友子
おはよ
美樹
おはよう
友子
スッキリした顔
友子
尚君と話せた?
美樹
う、うん
友子
ん?何か顔赤くない?
美樹
なんでもない!
友子
…?
友子
(コレはなんかあったな)
放課後
友子
ごめん、部活あるから先帰ってて!
美樹
うん
友子
バイバイ
美樹
また明日ね
尚
失礼しまーす!
友子
!?
美樹
!?
尚
良かった…まだ居た!ラッキー
尚
美樹、一緒に帰ろう?
美樹
え、ええ?
友子
(そういうことね)
友子
いいじゃない
友子
帰んなさいよ
尚
だってさ
尚
帰り道同じ方向だしさ
尚
駄目、か?
美樹
っ…駄目、じゃない
尚
やった!
尚
あのさ…
尚
前に言ったことだけど
美樹
…
尚
美樹、聞いてる?
尚
顔青いけど
美樹
…この辺にね犬がいるの
美樹
その犬が通ると必ず吠えるんだよね
尚
ああ!そんなこと
美樹
そんなことって…
怯えながらそこを通ると驚く事に吠えなかった
美樹
嘘でしょ…
尚
見た?俺の幸運すごいでしょ
美樹
これは幸運って言うの?
尚
言いますー
そんなことを言いながら歩いていると
尚
美樹…危なっ!
美樹
え…?
咄嗟に覆い被さってきた彼
ブレザーに水が滴っている
近所の人
ごめんなさい!
近所の人
打ち水をしてて…
尚
気にしないで下さい!
彼はその家を通り過ぎた後に笑い始めた
尚
ッハハ!
尚
冷てえや
美樹
大丈夫?
尚
こんなの初めてだわ
尚
面白え!
私ならきっとネガティブになっていた
不幸すらも笑い飛ばす彼に思わずときめいた
美樹
家どこら辺?
美樹
このままじゃ風邪引いちゃうよ…
俺は焦った
嘘をついていたからだ
尚
あー…
尚
反対、方向なんだよね…
美樹
ええっ!?
美樹
さっき…同じって…!
案の定戸惑っている
だってさ、仕方ねえじゃん
尚
そうでもしなきゃ…
尚
一緒に帰ってくれないでしょ?
美樹
っ…
尚
美樹、顔タコみてえ
美樹
〜っ!
尚
ッハクシュ!
流石に寒くなってきたみたいだ
美樹
うち来る?
美樹
その服じゃ帰れないでしょ?
尚
…でも
コイツはわかってない
美樹
お兄ちゃんの服貸すよ!
俺だって男なのに
尚
…わかった
尚
お邪魔するわ
尚
お邪魔します
美樹
どうぞ
美樹
シャワー行ってきて!
美樹
服乾かしてるから
尚
あ~もう!
美樹
え?
美樹
きゃっ!
彼女を見下ろす体制になった
俗に言う「床ドン」ってやつだ
尚
あのさ…わかってる?
美樹
なに、が?
尚
俺だってこういう事する
尚
男なの
美樹
っ!
尚
それにさ美樹の事好きなの
尚
だから余計にさ意識されてないのかと思って辛い
彼女は口を開いた
美樹
…私も
美樹
私も尚が好き
尚
え?
美樹
今日見てて気づいたの
美樹
私が必要としてるのは不幸も幸運も一緒に笑ってくれる人なんだって
尚
っ…!
尚
すっげえ嬉しい
美樹
〜っ!
美樹
そろそろどいて…
美樹
シャワー行ってきて…!
尚
はーい
その後は何もないまま帰っていった
美樹
夢、だったのかな
思い出すと顔が赤くなる…
美樹
私って尚の「彼女」になったのかな?
美樹
〜っ!
暫く枕に突っ伏していた
尚
美樹、おはよう
美樹
おはよう
尚
今日、俺らのクラスの体育…
美樹
(あれ、付き合ってないのかな…)
不安になるくらいにいつもどおりの会話
甘さなんか全く無かった
美樹
(私の勘違い!?)
友子
美樹、おはよー
友子
私の美樹返してね
美樹
友子!
尚
「俺の」彼女だから
尚
お前のじゃねえ!
美樹
っ…!
美樹
尚…
友子
えっ嘘!?マジ!
尚
ごめん、嫌だったか?
美樹
ううん、嬉しい!
尚
よかった…
友子
わ、甘々
友子
そろそろ教室行くよ?
友子
ホントに遅刻する
美樹
うん…
尚
バイバイ
美樹
またね
昼休み
美樹
(アップルティーっと)
美樹
また…出てこない
すると後ろから伸びてきた腕
迷い無くアップルティーが押される
尚
お、2つ出てきた
尚
はい、幸運のおすそわけ
美樹
尚!
尚
懐かしいな
尚
初めてあった時みたいだな
美樹
そんなに時間経ってないけどね
美樹
ねえ、尚…
美樹
私、本当に尚の彼女になっていいの?
尚
どうして?
美樹
だって不幸が…
尚
俺は美樹が好きだから付き合いたい
美樹
っ…
尚
俺の幸運分けてあげるから
尚
不幸も分けてよ
尚
それにさ不幸も美樹となら笑えてくるんだよね
美樹
え…?
尚
だから離れようとしないで
尚
一緒に笑い飛ばそうよ
美樹
…うん
美樹
うん!
彼は何度でも支えてくれようとする
私は幸せ者だ
美樹
私にも幸運あったみたい
美樹
尚に会えてよかった!