灰色の裏庭。

episode.1

君の世界は

どう見えてるの？

私もあなたの世界へ

踏み込みたい。

ｷｰﾝｺｰﾝｶｰﾝｺｰﾝ…

今日も長い長い授業が終わり

ゆっくり背伸びをした。

先生は申し訳なさそうに机にプリントを置いた。

電車に揺られて10分。

ひとつの一軒家に到着した。

ピンポーン…

ガチャッ…

少し歩いた所に

ひとつの大きなドアが

静かに

私を前に

堂々と立っていた。

ドアノブに手をかけた。

ガチャ。

サァァ…！

ドアを開けた目の前は

全てが

灰色だった。

土、空、石、植物

全てが

灰色に染められていた。

横から声がした。

不思議そうに見つめてくる彼は

漆黒の黒髪に

真っ白い肌。

そして

私の全てを奪ってしまいそうな

深紅色の瞳。

篝月くんは興味がなさそうに

ふいっと私の視線から外した。

レイはハスキー声で

私の耳に気持ちよいほど

言葉が入ってくる。

あなたは秘密ばかり。

私の質問に何も答えてくれない。

篝月くんは

ニカッと笑った。

その時思った。

あなたに

近づきたいって。

ーto be continuedー