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大人バー

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1

大人バー

♥

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2019年11月02日

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どうしたんだよ、ため息なんかついて

裕翔

いやぁ悩みがあってさ

そっか

裕翔

お前!?なんでそんなそっけないんだよ

いや、べつに

裕翔

はぁ~お前昔からそうだよな

うるさい

裕翔

はぁ

裕翔

なあバーとか行きたくね?

バー?

裕翔

ほらバーってさ大人行くところっぽいじゃん

そ、そうか

裕翔

おいあれなんだよ

ん?

いつもその道を通ってるはずなのに

目の前には建物があった

裕翔

おい、おれこんなの見たことないぞ

裕翔が見てないなら俺も知らない

裕翔

なんか書いてあるぞ?

そこには看板に

バー

と、書いてあった

裕翔

バー?

よかったじゃん

裕翔行きたいんだろ?

裕翔

そうだけどさ…年齢とか

あぁ

んでも

①年齢制限なし

②お代は気持ちで結構です

年齢制限ないらしい

裕翔

おぉ!だったら行こうぜ!

俺は興味ねぇぞ

裕翔

まあまあ!

俺は強引に連れていかれた

チリンチリン

裕翔

大人…多いな

うん

バーテンダー

こんにちわ

あ、こんにちわ

裕翔

こんにちわ…

バーテンダー

まあまあ、お酒はださないから安心しなさい

バーテンダー

そこのカウンターに座ってくれるかな?

あ、はい

裕翔

分かりました

バーテンダー

ところで君たち飲みたいものはないかい?

え…えっと

バーテンダー

オレンジにするかい?

裕翔

じゃあそうします

バーテンダー

お待たせしました

コトッ

ありがとうございます

裕翔

ありがとう…

少しオレンジを味見してみた

少し苦味があったが…これはこれでいい

バーテンダー

もしかして君

バーテンダー

悩みあるのかい?

裕翔

あ、はい

裕翔は気まずそうに下を向く

裕翔

俺実は…

しばらく裕翔はバーテンダーと話して

話し終わったらバーテンダーは

バーテンダー

それは裕翔さんが正しいよ

やわらかく微笑んでいた

裕翔

やっぱりそうですよね!?

裕翔

来てよかったぁ

さっきまでは気まずそうに下を向いていたのに

今ではバーテンダーとちゃんと喋れている

バーテンダー

今日はそろそろ閉店だよ

裕翔

そうですか…

バーテンダー

またおいで

裕翔

はい!

ほら行くぞ

空を見るとまだ明るかった

どうだった?

裕翔

すごかった!あのバーテンダーさん優しいし!

そうか、それは良かったな

裕翔

また行こうぜ?

あぁわかった

裕翔

また放課後な

うん

それから裕翔は

毎日毎日あそこのバーに通っていて

ある日のことだった

裕翔

おい見ろよ…可愛くね?

裕翔が指さしてる方向を見ると

自分達とは少し距離が離れている

美人の女性と気の弱そうな男性がいた。

あの人?

裕翔

うん!

女性

私…やっぱり悩んでるんです

女性

私…あの人に告白した方がいいですかね?

裕翔

大人のの悩みだなぁ

女性

彼…私にあまり話しかけてくれなくて

バーテンダー

そうですか

バーテンダー

その彼は昔の私みたいに

バーテンダー

あまりアタックができないんですよね…

バーテンダー

だからあなたからアタックしたほうがいいですよ

バーテンダー

きっと彼はOKしてくれます

女性

本当ですか!?

バーテンダー

はい

女性

ありがとうございます!私もう帰りますね!

バーテンダー

ありがとうございました

チリンチリン

あの女性成功するといいな

裕翔

おう!

俺さ少し気になってたことがあってさ

裕翔

なになに!?

俺ら毎回通ってたのに

「ありがとうございました」

って帰り際に言われたことないよな

裕翔

そう言われてみれば確かに

男性

あの…

男性

おれ選ばれたんですよ…

男性

本当に俺で大丈夫ですかね?

バーテンダー

大丈夫ですよ、皆さんあなたを信頼してるから

バーテンダー

その役をくれたんですよ

男性

そうですか!ありがとうございます!

男性

勇気がでました!

その時の男性は

さっきとは気の弱かった時とは違って

笑顔に満ちていた

バーテンダー

ありがとうございました

チリンチリン

バーテンダー

お待たせしました

裕翔

いえ、待っていませんよ!

バーテンダー

さて、今日の悩みはなんですか?

裕翔

俺…大人になりたい

バーテンダー

その時のバーテンダーは首を傾げていた

バーテンダー

なんでですか?

裕翔

だって大人になったら悲しくなんないだろ?

バーテンダー

なぜそう思うんですか?

裕翔

俺のお母さんが風邪でずっと寝込んでるのに

裕翔

お父さんは気にかけず仕事にでていくじゃないですか

裕翔

それって悲しくないからじゃないんですか?

バーテンダー

それは家族のためですよ

裕翔

家族のため、?

バーテンダー

もちろんお父さんは悲しんでますよ

バーテンダー

ですけど自分が仕事をやめたら

バーテンダー

家族を養えなくなってしまう

バーテンダー

そうゆうことです

バーテンダー

それに大人だって悩みはあります

裕翔

え?

バーテンダー

さっきの女性男性の話聞いてたでしょ?

バーテンダー

彼は小学生です

裕翔

え?

裕翔

だ、だけど俺…見たけど外見は大人だったぜ?

そう裕翔は言うと

バーテンダーは控えめに笑った

バーテンダー

鏡見てみてくださいよ

バーテンダーは鏡をくれた

裕翔

お、おい!

なんだ?

裕翔

見てみろよ!

裕翔の顔は大人になっていた

バーテンダー

皆さんからはあなた方は大人になって見えますよ?

バーテンダー

私は色々な年齢の方に会いましたけど

バーテンダー

お年寄りも若い子も

バーテンダー

全員悩みを持ってましたよ?

裕翔

バーテンダー

なんで私達が最後にお客様に

バーテンダー

「ありがとうございました」

バーテンダー

というかわかりますか?

裕翔

いえ?

わかりません…

バーテンダー

彼らにはもう悩みがないからですよ

バーテンダー

だから「ありがとうございました」

バーテンダー

と言うんです

裕翔

ありがとうございました!俺スッキリしました!

バーテンダー

いえいえ当然のことです

バーテンダー

ここは悩みを抱えてる人しか見えません

バーテンダー

ですけどわすれないでくださいね

裕翔

はい!

はい!

バーテンダー

ありがとうございました

チリンチリン

裕翔

なあ

ん?

裕翔

俺少し大人になれたかな?

うんきっとなれたさ

この作品はいかがでしたか?

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コメント

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ユーザー

わぁ~!スゲー!(*'‐'*)♪

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