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テラーノベル(Teller Novel)

こっちなのか?

ああ。記憶が正しければね

しかし…なぜ急に実家に帰りたいと?

…夢を見たんだ。母さんの。母さんは家にいるんだ。

しかし、お前の母親はたしか…

行方不明だった。父さんに聞いたら打たれたよ。だから記憶にない。

でも、今朝見たんだよ。夢で、母さんを。

ほう…なるほどな

うん。たしかあっちだ。

ガチャ

…ただいま

おお…ここがお前の実家か。

うん。まだ残ってて良かった。まぁ、こんな山奥には誰も来ないよね

ん?誰も手入れしてない廃墟ということは…

カサカサカサ

……

ぎゃあぁぁぁぁぁぁあああああああ!!!!!!!

司くん、落ち着いて

無理!!!無理だ!!類!!ソイツをどうにかしてくれ!!

ああ、このゴキ…((

その名を口にするなッ!!!!!

は、早くソイツをどうにかしてくれ!!!

はいはい。ほら、おいで。

おまッ!!すで、素手で?!?!

うん?

こっちに向けるな!!早く外に逃がせ!!!!

はーい。元気でね〜

…はぁ、はぁ、はぁ、これだから森は…

仕方ないよ。虫だって生きてるんだからさ。

…さて、母さんはどこだろう

本当にいるのか?人の気配なんか全くしないんだが

うーん…もしかしたら、死体として出てくるかもよ?

なぜそんな物騒な考えになる!!?

ちょっと向こう見てくるね。

ま、待て!!俺を1人にするな!!!

おや、こんな道が……

む、知らなかったのか?

ああ。多分、父さんに厳しく入らないようにと言われていたからね。

ほう、そうなのか。む、あそこに部屋があるぞ。

行ってみようか

……わぁ、綺麗な部屋、、

おお…!!すごいな。家具も高いものばかりだ。

家にこんな高価な物があるなんて…

おっ、綺麗な宝石♪♪

もう…別にいいけど。

いいのか?じゃ、有難く頂くとしよう。

…ここ、やけに響くね。てことは、、

……ああ!隠し扉か!父さんのやりそうな事だ。

それに気づくのは流石と言ったところか?

フフ、まぁ父さんの子ですから。

ね、行ってみよう?

ああ!

わぁ……歯車がたくさん

どれも動いてないな……

(ここにきっと、父さんがずっと隠したかった秘密があるはず。)

(きっと、母さんの事も…分かるはずだ)

ガ…ガガガガガ

む…?

歯車が…!!

む!?動いとるぞ!何故だ?!

もしかして…僕の魔力に反応してる?

ふむ…それにしても、この部屋不気味だな。歯車ばかりで

そうだね…これは何の歯車なんだろう

……て

今、何か聞こえなかった?

ん?いや…何も聞こえてないと思うぞ

けど、たしかこっちから…

!!!

  

   

類、どうし…

む?人形か?

…これだ

は?

夢に出てきた母さんにそっくりだ…

つまり…えーと、これはお前の母親そっくりに作られた人形なのか?

ううん、違う

これが母さんだ。

ん???

なんだ?お前、自分の母親が人形だとでも言いたいのか?

待って…今考えてるんだ。頭の中を整理してる。

…ちょっと、この人形に魔力を注いでみる。

  

…ギギギ

動いたぞ?!?!

これで何かが分かるはず…

  

…キョロ(・ω・`三´・ω・)キョロ

まるで人のような動きだな…

  

…お父さんは?

喋った?!?!?!

お父さん…とは、誰のことですか?

  

ガレリアン=マーロン。知らない?

ガレリアン=マーロン…?!

む、どこかで聞いたような…

悪の大罪人の1人さ。という事は、貴方はミッシェル=マーロン?

  

うん。

…なぜ、大罪人の娘が僕の家に?

  

大罪人…?

  

そうだ、あの人…あの人はどこ、私の赤ちゃんは…?

赤ちゃん…?あの人とは…?

  

私、赤ちゃんがいたの。あの人との子供なの。

なぜ…ぜんまい仕掛けの人形である貴方に、子供が?

  

あの人が私を人間にした。一時的に。けど、子供ができ、魔力が尽きた。そして私は、ここでずっと唄を歌った。

その…子供の名は?

  

ルイ

母さ_

  

ギギギ…シーン

む…動かなくなったぞ

僕の魔力が切れたんだ…たしかに、この人形をずっと動かすには相当な魔力がいる。

…本当に、この人形はお前の母親なのだな。

ああ…間違いないよ

…どうするんだ?

…帰ろう。母さんの眠る場所はここなんだ。

…承知した。

カイト

……はぁ

コンコン

カイト

やぁ、そろそろ来るだろうと思ったよ

冬弥

…お邪魔します。

カイト

いらっしゃい、冬弥くん。

カイト

君の質問は分かってるよ。けど、一応聞かせてもらおうか。

冬弥

はい。

冬弥

貴方のいう「愛」とは何ですか?

カイト

僕が答える義理はあるかい?

冬弥

俺は終焉の悪魔です。

カイト

……分かった。答えてあげよう

カイト

僕の言う「愛」は、娘と…もう1人の女性の事さ。

冬弥

その女性とは?

カイト

…もう、隠す必要はないかな。けど、どうしても僕の口からは話したくない。

カイト

君も、終焉の悪魔なら、僕の心を読んでみるといい

冬弥

……

カイト

(その女性は優しくて、気が強くてしっかり者だった。突然、彼女が人間界にやってきた時には驚いたけれど。)

冬弥

人間界…?

カイト

(そう。彼女は悪魔だった。当時人間界は、悪魔との戦争から30年が経っていて、まだ少し恐れられていた。)

カイト

(僕は小さな店をやっていた。そこに、彼女がやってきたんだ。人間の格好をしていたけど、少し会話して彼女が悪魔だと悟った。)

カイト

(けれど、彼女はきちんと人間界のお金を払ってくれたし、害が無さそうに見えた。僕は店を閉め、彼女に問うた。貴方は悪魔ですか?と。)

冬弥

カイト

(彼女は少し躊躇ったが、ええ。と答えた。彼女はどうやら魔力の維持がしんどいらしく、角や羽、尻尾が生えた。僕はそれを見ても驚かなかった。)

カイト

(素敵な人だな、と思ったんだ。そこから彼女といる内に、どんどん惹かれていった。色んな所に行ったよ。海にも山にも、川にだって。彼女となら、どんな世界でも楽しかった。)

カイト

(彼女は全く歳を取らなかった。悪魔だから当たり前か。僕は先に寿命を迎えてしまったんだ。彼女は必死に、僕を延命させようとしていた。)

カイト

(そして、彼女は自分の魔力を半分も僕に与え、生き返らせようとした。彼女は失敗したと思い込み、魔界に帰ってしまったけれど、僕は生き返ったんだ。強大な魔力を持って。)

冬弥

(この話、どこかで…)

カイト

(彼女も魔界に帰り、僕は1人になった頃。時代が時代で、流されるように裁判官となった。)

カイト

(私が裁判官になり、しばらくした頃。娘が現れた。きっと、彼女との子だと思い込んだ私は、足の不自由な娘のために、様々な汚い手も使い、金を欲した。)

カイト

(そして最後には民衆に怨みを買い、屋敷は焼かれ、娘とも別々になってしまった。私はその後、魔術師となり色々な人を救ってみた。)

カイト

(だけど、僕の魔力に縋る人や騙す人が多くなり、僕は身を隠した。)

カイト

(その後は類くんと出会って弟子入りを申し込まれて承諾し、色々な事を教えた。弟子入りなんて面倒臭いから絶対断るんだけど、なぜか断れなかった。)

カイト

(本当になぜだろう?可愛くて仕方なかったんだよ。だから、本当の子供のように色んな事を教えてあげたんだ。)

カイト

(そして、秘宝の存在を知り、君らの所へ行った…というのが、ざっくりした僕の人生だ。)

冬弥

…あの、1つだけ、いや、いくつか聞かせてください。

カイト

どうぞ。

冬弥

その悪魔の女性は…何の悪魔でしたか?

カイト

…終焉。

カイト

彼女は自分を終焉の悪魔だと言った。そう、推測するに彼女は君の祖母だ。

冬弥

!!

冬弥

(祖母が…出会った人間とはカイトさんの事だったのか…)

カイト

…あぁ、会いたいな。君のお祖母さんにも、ミッシェルにも。

冬弥

ミッシェル…というのが、貴方の娘ですか?

カイト

うん。ミッシェル=マーロン。

ガタンッ

冬弥

?!

……

類!急にどうし_

カイト

おや…類くん。どうかしたのかい?

…ミッシェル=マーロン、

カイト

ん?聞いてたのかい?そうだよ、彼女は僕の娘で…

僕の…母です。

カイト

……はは?

あの、ぜんまい仕掛けの人形から僕は産まれました。

冬弥

ぜんまい仕掛けの人形…?

ミッシェル=マーロンは、ぜんまい仕掛けの人形なんだよ。

冬弥

え?

カイト

…人形?あの子は僕の娘だ。火事で行方知らずになっちゃって…

貴方がそう思うなら、構いませんが…貴方は、ガレリアン=マーロンなんですか?

カイト

随分昔の名だけどね。

てことは、カイトさんが類のお祖父さん…ということか?

そうなるね

カイト

ミッシェルに…子供?嘘…

カイト

わぁ、今になって出会えるとは思わなかったな。なるほど、類くんは孫だったのか。なるほどね。

冬弥

(色々と頭が追いつかない…カイトさんは祖母と関係があって、更に類さんの祖父…?)

聞きたいことがあって来たんですけど…なんか、それ以上にすごい情報を得てしまいました。

ちょっと…まだ整理がついてないので…また来ます!

あ!おいっ、類待て!!

冬弥

……俺もなんとなく分かりました。

カイト

うんうん。

冬弥

今日は帰らせてもらいます。ありがとうございました。

カイト

ばいばい。またいつでも来てね。

類!信じられん気持ちは分かるが…

…更に謎が深まったんだよ。今日の事でさ。

父さんは一体、何者だったんだろう?

…知らん!が、なんか凄い人なんだろうな…

人形のミッシェルを人間にし、子供まで作って、魔力が切れて地下にしまっていた…

やはり父は……少し変なのかもしれない。

お前も大概だぞ。

おや、心外だね。

カランカラン

彰人

お、冬弥おかえり_

冬弥

ただいま、彰人。

彰人

お前、どこ行ってたんだ?

冬弥

カイトさんのところだ。

冬弥

すぐに小豆沢と白石も呼んで欲しい。俺が聞いたこと、3人に伝えたいんだ。

彰人

……わかった。

続く!!

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