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この歌声がもう一度、君に届いたら…

この歌声がもう一度、君に届いたら…

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この歌声がもう一度、君に届いたら…15話

♥

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2023年11月25日

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男性

──まふ。

彼方💙(そらる)

彼方💙(そらる)

……え?

彼方💙(そらる)

(今…『まふ』…って…?)

男性からの予想外の 言葉にびっくりしていると…

???

はい!

そんな声と共に1人の男の子が 男性の後ろから出てきた。

彼方💙(そらる)

……っ!!?

見慣れたサラサラの白い髪に……

俺の事を真っ直ぐに捉えた赤い瞳…

???

僕も素敵だと思いますよ!
あなたの歌声!!!

そして、聞きなれた この高くて綺麗な声……

そう…そこには……

彼方💙(そらる)

彼方💙(そらる)

まふまふ……?

まふまふ🤍(人間)

……久しぶりだね。

そう呟き、微笑むまふまふがいた。

彼方💙(そらる)

…………

まふまふ🤍(人間)

…………

短い沈黙の後……

まふまふ🤍(人間)

お父さん。

男性

ん?

まふまふ🤍(人間)

少しだけ、二人にして
もらってもいいですか?

まふまふ🤍(人間)

ちょっと彼とお話がしたいのでw

男性

うん、わかった。
じゃあ先に戻ってるよ?

まふまふ🤍(人間)

はい!

まふまふはそう言って男性を見送ると……

まふまふ🤍(人間)

ふぅ……

俺の方に向き直り……

まふまふ🤍(人間)

まふまふ🤍(人間)

やっと…また逢えましたね。

まふまふ🤍(人間)

そらるさん!

と、柔らかくそう微笑んだ。

彼方💙(そらる)

…………

彼方💙(そらる)

……まふまふ?

まふまふ🤍(人間)

はい。

彼方💙(そらる)

本当に…まふまふ?

まふまふ🤍(人間)

そうですよ?

彼方💙(そらる)

夢…?じゃないよな…?

まふまふ🤍(人間)

夢ってw現実ですw

彼方💙(そらる)

彼方💙(そらる)

…っ!!!

彼方💙(そらる)

まふまふっ!!!

俺は思いっきりまふまふに抱きついた。

まふまふ🤍(人間)

わっ!!?

彼方💙(そらる)

まふまふ!まふまふっ!

そしてまふまふの名前を呼びながら 思いっきりギュッと抱きしめた。

まふまふ🤍(人間)

っ…ちょっ…そらるさん…
苦しいっ!…力、緩めて…

彼方💙(そらる)

ごめん……
今はちょっと無理かな…

まふまふ🤍(人間)

ええ…wもう……

彼方💙(そらる)

彼方💙(そらる)

まふまふ……っ

彼方💙(そらる)

ずっと…お前に
もう1度会いたかった…

まふまふ🤍(人間)

うん…

彼方💙(そらる)

ずっと…忘れられなかった…

まふまふ🤍(人間)

うん…

彼方💙(そらる)

ずっと…忘れたくなかった…

まふまふ🤍(人間)

うん…っ

彼方💙(そらる)

やっと…見つけられた…

彼方💙(そらる)

やっと…会えた…!

彼方💙(そらる)

まふまふっ!!!

俺が泣きながらそう言うと……

まふまふ🤍(人間)

僕も…ずっとずっと
そらるさんに会いたかった。

まふまふ🤍(人間)

そらるさんのこと
ずっと探してた。

まふまふ🤍(人間)

やっと…見つけられた。
そらるさんのこと……

まふまふ🤍(人間)

そらるさんの歌声ちゃんと
僕に…届いてましたよ。

まふまふ🤍(人間)

そらるさんの歌声が……
また僕らを巡り合わせてくれた。

まふまふ🤍(人間)

だから、あの時の言葉…
嘘じゃなかったでしょ?

そう言ってまふまふも俺のことを 優しく抱きしめてくれた。

彼方💙(そらる)

うんっ……

彼方💙(そらる)

(良かった…)

彼方💙(そらる)

(ちゃんと届いてたんだ…
俺の歌声……)

彼方💙(そらる)

(まふまふに……)

しばらく抱きしめあっていると 俺はあることに気づいた。

彼方💙(そらる)

彼方💙(そらる)

(……ん?でもここ陸……)

彼方💙(そらる)

…って!まふまふっ!!!

まふまふ🤍(人間)

っ!?…え?はい?

彼方💙(そらる)

なんで人間の姿なの!?
なんで陸にいるの!!?

彼方💙(そらる)

また消えるつもりなの!?

まふまふ🤍(人間)

え?…あ、それは…

彼方💙(そらる)

とりあえず海行くぞ!

まふまふ🤍(人間)

え?…わっ!!?

俺はまふまふの手を引いて海に向かった。

まふまふ🤍(人間)

そ……そらるさん!
ちょっと待って…!

彼方💙(そらる)

なんでだよ!早くしないと
また消えちゃうだろ!…

彼方💙(そらる)

もう、まふまふのこと
失いたくないんだよ!

まふまふ🤍(人間)

だ…大丈夫ですからっ!

彼方💙(そらる)

前もそう言って消えたじゃん!

まふまふ🤍(人間)

それは……っ

彼方💙(そらる)

とりあえず早く!!

まふまふ🤍(人間)

まっ…話を聞いてください!

彼方💙(そらる)

海についたら聞くから!

まふまふ🤍(人間)

ええっ!?今……っ

〜海〜

まふまふ🤍(人間)

まふまふ🤍(人間)

ちょ…そらるさんっ!

彼方💙(そらる)

とりあえず人魚になって
海に入って!

まふまふ🤍(人間)

大丈夫なんですって!

彼方💙(そらる)

なんでだよ!?

まふまふ🤍(人間)

僕もう人魚じゃないからっ!!

彼方💙(そらる)

彼方💙(そらる)

……え?…

彼方💙(そらる)

人魚じゃ…ない?

まふまふ🤍(人間)

はい…!

彼方💙(そらる)

え?それ…どうゆう意味?

まふまふ🤍(人間)

とりあえず、お互い色々と
話すことがあると思うので
一旦、座りましょ?

彼方💙(そらる)

うん……

俺はまふまふと岩場に座った。

まふまふ🤍(人間)

えーと…まずどっちから話します?

彼方💙(そらる)

まふまふからでいいよ。

彼方💙(そらる)

普通に気になるから
人魚じゃないって……

まふまふ🤍(人間)

わかりました。

まふまふは今までの 自分のことを話し始めた。

まふまふ🤍(人間)

僕、あの時、消える前に
『次、生まれ変わることができるなら
そらるさんと同じ”人間”になって
生まれたい』って願って
消えたんです……

まふまふ🤍(人間)

そしたら…なぜか人間になってて…

彼方💙(そらる)

え?…じゃあ、なんで
人間になったかは
まふまふ自身も……
わかんない…ってこと?

まふまふ🤍(人間)

はい…で、その後は……

その後、まふまふは人間の姿になって 浜辺に倒れていたところをさっきの 男性”お父さん”に助けられたらしい。

それで、そのお父さんは飲食店を営んでいて 行く宛てがなかったまふまふに 『行く宛てがないならここに住む?』 と、言われ、働くことを条件にしてもらって そこに住まわせてもらっているらしい。

まふまふ🤍(人間)

今は…本当の家族のように
すごく良くしてもらってて…
感謝しかないです……w

彼方💙(そらる)

そっか…
いい人に拾われたな。

まふまふ🤍(人間)

そうですね…

まふまふ🤍(人間)

で…その後はそこで働きながら
そらるさんのこと探してました。

彼方💙(そらる)

……!

まふまふ🤍(人間)

そらるさんが…また僕に…
会うために歌ってくれてるんじゃ
ないかと思って……

まふまふ🤍(人間)

毎日、ここに…いつもそらるさんと
会っていた…この海に…来てました。

まふまふ🤍(人間)

そらるさんを見つけるために…

彼方💙(そらる)

……(毎日、ここに…)

まふまふ🤍(人間)

でも、見つからないし
歌声も聞こえなかったから
もう会えないのかな…と思ってたら
今日やっとそらるさんの
歌声が聞こえて……

彼方💙(そらる)

あ……

まふまふ🤍(人間)

そらるさんは…この4年間……
どこにいて何してたんですか?

彼方💙(そらる)

俺は……

俺は今までの事をまふまふに話した。

あの後、病院で目覚めたこと… その後はすぐに東京に帰ってしまって そのあとも色々忙しくてこの町に 来れなかったこと……

そして、まふまふのことを探すために この町にある大学を受験して ここに引っ越してきたこと……

まふまふ🤍(人間)

そうだったんですか…
どうりで見つからないわけだw

彼方💙(そらる)

ごめん…なかなか来れなくて…

まふまふ🤍(人間)

いえいえ、しょうがないですよw
そっちで生活が充実してたんなら
こっちには来る必要も無いだろうしw

彼方💙(そらる)

それでも…まふまふのことを
忘れた日なんて1日もなかったよ。

まふまふ🤍(人間)

え?…

彼方💙(そらる)

どんなに月日が経っても
まふまふのことは1日も忘れなかった。

彼方💙(そらる)

ずっと会いたいって思ってた。

彼方💙(そらる)

ずっと忘れられなかった
ずっと忘れたくなかった……

彼方💙(そらる)

絶対に見つけてやるって思ってた…

彼方💙(そらる)

だからこのピアスだって…
ずっとつけてる。

俺はそう言いながらピアスを触った。

まふまふ🤍(人間)

それ…僕が人魚だった時に
つけてたやつ…

まふまふ🤍(人間)

まふまふ🤍(人間)

ちゃんと持っててくれたんですね…

彼方💙(そらる)

やっぱり握らせたのは
まふまふだったのかw

まふまふ🤍(人間)

はい…少しでも僕のこと
覚えてて欲しくて
”僕のもの”を最後に残したんですw

まふまふ🤍(人間)

まさかつけてくれてるとは
思わなかったけどw

彼方💙(そらる)

こんなのなくても俺は
ずっとお前のこと覚えてる…
忘れるわけないのにw

まふまふ🤍(人間)

ふふっ…ありがとうございます!

まふまふ🤍(人間)

まふまふ🤍(人間)

それ、もらってください。

彼方💙(そらる)

え?…いいの?
まふまふのものなのに…

まふまふ🤍(人間)

はい…そらるさんに
もらってもらいたいんです。

彼方💙(そらる)

彼方💙(そらる)

…わかった。じゃあこれからも
ずっと大切につけるね。

彼方💙(そらる)

ありがとう。

まふまふ🤍(人間)

いえいえw

まふまふ🤍(人間)

まふまふ🤍(人間)

じゃあ、そらるさんこの町に
引っ越してきたってことは
これからはこっちの町に
いるんですか?

彼方💙(そらる)

うん、定期的に帰ったりは
するだろうけど
基本的にはこっちにいるよw

まふまふ🤍(人間)

じゃあこれからは……

彼方💙(そらる)

ずっと一緒に居られるよw

まふまふ🤍(人間)

っ!!やったぁ!

まふまふ🤍(人間)

僕も人間になったから
これからは2人でもっと
色んなとこいっぱい行けますね!

彼方💙(そらる)

そうだねw

まふまふはすごく嬉しそうに微笑んだ。

彼方💙(そらる)

(かわいい……///)

彼方💙(そらる)

(あ、この気持ちも
ちゃんと伝えないとな……)

彼方💙(そらる)

あのさ、これからのことで
1つ提案があるんだけど…

まふまふ🤍(人間)

え?なんですか?

彼方💙(そらる)

俺と───

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