生徒会室に無理矢理連れてこられて仕事を任せられた私はため息をついた
奈緒
はぁ…
奈緒
こんな仕事終わる気がしないよ…
斎
俺は準備室の整理をしておくから、それまでに終わらせろよ
先輩はそう言うと準備室へ入って行った
奈緒
まぁ、先輩を落とせるタイミングがあるかもしれないし
奈緒
とにかく今は集中しよう!
私は淡々と資料作りをしていた。
そしてやっと…
奈緒
できたーーー!!
奈緒
これだけキレイな資料だったら文句なしでしょ!
準備室に入ると奥の椅子に先輩が座っていた
奈緒
……先輩、資料出来ましたよ
奈緒
先輩?
斎先輩は、椅子に座りながら居眠りしていた。
奈緒
疲れてたのかな
奈緒
…そりゃそうだよね、これだけ多くの仕事毎日してたら
奈緒
でも、もうあんまり時間無いし、起こした方がいいよね。
私は、かがんで先輩の顔を覗いた。
奈緒
…わっ、まつ毛長い
斎先輩の顔は見れば見るほど綺麗だった
透き通るような肌に真っ黒な前髪がすごく似合ってる
奈緒
……やっぱり、かっこいいなぁ
私は、とても近い距離で先輩の顔に見入ってしまった。
斎
………ん
奈緒
あ、先輩、起き…
その時、斎先輩と私の唇が当たった。
奈緒
…!?
斎
……あ。
先輩が状況に気づいてパッと顔を離した。
奈緒
…ごめ、なさい
奈緒
あの、わたし、
奈緒
せ、んぱいを、起こそうとして…
突然の出来事に驚いた私は、聞こえないくらい小さな声で必死に話した。
奈緒
…ど、しよう
奈緒
…ごめんなさい
斎
……いいから、もう。
先輩は私と反対側を向いて顔を合わせようとしない
どうしよう、呆れられた…
奈緒
せ、せんぱい、ごめんなさい
奈緒
ごめんなさい、怒ってますよね。
斎
……怒ってないから、もういいから、出てって
奈緒
…顔、合わせてくれないのは、怒ってる証拠ですよ
奈緒
ほんとにごめんなさい!私の不注意でした!
私は、斎先輩に聞いて欲しくて、先輩の身体を引っ張った
斎
…わかった、わかったから
先輩は振り向いて子供をあやすように私の肩を手で撫でた
その時の先輩の顔は赤く、耳まで染まっていた