代わり映えしないお弁当を広げていると。

思わずため息が漏れた。

課長は驚いて箸を止めた。

“本当は貴方のことが気になってる”なんて言えるわけなくて、さっきの言葉が精一杯。その意図に気づいたかそうでないか、課長は頬杖ついて口角をあげて。

人をからかう時の課長は、声音も表情にも色気があってとても困る。

艶やかさも追加され、私の頭は沸騰寸前。

いたずらっぽくウインクして、課長は行ってしまった。

ウソだ!! 遠く及ばないと思っていた人からの申し出なんて…でも。

胸がいっぱいすぎて、残りを食べるのに苦労した。