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テラーノベル(Teller Novel)

サカナ

※今回は300タップ超えです

サカナ

前回の異界ノ駅2がすごい人気です

サカナ

ありがとうございます

サカナ

さて、今回も日帝さんたちを怖い目に遭わせます

サカナ

被害者はにゃぽんです

日帝

はぁ…

あのような出来事が起こってから1週間

私は未だ理解できていない部分が多い

私の体質…

それは大日本帝国憲法がないのに、肉体だけで生きていることだろうか

わからない

日帝

しかし、こうして家で考えていても仕方ないな

今日は土曜か…

日帝

…子供たちとキャンプでもしてみるか

かつての友人とも行ったキャンプ場で、今度は子供たちと遊ぼう

たまの気分転換は必要だ

日帝

地図を確認しておかないとな

日帝

にゃぽん、キャンプに行かないか?

にゃぽん

キャンプ?

にゃぽん

本当!?

にゃぽんは海軍に似て活発だ

きっと楽しんでくれるだろう

日帝

あぁ

日帝

確か、今日から三連休だろう?

日帝

お前の試験も終わったことだ、存分に遊ぼう

にゃぽん

やったー!!!

にゃぽん

お父さんありがとー!!!

ギュッと抱きついてくるにゃぽん

日帝

出発は1時間ほど後にする

日帝

すぐ用意しろよ

日帝

用意出来たら居間に来い

にゃぽん

はーい!!!

日帝

日本、たまには外に出てキャンプなんてどうだ?

日本

え…キャンプですか?

活発なにゃぽんと違い、日本は外が嫌いなインドア派?だ

そういえば、航空隊もあまり外に出たがる方ではなかった

親子そっくりだな…

日帝

三連休だったろう?

日帝

この機会に運動しろ

日本

え、いやです…

日帝

そうか…

日帝

外で焼肉でもしようと思ったが…残念だ

日本

行きます

日本は大人しい

が、食に関してはこの私が引くほどに細かく、非常によく食べるのだ

一体どこに吸収されているのか、 あの駅と同じくらい不可解な体型だ

日帝

現金な息子に育ったものだな…

日本

う、うるさいです

日本

それより、いつ行くんですか?

日帝

1時間後だ

日帝

早く準備しろよ

日本

わかりました

日本

3日分ですね?

日帝

あぁ

日帝

出来たら居間に来いよ

日本

はい!

日本

BBQ…ふふふ…

30分後

思ったよりも早く、2人は居間に降りてきた

にゃぽん

早く行こ!!

日本

ばーべっきゅう!ばーべっきゅう!

にゃぽん

え!BBQすんの!?

日帝

落ち着け

日帝

忘れ物がないか確認しろ

久々の外出に盛り上がる2人を治めつつ、私も鞄の中を見ておく

にゃぽん

にゃぽちゃん!忘れ物ありません!

日本

僕もないです!

日帝

よろしい!

日帝

では行くぞ

日本・にゃぽん

わーい!!

日帝

久しぶりでも動くものだな

にゃぽん

お父さんの運転久しぶりだ〜!

日本

キャンプってどこ行くんですか?

日帝

昔、私と戦友が遊んだ場所だ

日帝

今はあるかわからないが、広い場所だったから遊ぶくらいはできるぞ

日本

え、それ確認してないんですか?

日帝

していない

正直、気分転換できればなんでもよかったからだ

ワクワクしていた息子たちには申し訳ないが、もしかするとばーべきゅう?も怪しいかもしれない

にゃぽん

まあいいじゃん!車自体久しぶりだからテンション上がるし!

日本

まあ…父さんの運転は新鮮ですね

日帝

そう言ってもらえると助かる

日帝

もしキャンプが出来なかったら、どこかしらの店でも行こうか

日本

焼肉食べれるなら私はいいです

にゃぽん

お兄ちゃん現金〜

日本

焼肉美味しいじゃないですか!

にゃぽん

美味しいけど!

日帝

喧嘩するな

やはり、家族との時間はいいものだ

あんな悍ましい出来事も忘れられる

 

 

日帝

そろそろだな

日本

結構山奥ですね〜

にゃぽん

雰囲気ある〜

日帝

事故らないといいな

日本

本当にやめてくださいよ?

そう言った直後のことだ

日帝

!?

キィィィ!!

にゃぽん

うわぁあああ!?!!

日本

きゃぁあああ!!

目の前に白い何かが飛び出し、慌ててハンドルを切ってしまった

日帝

(まずい…このままでは本当に事故になる!!)

私は慌てて急ブレーキをかけながら、2人にどこかへ掴まるよう指示する

にゃぽん

事故死なんて嫌ぁああ!!

日本

(死を覚悟)

日帝

くっ…!

車はガサガサと音を立てながら、そのまま下り坂へと一直線だった

幸いなことに、平坦な場所で車は止まった

日帝

お前たち…無事か?

日本

し…死ぬかと思った…

にゃぽん

私も…

日帝

悪かったな…

日帝

何かが飛び出してきて、慌てて横へ逸れてしまった

日本

何かって…何もいなかった気がするんですけど…

日帝

なんだと?

にゃぽん

え、運転席のお父さんが見てて、助手席のお兄ちゃんが見えなかったの?

日本

ええ…

日本

まあ、私の目が悪いだけの可能性もありますけどね

何かが妙だ

そう思ったが、口にはしなかった

あのようなことがあった手前、余計なことを言いたくなかったのだ

日帝

とりあえず、来た道を戻らないとな

日帝

この坂は上れそうにないが…どこかから上に戻れるかもしれん

にゃぽん

まあ荷物も無事だし、怪我してないからいっか

日本

そうですね

日帝

次は気をつける

そう言ってエンジンをかけようとした

日帝

…ん?

日本

どうかしました?

日帝

…エンジンがつかない

何度かけようとしても、車は動こうとしなかった

にゃぽん

落ちて壊れちゃったのかな

日本

大事にしているとはいえ、古い車種には変わりませんからね

日帝

そうかもしれないな…

長らく乗り続けていた車なので、非常残念だ

しかし、壊れたものは仕方がない

日帝

もう時間も遅いな…

日帝

今日は車中泊になるだろう

日帝

大丈夫か?

にゃぽん

にゃぽちゃんはいいよ!

にゃぽん

車でお泊まりなんて初めてだし!

日本

会社より全然マシです

不甲斐ないな…

楽しませるどころか、こんなことになるとは

日帝

本当に申し訳ない

日帝

帰りはちゃんと焼肉に行こうな

日本

はい!

にゃぽん

約束だよー!

日帝

(もう外は暗いな…)

キャンプをする予定だったため、寝袋で寝ることはできる

しかし、限られた空間に3人で寝るのは少し狭い

日帝

(…まあ、いいか…)

眠る日本たちの頭を撫で、私も眠ろうと目を閉じた

テン…ソウ…メツ…

日帝

…?

テン…ソウ…メツ…

日帝

(何か聞こえる…)

テン…ソウ…メツ…

まさか太鼓や鈴の音ではあるまいな、と少し恐々としつつ、私は目を凝らした

テン…ソウ…メツ…

日帝

…!?

あぁ、どうしてこう運が悪いのか

少し遠くに、えらく不気味な白い物体?生物?がいた

テン…ソウ…メツ…

それは少しずつ近づいてくる

明らかにこの世のものではない

私は咄嗟に刀に手をかけた

日帝

(来るなら来い…この私が叩き切ってくれる…!!)

そいつが切れるものかどうかすらもわからない

そうでもしなければ発狂しそうだった

テン…ソウ…メツ…

日帝

(…車の横を通り過ぎた…?)

何か不気味であるが、もしかすると山神のようなものかもしれない

何も危害を加えないのなら…と、私は警戒しながらも刀を下ろす

テン…ソウ…メツ…

声がやたらと大きく聞こえ、にゃぽんの寝ている後部座席側へ顔を向けた

そいつはまだいた

にゃぽんを見つめながら、形容し難い不気味な顔で笑っている

日帝

…貴様!!!

何かするならぶち○す

その覚悟だったが、

大声を出すとそいつは消え、にゃぽんが跳ね起きた

日帝

あぁ…すまないにゃぽん、起こしたか

隣の日本も、呻き声を上げながら起きようとしていた

日帝

…にゃぽん?

にゃぽん

はいれたはいれたはいれたはいれたはいれたはいれたはいれたはいれたはいれたはいれたはいれたはいれたはいれたはいれたはいれた

日帝

にゃぽん?!

にゃぽん

はいれたはいれたはいれたはいれたはいれたはいれたはいれたはいれたはいれたはいれたはいれたはいれた

これはダメだ

私はエンジンをかけた

すると、先ほどはかからなかったエンジンがかかった

日帝

日本

とうさん…?

にゃぽん

はいれたはいれたはいれたはいれたはいれたはいれた

私は車を飛ばし、その場を後にした

日帝

ようやく街か…

日本

にゃ、にゃぽん?

日本

どうしたんですか?

にゃぽん

テン…ソウ…メツ…

日本

どうなってるんですかこれ…!

にゃぽん

テン…ソウ…メツ…

日帝

日本、説明は後だ

日帝

寺に入るぞ

日本

は、はい…

ドンドンドン

日帝

誰かいないか!

日本

うぅぅ…にゃぽん…

にゃぽん

テン…ソウ…メツ…

ガチャ…

住職

こんな時間に誰だ…

住職

って、何をやった!!!

日帝

キャンプをしようと山に入ったが、事故をしておかしなものを見た

住職

なんということだ…

住職らしき人物にそう説明すると、住職は残念そうな顔をして中に入れてくれた

困惑する日本と共に中へ入ると、にゃぽんは奥に連れて行かれた

日本

父さん…にゃぽんは一体どうしてあんなことに…?

日帝

…山で、奇怪な化け物に出会った

日帝

私には興味を示さず、奴からは見えないはずのにゃぽんに向かって行った

日本

そ、そいつに何かされたのですか…?

日帝

恐らく…

日本

そんな…

 

重い空気の中、住職が戻ってきた

住職

何からお話ししましょうか…

日帝

…娘は

住職

向こうの部屋で寝かせています

日本

にゃぽん…妹は平気なんですか…?

不安そうな顔で質問する日本 私も気になっていたことだ

住職

なんとも言えません

住職

それについて、まずご説明しなければならないことがあります

曰く、私が見た白い化け物は山ノ怪と書いて『ヤマノケ』というそうだ

ヤマノケはその名の通り山に住み、女のみに憑くのだという

ヤマノケに憑かれて49日が経つと、一生あのまま、正気に戻ることはないそうだ

住職はできる限りの努力をすると言うが、娘は1週間が経っても元には戻っていない

日帝

私があの時、連れ出さなければ…

日帝

山になど行かず、大人しく家にいたら…

日帝

車中泊をしていなければ…

思い出すのは後悔ばかり

唯一無二の友であり、家族であった海軍の娘をこんな目に遭わせるなんて

あの子の育ての親として失格だ

日帝

にゃぽん…なんとか、なんとかする方法はないのか…

日本も塞ぎ込んでしまい、いつも以上に眠れない日々を過ごしている

日帝

にゃぽん…

にゃぽん

テン…ソウ…メツ…

にゃぽんはあの日以来、この言葉を呟き続けている

住職曰く、「転」「操」「滅」であると言われているそうだが…

日帝

あぁ…本当にすまない、海軍…

 

住職

日帝さん、今日も来たんですか

日帝

まあ…あの子の親ですから

住職

にゃぽんさんの件ですが、もう既に1週間の猶予を切っています…

住職

私もできることをしましたが、これ以上は…

遠回しに、にゃぽんは諦めろと言われているのか

日帝

わかっています…

日帝

この子には申し訳ないことをした…

住職

仕方がありません

住職

ヤマノケが現れることなど、予測できるはずがありませんから

あぁ、その通りだ

あんな化け物がいるとは知らなかった

しかし、そんなことで片付けられないのだ

にゃぽん

テン…ソウ…メツ…

私も疲れているのだろう、今日は軍服ですらなかった

テン、ソウ、メツ

にゃぽんのものではない低い声が、私の耳元で聞こえた

………ん

誰かの声が聞こえる

…ぅ…さん

私は何をしていたんだったか…

にゃぽんの見舞いに来て…そうだ、にゃぽんと目が合った瞬間に…

と…さん…!

待ってくれ、私は今考え事を…

父さん!!!!!

日帝

…っは!

にゃぽん

お父さん!!!

日本

よかった…ようやく目が覚めた…

日帝

…日本?どうしてここに…

住職

日帝さん、なんともありませんか?

私は布団の上に寝かされていた

どうやら倒れていたようだ

日帝

記憶が曖昧だ…何があったんだ…?

住職

さあ…

住職

私にもわかりません…

にゃぽん

お父さん、大丈夫なの?

日帝

にゃぽん…?

日本

父さん、にゃぽんが元に戻ったんです

不気味な笑みを浮かべていないにゃぽんを見たのは、一ヶ月ぶりだ

日帝

にゃぽん…!!!

ギュッ

にゃぽん

わわっ

にゃぽん

ごめんねお父さん、お兄ちゃん

にゃぽん

心配かけちゃった

日本

いいんですよ、そんなこと(泣

日帝

戻ってきてくれてよかった…!(泣

にゃぽん

もー、泣かないでよ2人とも

私と日本は、らしくもなく泣いてしまうほどに憔悴していたようだ

にゃぽん

不滅のにゃぽちゃんが戻ってこないなんてこと、あるわけないでしょ!

日本

にゃぽんったら…(泣

日帝

住職さんが戻してくれたんですか?

住職

いえ

住職

急に日帝さんが倒れて、ヤマノケが出てきたんです

住職

ですが、にゃぽんさんに戻る様子はなく、そのまま消滅してしまいました

にゃぽん

にゃぽちゃん復活だよ!

両手でピースをするにゃぽん もうすっかりいつものこの子だ

日帝

そうなのか…

日帝

まあ、何はともあれ、にゃぽんが無事ならそれでいい

日本

ですね!

その日は皆で、約束していた焼肉を食べた

電気もつけない薄暗い部屋に、1人の男が座っている

ナチ

まさか…あの時の“モノ”がまだ憑いているとは…

男はニヤリと笑った

ナチ

奴の大切なものから壊せば、自殺くらいはすると思ったのだがなぁ…

ナチ

そうか…アイツがまだいるか…

ナチ

さて…計画を練り直さないとなァ

男は不気味な笑い声をあげ、暗い地下室へ消えていった

惹きつけ体質の日帝さん

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