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テラーノベル(Teller Novel)

氷翠

はぁ…はぁ…はぁ…

アイリス

よく頑張ったわね

アイリス

もう終わりよ

アイリス

私はあなた達の師範を倒さないといけないの

莉佳

…白光の抵抗!

アイリス

あら…

アイリス

技を出すのも大変ねぇ?

アイリス

解放してあげるからね…

莉佳

戦女神の交響曲!

氷翠

氷の願い・氷雪哀歌!!

アイリス

っ…

アイリス

まだ技を出せるのね…そう…

アイリス

ならとびっきりの地獄を見せてあげるわ

氷翠

…見ない…

氷翠

あなたを…今、倒す!

氷翠

千本桜舞い・氷雪!!

この吸血姫を倒せば

たくさんの人が助かる

そのためなら

私の視力も聴力も記憶も

全部全部くれてやる…!!

莉佳

氷翠…!!

この技を出せば

鬼姫輝夜を必ずしも倒せるとは限らない

けれど

弱らせることはできるはず…

でも…

記憶を失うのは、少し寂しいかな…

楽しい思い出なんて、作らなければよかったのかな…

師範のことも、莉佳のことも、椿のことも忘れてしまうのだろうか。

吸血姫なんていない世界で出会いたかった

それなら、仲良く話していられたかな…

アイリス

これは…サタナーを殺した技…

氷翠

う…ああああ…

お願い…

倒れて…

莉佳

氷翠…

莉佳

私も…全て懸けるよ…

莉佳

白銀の宵の宮!!

白銀の宵の宮は

使えば記憶と感情がなくなる

けれど、記憶も感情も、きっと氷翠や師範、椿が戻してくれる

だから私もこの技を使う

最後まで人頼みになってしまうけれど

これでたくさんの命が助かるのなら

感情も記憶も投げ打つ

こいつを倒すため

平和な世界を訪れさせたい

例えその時

自分が世界にいなくとも

氷翠

はああああ!!

莉佳

はああああ!!

アイリス

やめ…ろ…

アイリス

うあああああ!!

氷翠

…倒れた…

莉佳

…鬼姫輝夜…倒せたの…?

氷翠

よかった…

莉佳

まだ終わってない…師範たち…

氷翠

あ…師範…

才華

…蘭奈…ごめんね…私…一人ぼっちだ…

才華

もうアイリス…鬼姫輝夜はいない

才華

私はもう死んじゃうの

あの日から、ずっと才華は1人だ

手を差し伸べられるのは私だけ

蘭奈

…大丈夫だよ

蘭奈

私が一緒に死ぬから

蘭奈

一緒に地獄に逝こう?

才華

蘭奈…

私は今までたくさんの命を奪ってきた

永遠乃鬼姫菖蒲隊も、なんてことないと思っていた

けれど、葉兎音氷翠、七瀬莉佳、夜桜蘭奈

あの3人の力は強かった

私への恨みがとても伝わった

特に葉兎音氷翠

あの子の使う刀は私を唯一追い詰めた永遠乃鬼姫菖蒲隊員

宵明永遠の使っていた刀

氷の刀だった

アイリス

はぁ…はぁ…はぁ…

永遠

…鬼姫輝夜

永遠

まだ逃げるつもりか?

永遠

たくさんの命を奪っておいて

永遠

自分だけ助かるつもりか?

永遠

命を何だと思っている?

アイリス

…五月蝿い!!

アイリス

黙れ、人間の分際で!!

永遠

…話し合うのは、無理なようだな

永遠

神穿つ雪

アイリス

うあああ!!

永遠

…必ずお前には天罰が下る

アイリス

…黒炎の印呪

あいつのことは忘れない

あいつと葉兎音氷翠は似ていた

もう私は死んだ

あいつの言う通り、私は地獄に逝くのだろう

仕方ない

私はたくさんの命を奪ってきた

潔く諦める

次こそは

奴らに復讐を

氷翠

…師範…

世界は平和になった

けれど、平和と引き換えにたくさんの命と師範を失った

たくさんの命と引き換えになったこの世界は特に変わらず

吸血姫のいない世界は静かで穏やかだった

永遠乃鬼姫菖蒲隊は解散し、私と莉佳は称えられた

人が人を忘れる順番は声、顔、思い出らしい

いつか私の中でも

師範と紫苑姉さんのことは薄れていってしまうのだろうか

あの優しい声も、忘れてしまうのだろうか

氷翠

…師範のいない平和な世界、これからも守り続けます

莉佳

氷翠

莉佳

椿がご飯作ってくれたよ

莉佳

一緒に帰ろう?

氷翠

うん、少し待ってて

師範…

…もう師範じゃないかな…

…蘭奈、姉さん…?

蘭奈姉さんは紫苑姉さんが亡くなったとき、泣いていなかった

吸血姫と戦っている間は泣くことも許されなかった

けれど、私は蘭奈姉さんほど強くない

だから

たまにでいいから

泣いてもいいですか?

莉佳

え…氷翠?どうしたの?

氷翠

ごめん…何でも、ない…

氷翠

大丈夫だよ…

姉さんたちの願いの叶った世界を絶対、守り続けます

雪華月夜に見た光彩色の花

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