付き合ってもう３年が経つ

奏多は、いつもデートを 楽しませてくれる

明るくて元気なところが ずっと好きでいた。

今日も幸せな時間を 過ごしている

そのときだった

すごく向こうの方から車が少しフラフラしてやってくる

気づけば目の前で車が 突進してきた

がしっ

ドンッ！！

一瞬の出来事で、 痛みさえも感じない

周りの人の悲鳴が 聞こえるだけ

いや…、

違う

痛みを感じないのは……

ピーポーピーポー…

私は軽症で済んだから…

その日のうちに退院することになった…。

だけれど…奏多は……

…

毎日、毎日、

奏多のところへ、お見舞い に行った

いつか目覚めることを 信じて。

病院の廊下に、 短冊が飾ってあった

『七夕の日』

そう大きく書かれていた

「病気が治りますように」

「手術が成功しますように」

そんなことが書かれていた

結婚式をしたい

ずっとずっと好きだよ

奏多。

そう書いて、短冊を飾った

次の日

何やら看護師らが慌てて 部屋を出入りしている

ガラッ

そこには

目を開けている奏多がいた

私は嬉しくて嬉しくて 涙が止まらなかった

泣きすぎて声が上手く 出ないけど、

それでも、奏多の名前を 呼びたかった

『めい』私の名前を 呼んでほしかった

その優しい言葉が余計 涙を止まらせなくした

力強く抱きしめられて 奏多の体温を感じた

生きている

奏多のその笑顔に安心した

かばんの中から出てきたのは

とても綺麗な指輪が 入っていた

七夕が起こした大きな奇跡

この人と出会えて良かったと 思った瞬間だった