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2023/05/11投稿

第17話

「君が死ぬのが嫌だった」

おじいちゃんが言ってた。 戦う時は短い鳴き声。威嚇する時は大きく長い鳴き声。

威嚇されてるのに短い鳴き声が聞こえないのは、相手が戦闘不能か逃走してるかどっちか。

そういうことじゃ.....

そう言ったないちゃんの顔は 「助けたいけど助けられない」 「諦めざるを得ない」 答えはあるのに迷ってるような表情だった。

よく見たら他の2人もそう。

人一倍助けたい気持ちが強いはずのいむくん。 「第1号」の俺やから、わかる。

ごめんみんな。 俺、人が死ぬのだけは見てられへん。

鳴き声に向かって走っていくと、崖があった。3mくらいの....

上から見たのは予想外の生き物

少し小柄やから...子供かもしれん。 それでも大きい。崖と同じサイズ。

その目の前にあるものに、目が止まる

足を押さえて座り込んでいる赤髪の少年が1人。

え....1人？

どんどん赤龍が赤髪の子に....！

助ける？俺が？

今の俺が行って大丈夫？

いや...

助けずに後悔するのは自分や

ｻﾞｼｭｯ

赤髪の少年のほうへ着地する。 3mの崖から落りてきたので足がジーンとする。

あきらかに「お前誰？」って顔された

忘れてた！！！？！！？

なんかのミラクル起きて....！！

ｼｭンｯ

赤龍の首スレスレを弓矢が....？ よく分からんけど火を吐くための口が俺らからそれた！

叫び回って逃げたコウモリのときみたいに走りながら叫ぶ

これであの子から赤龍が離れればいいんやけど....

俺にやってちゃんと考えはあるんや。 絶対大丈夫。

走り回る！！！！

ﾋｭﾝｯ（弓矢）

あそこに1人で飛び込む度胸は尊敬するけど計画性の無さはどうしても尊敬できない！！！

襲われかけた時俺の弓矢が飛ばなければ初兎ちゃんどうしてたの...？

初兎ちゃんが｢人を助ける｣ことにあれだけ執着する理由を俺は知ってる。

いや、、「見捨てられない」って言った方が正しいかもしれない。

"人の死"を経験している初兎ちゃんは手の届く人を放っておけない

さっきからわざと俺ギリギリの弓矢が飛んでくるのは気のせい？（）

赤髪の少年に興奮気味に言ったらちょっと引かれた顔された

あれ..なんか凄い寒気が....

ﾊﾞｼｯ（手）

ぼろぼろ泣きながら言われる。

「死にたかったのに」 なんて言葉が出てくるとかこの子はいったいどんな状況に置かれてるんや？

自然と言葉がでてくる。

どっちも報われんやん.....っ

下を向いているせいで曲がっている腰を悠くんがさすってくれる。

変な感情の涙が拭(ぬぐ)っても拭ってもおさまらない俺を見てないちゃんが微笑みながら言った。

その言葉にどれだけ安心したか

やっぱり俺は人間や

続け