夜です

暗いと思ってね

翠の昔の記憶

お母さんはお父さんに虐待を 受けていた

毎日お母さんが殴られる日々

そんなことが当たり前になっていた

当たり前だと思っていた

テレビで幸せそうな家族を見るまでは...

その家族を見てからお父さんに対する私の気持ちが変わった

中学一年生

私はお父さんがお母さんを殴ったのを見て

私の何かが変わった

気がつくとお父さんが床に倒れていた

目の前には恐怖で歪んだお母さんの顔

何が起こったのかわからなかった

分かりたくなかった

お父さんは家を出ていった

嬉しかった

しばらくは何事もなかったかのように過ごせた

あの事件の二日後私は

あの事件の二日後私は

あのとき何が起こっていたのか確かめようとした

私がお父さんを倒したのか確かめるために

近所の不良に喧嘩をふっかけにいった

結構強いという噂があったけど

大したことなかった

私が勝ったのだ

けれど家に帰ると

お母さんが私を連れて

家を飛び出した

戸惑いながらついていくと

知らない場所に着いた

お母さんは気づいたらいなくなっていて

私一人だけ

そこで兄ちゃん達と出会った