三途
竜胆
竜胆
竜胆
三途
三途はしっかり膝を擦りむいていた。
三途
三途
しかし、痛いものは痛いのだろう、
綺麗な瞳に涙がぷっくりと浮かび上がる。
三途
三途
竜胆
竜胆
三途
三途
目尻は赤く縁取られ、頬は紅潮している。
竜胆
ぞくり
その三途の表情を見た途端竜胆の背に不思議な感覚が走った。
急速に喉が渇き、身体が温まってゆく。
ドタドタドタドタ…
蘭
竜胆
三途
三途は痛みを堪え、涙を湛えながらふるふると震えている
蘭
蘭
蘭
蘭
三途
竜胆
三途
残念ながら、竜胆の謝罪は三途の耳を右から左へと通り抜けてしまった。
何故なら
三途
三途
三途
三途
三途
蘭
蘭
蘭
三途
三途
蘭
蘭
蘭
そう言いながら三途の膝に布が当たらないよう、蘭が器用にズボンを捲り上げていく。
蘭
蘭
蘭
蘭
蘭
蘭
三途
蘭が手際良く三途の膝に消毒液を吹きかけガーゼで傷口を包んでいく。
三途がぽけーっとその様子を眺めていたら手当はすぐに終わってしまった。
その間、竜胆はずっと押し黙ったままだった。
蘭
蘭
蘭
竜胆
蘭
竜胆
竜胆
竜胆
蘭
蘭
竜胆
竜胆
竜胆
蘭
蘭
三途
蘭
三途
蘭
何故か蘭はほっとしたように胸を撫で下ろした。
蘭
蘭
三途
三途
蘭に半ば急きたてられるようにして保健室の扉へ手をかける。
蘭
三途
三途
去り際にちらりと見えた竜胆の顔が引っかかる。
どうしたのだろうか…
今すぐ戻り尋ねてみたいが、時間的にそういう訳にもいかない。
そして、三途は保健室を後にした…
竜胆
竜胆
竜胆は毎朝こっそり花に水をあげるのが日課だった。
自分が世話嬉しいしてやった草木が花を咲かせたり、実をつける楽しさに気がついてから欠かさず行っている習慣だった。
それは、人為的に植えた花であれば勿論だが、犬フグリなどの自生した雑草もそうだった。
勿論こちらで植えた花の邪魔になってしまうのであれば抜かれる運命にあるのだが。
竜胆
竜胆
竜胆
竜胆
ふと、あそこに小さなタンポポが咲いていたことを思い出す。
竜胆
竜胆
こっそり摘んで吹いてみようかな、などと子供じみたことを考えながら最後の花壇がある第二グラウンドへと向かう
第一グラウンドから第二グラウンドへと移動する途中でだんだんと生徒の姿が目に入り始める。
しかしそれらの生徒がつけるネクタイやリボンの色は
竜胆のつける赤でも
3年のつける青でもなく、
初々しい緑色だった。
竜胆
竜胆
そんなことを考えながら歩いていると、第一グラウンドの花壇が見え始める。
竜胆
竜胆
そしてそこには、綺麗な金髪を垂らした女子生徒が蹲っていた。
思わず声をかけてしまう。
竜胆
竜胆
近くへ寄ってみると、どうやら男であることに気がつく。
竜胆
しばらく反応せずに蹲っていた男子生徒だったが、
徐に顔を上げた…
三途
竜胆
こんな感覚初めてだった。
五感全てが目の前にいる一人の情報をを余すことなく受け取ろうとするような、
一目惚れ、だった。
コメント
2件
10000…。つまりこの物語のいいねを8500にすればいいんですね。私の睡眠時間と宿題の時間削りたいと思います。はい。