結衣 母
みんな今日はありがとね。色々と心配かけてごめんなさい。またいつでもきてね。
大地
いえ、なにかあったらすぐに連絡ください。これ、僕の電話番号です。
結衣 母
あら、わざわざありがとう。
沙耶
それじゃあ私たちはこれで失礼します。結衣のことお願いします。
結衣 母
ほんとにありがとう。ほんとに送らなくて大丈夫なの?
タカ
はい!大丈夫です!結衣ちゃんのそばにいてあげてください!
結衣 母
ごめんね、ありがとう。
大地
それじゃあお邪魔しました。
沙耶
お邪魔しました。
タカ
お邪魔しました。
結衣 母
結衣、、ごめんね。
結衣
お母さんは知ってたの?
結衣 母
お母さんも亡くなる少し前に電話で、、れおんママと話してれおんくんの思いと結衣のことを考えてのことだったの。
結衣
じゃあなんで今なの。今知るより病気のこと知ってからすぐに言ってくれれば、、結局言うなら最初に言ってよ!!なんでよ!!今知って私はどうしたらいいの。なにもしてあげられないし顔も見れない。
結衣 母
落ち着いて結衣。確かに今言うのは違ったかもしれない。でもみんなどうしたらいいのかわからなかったのよ。誰も悪くないの。だから誰のことも責めたらいけないの。人は誰だって明日があるとは限らない。死と隣合わせで生きているの。お母さんだって結衣だって。辛いことだけど死は仕方ないことなの。大切なのはその後どうするべきか。その人のことをいつまでも覚えていること。忘れられるのが1番死んじゃった人にとって苦しいこと。そして自分の人生を幸せに生きることなの。
結衣
そんなことわかってる!!!でも今はわからないの!!!ただ会いたくて仕方ないの!!!れおんに会って謝りたい。会って抱きしめたい。よく頑張ったねって。れおんはひとりで戦ってた。辛い時そばにいてほしかったはず。でもそれをしてあげられなかった。だからただ会って抱きしめてあげたい。
結衣 母
そうよね、、結衣が今してあげれることしよう。すぐじゃなくていい心の準備が出来たられおんくんに会いに行って今言ったこと伝えてあげればいい。れおんくんはきっと結衣が笑顔でいてほしかったから結衣に言わなかったんだと思うよ?だから最後は笑顔でいられるようにしようね。少しずつでいいから。
結衣
そんなこと今は考えられないけど、、お母さん、、一緒に前に進めるように手伝ってくれる?
結衣 母
当たり前でしょ。頑張ろう、結衣。とりあえず今日はもう休みなさい。
結衣
うん、ありがとう、、おやすみ
沙耶
結衣!!!!
結衣
沙耶、、おはよう。
タカ
おう!結衣じゃん!元気してたか?まあお前のことだから元気してただろ!笑
沙耶
ちょっとタカ!!あんたほんとにデリカシーない。
タカ
俺はただいつもどうりにと思って、、
結衣
沙耶!いいんだよ。タカもありがとう。気遣わせてごめんね。
結衣
あ、あのさ、、大地は、、?
沙耶
もうすぐ来ると思うよ!
タカ
噂をすれば〜大地くんでーす(笑)
大地
お、おはよう。
結衣
あ、おはよう大地、、
結衣
あ、、あのさ、ちょっと2人で話せる?
大地
おう。
沙耶
いってらっしゃーい!
大地
お前もう大丈夫なのか?
結衣
うん、まあ。薬飲んでるけどだいぶ気持ち的には落ち着いてきた。
大地
そうか。ならよかったよ。
結衣
あの時はごめん。でも、あの時言ったこと本気。別れてほしい、、大地が嫌いとかそうゆうことじゃなくて、、
大地
わかってる。でも俺はそれでもいいから結衣のそばにいたい。
結衣
でも、、
大地
お願いだからそばにいさせて。俺と一緒に乗り越えよう。
結衣
もう誰も傷つけたくないし苦しめたくないの、、
大地
傷つかないし苦しまない。それならいいだろ?
結衣
え、、
大地
もうおしまい!いくぞ!!
結衣
あ、、え、、でも、、
大地
もういいから!本当に俺が嫌で別れたいって言うまでそばにいさせろ!笑
結衣
わ、わかった、、
結衣 母
結衣ー行くよ!
結衣
わかった、今行く
すぐに行きたかったけどやっぱり私は心の準備ができないでいた。認めたくなかったから。だけどやっとここまでこれた。
れおんママ
結衣ちゃん、いらっしゃい!あがって!
結衣
お久しぶりです。お邪魔します。
結衣 母
お邪魔します。
れおんママ
わざわざありがとね、遠いのに。あの子も喜んでるわ〜!
結衣
遅くなってごめんね、れおん、、
仏壇に飾られたれおんの笑った顔。それを見た瞬間、涙が溢れた。
結衣
れおん、、ごめんね、、ひとりで心細かったよね、、苦しかったよね、、ごめんね、、ごめんね、、
れおんママ
ふたりきりにさせてあげましょうか(小声)
結衣 母
そうですね。
結衣
そばにいれなくてほんとにごめんね、、れおんが1番辛かったのに私の心配してくれて私は自分のことばっかりだった。ごめんなさい、、ごめんなさい、、
仏壇に置かれたレオンが使っていた携帯がいきなり光った。
長い間充電されていなかったはずなのになぜか電源がついた。
結衣
なにこれ、、
画面にはメール画面が、、そして勝手に打ち込まれる文字、、
れおん
結衣きてくれて嬉しい。ずっと会いたかった。
結衣
なんで、、
結衣
れおん、、なの、、??
れおん
驚かせちゃったか、、ごめんな。ずっと待ってた、、結衣がきてくれるとおもってまだ完全に旅立ってなかった(笑)
結衣
れおん、、ごめんなさい。私、、
れおん
謝らないで。そうなると思って俺は結衣に言わなかった。結衣は小さい頃から優しかった。優しすぎた。俺がちょっと転んだだけですっごい心配してくれてただろ?だから俺が病気とか知ったら結衣やばいと思ってさ(笑)
結衣
言ってよ、、会いたいよれおん、、会いたいよ、、
れおん
結衣、俺はここにいるよ。
れおん
いつだってお前のそばにいる。
れおん
だから笑っててくれよ。
れおん
俺のせいで結衣の可愛い笑ったあの顔見れなくなるのはすごい辛い。だから最後のお願い、ずっと笑って幸せでいてくれ。
結衣
れおん、、なんで、、なんでいなくなっちゃったの、、
れおん
ごめんな、、泣かせたくなかったんだけどな〜
結衣
いつもそう、、勝手にどっか行くんだから、、小学生の頃一緒にお祭り行った時も勝手にどっか行っちゃうし公園でみんなと遊んでる時だってひとりで帰っちゃうし、、なんですぐひとりでどっかいっちゃうの。戻ってきてよいつもみたいにごめんごめんってもどってきてよ。
れおん
ごめん、、もう戻れないんだ。お前の隣にいたくてももういけないんだ。いてやれないんだ俺。
結衣
やだよ。やだよ、、
れおん
泣くなよ、、見えないだけでいつだってお前の近くに居るよ。
結衣
、、、わかった。もう泣かない。れおんの最後のお願いちゃんと聞く!ちゃんと笑ってるから、ずっと見守ってて、、
れおん
おう。当たり前だろ?ちゃんと見守ってるから。結衣、、ごめん。もういかなくちゃ
結衣
、、、、うん、、
れおん
結衣、、大好きだよ。ありがとう。じゃあね。
結衣
れおん、、やだ。いかないで。
結衣
ねぇれおん、、
結衣
結衣も、、大好きだよ。さようなら、、
すごい不思議な体験をしたのにこの時は普通に話せた感じがした。姿は見えないけどそこにれおんがいた。そんな気がした。