いなんて言う暇もなく、足は溶けてしまった
チーノ
足が溶けてしまったことで、チーノは マグマの海へ倒れてしまった
チーノ
チーノ
チーノ
倒れてしまったチーノは、マグマを這うことしか 出来なくなってしまった
チーノ
チーノは最期そう言って、動かなくなった
エーミールside
信じた仲間、みんなに裏切られた……
エーミール
村のみんな…
オスマンさん、ひとらんらんさん…
エーミール
手に持っているトーチを何度も見るが、火は灯っていない
それはすなわち、『祝福』を受け取れていないことを示す
それでも、メシアであるエーミールは 祈りの祭壇へと向かう他ない
エーミール
灯らぬトーチを掲げながら……
祈りの祭壇へ__
エーミール
祭壇の周りには、不気味な骸骨の像が9つあり 赤い蝋燭を持っている
なんか… 不気味な感じ、やな……
エーミールは恐る恐る祭壇へと足を進める
エーミール
祭壇に近付けば近付くほど、骸骨の像と目が合「ってしまう
やがて、エーミールは祭壇の目の前まで来た
エーミール
祝福の数と… 同じ?
??
エーミール
突然、エーミールに語りかけるような声が聞こえた
??
??
エーミール
エーミールの目の前には、表情がよく見えない 人物のような黒い影が立っていた
贖、罪…?
その言葉を聞いた途端、またもやエーミールは頭痛に襲われた
エーミール
しかし、今回は頭痛だけではなく……
エーミール
昔、本で見た事も思い出したのだ
なんで、、今まで忘れていた…?
エーミール
考えたくもない、思い出したくもない……
しかし、無情にもその影は思い出させてくる
??
嫌… それ以上……
エーミール
しかし、影は言葉を続ける
??
エーミール
影は、そこまで言うと言葉を止めた
エーミール
エーミールは影に問いかける
??
エーミール
??
??
エーミール
??
兄さん
??
今… グルッペンさんの名前を……?
エーミール
??
グルッペンさんの友人であり… 前回のメシア……
エーミール
エーミール
??
兄さん
エーミール
エーミール
兄さん
エーミール
知っていましたか、、、?
兄さん
小さい頃、話を聞いていたはずなのに……
兄さん
…俺の憶測だが
エーミール
記憶を… 消されていたんか……
兄さん
兄さん
黒い影、兄さんがそう言うと、骸骨の像が持っている 赤い蝋燭に1つ火が灯った
途端に、最初の『祝福』…もとい『贖罪』の 紋章が浮かび上がる
しかし、それだけではなく…
エーミール
ゾムの最期のシーンであろうものが、シルエットで映し出された
兄さん
荒波に溺れ沈み……
なんで… なんで私……
赤い蝋燭に、また1つ火が灯され紋章とシーンが浮かぶ
エーミール
兄さん
業火の海を舞い……
兄さんが言う度に、蝋燭に火が灯される
もちろん、紋章とシーンも一緒に
エーミール
兄さん
無慈悲な干天な頽れて……
エーミール
兄さん
永遠に明けぬ闇に狂い……
兄さんはどんどん語っていく
エーミール
兄さん
大地に呑まれて……
兄さんがそこまで言うと、先の5人の声が聞こえてきた気がした
zm,tn,kn,ut,sha
エーミール
そして、また1つ赤い蝋燭に火が灯る
エーミール
兄さん
裁きの雷に打たれ……
エーミール
兄さん
風刃に裂かれて……
エーミール
兄さん
心ごと凍らされて……
エーミール
兄さん
灼熱を這う……
エーミール
エーミール
ゾム
前から聞き覚えのある声が聞こえる
エーミール
目の前には、身体が透けているゾムがいた
ゾム
エーミール
ゾム
ゾム
ゾムがそう言っている間に、みんなも目の前に姿を表して…
全員
エーミール
エーミール
すると、全員はエーミールを見て優しく微笑んだ
兄さん
兄さん
ゾム
トントン
兄さん
コネシマ
赤い蝋燭から、どんどん蝋が祭壇へと流れていく
兄さん
鬱先生
シャオロン
兄さん
グルッペン
兄さん
その瞬間、祭壇に世界の寿命が灯った
その灯火は、この世で1番美しいものだろう
兄さん
ロボロ
ショッピ
兄さん
チーノ
エーミール
私は…ここまでみんなに支えてもらってたんか……
横取ったなんか言ってごめん… そんな訳や無かったんやな……
ありがとう… みんな、ありがとう……
…すると、突然エーミールに異変が起きた
エーミールは、まるで何かに取り憑かれたかのように 静かに笑い出した
その額には、何かの紋章の様なものが浮かび上がっている
エーミール
その時、何者かが天から兄さんを迎えに来た
??
兄さん
しんぺい神
しんぺい神
しんぺい神
そういうと、2人は徐々に消えていった
エーミール
…やはり、エーミールには何者かが憑いてるのだろう
その何者かが、エーミールの口を借りて語り始めた
すると、天気が急変し 雷はとどろき、嵐は吹き荒れた
エーミール
エーミール
エーミール
エーミール
神はそう告げて大きく笑った
みなさんありがとう… これでオスマンさんたちも救われる……
みなさんの命と引き換えで__
…気付けば額から紋章は消えていた
エーミール
エーミール
エーミールは、涙を流しながらありったけの声でそう言った
あぁ、私はみなさんから沢山の"愛"と"哀"を頂いたなぁ……
そして、メシアであるエーミールは
祭壇に手を伸ばした__
同時刻 オスマンside
オスマン
ひとらんらん
オスマン
ひとらんらん
ひとらんらん
オスマン
てことは、みんなはもう……
ひとらんらん
ひとらんらん
オスマン
オスマン
ひとらんらん
オスマン
10人の話は、オスマンたちによって歴史に残ることになる
コメント
5件
泣いた…
((^ω^≡^ω<ギャアアアアアアア 涙止まんない))))))))