電車に揺られながら窓の外を見つめる
綺麗な青空と流れる住宅街の景色
車内は通勤の方で少し狭苦しいが
奥の景色は凄く広くて なんとなく目頭が熱くなった
今、私は青春を謳歌する夢の高校生
夢って言っても私は多分陰の部類。
特技も無く、夢も無く、ただただ平凡な存在
そんな私の10年後はなにをしているのかと
思う時がある。
10年後って言ったら…私は「26歳」
まあまあな歳だ。
結婚しているのだろうか
それとも会社に勤めているのだろうか
忙しくしているのだろうか
それとも働かずダラダラしているのだろうか
色んな自分の姿が目に浮かぶ。
漫画家?歌手?監督?医者?
そんな特別な仕事などしていないとは分かっているが
なんとなく期待してしまう
自分がもしそんな職に就いていたら
揺れる電車の窓から風が通り抜ける
窓…開いてたっけ
そんな事を思いながら辺りを見渡す
色々な格好をした人達が スマホを触ったり本を読んだり
自分なりにこの時間を過ごしている
ああ、そういえば
あの子とはどうなるんだろう
あの子とは私の初恋の人
呆気なく終わった恋だったけど
楽しかったな、なんて。
少し微笑みまた青空を見つめる
どこまでも続く空と輝き続ける太陽を 瞳に映して
10年後、遠い君と私がまた
再開していますように
なんて変な期待を抱き
電車を降りた
…あ、君って…
気のせいかな…
END