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百鬼夜行 37話

百鬼夜行 37話

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百鬼夜行 37話

♥

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2018年10月08日

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5月12日(土)

AM 10時10分

レン

·············

レン

はぁ~···

レン

ようやく土曜日です···

レン

あの後の、先生方や生徒の皆さんからの

レン

質問攻めには参りました··

レン

結局、あれだけの事があったのに

レン

次の日、何事も無かったように出席した私が悪かったですね····

レン

取り敢えず、

レン

何も覚えていないと、しらを切るしか無かった··

レン

···うん

レン

それしか思いつかなかったし!

レン

変な言い訳は、後で身を滅ぼしますからね!

レン

············

レン

····················

レン

···それはそうと···、ここ数日

レン

アスマさんの様子がおかしい···

レン

学校にも

レン

バイトにも···、ちゃんと来ています···

レン

けど···

レン

話かけても殆んど反応が無い···

レン

···········

レン

バイトに行く時も

レン

一人でさっさと行ってしまう···

レン

···········

レン

き、嫌われた····、かな···?

レン

···········

レン

ぐす···

レン

(そう思ったら何だか泣けてきた····)

アスマ

通話終了

通話
10:24:02

レン

っ!!!!

レン

あっ、アスマさん?!

レン

·············

ピッ

レン

はい····

アスマ

············

レン

····もしもし?

アスマ

レン····

レン

っ!!

レン

は、はいっ

アスマ

····話が

アスマ

あるんだけど···

レン

えっ?!

レン

(ま、まさか····、別れ話?!)

レン

····なんですか··?

アスマ

····会って··

アスマ

話したい···

アスマ

っく····

アスマ

ハァハァ···

レン

?!

レン

(やはり様子がおかしいです!)

レン

アスマさん?!

レン

大丈夫ですか?!

アスマ

···あぁ

アスマ

············

アスマ

悪いけど··

アスマ

うち···、まで

アスマ

来てくれ··

レン

わ、分かりましたっ!

レン

直ぐ行きますので!

アスマ

·····ああ··

ピッ

レン

絶対に様子がおかしいですっ!!

レン

別れ話じゃないかもだしっ

AM 11時5分

《リア・セレッソ105号棟》

レン

緊張してきた····

レン

ふー····、

ピンポーン···

アスマ

····はい?

レン

あっ、アスマさん!

レン

大丈夫ですか?!

アスマ

············

レン

あ、あの···

アスマ

···どちら様ですか?

レン

············

レン

へっ?!

アスマ

何かご用ですか?

レン

えっ····、

レン

な、何言ってるんですか····?

アスマ

は?

レン

冗談にも程がありますよっ?!

アスマ

···冗談なんて言ってませんが····?

レン

っ!!!

レン

···············

アスマ

···用が無いなら

アスマ

もう、いいですか?

レン

····っ待って下さいっ!!

アスマ

·····何ですか?

レン

さっき!!

レン

電話で!!

レン

貴方が!!

レン

私をここに呼んだんですよ?!

アスマ

·····え?

アスマ

俺、電話なんてしてませんけど····?

レン

~~~っ!!!

レン

ちょっと!!!

レン

いい加減にしてくださいっ!!

アスマ

っ?!

レン

····アスマさんに何かあったのかと思って···

レン

走って来たのに····っ!!

アスマ

············

アスマ

す、すみません···

レン

はぁっ?!

レン

····ほ、本当に私の事を

レン

忘れてしまったのですか···?!

アスマ

············

アスマ

俺は貴方とは····

アスマ

会ったことがありません···

レン

っ!!!!!

レン

·······うぅ··

レン

····ぐす··

アスマ

っ!!?

アスマ

あ、あの···

レン

····こんな事なら

アスマ

え?

レン

別れた方がまだましですよ··

アスマ

?!

アスマ

ちょっと····

レン

さようならです····

アスマ

えっ!!

アスマ

ちょっ···!

タッタッタ

アスマ

·····っ!!

アスマ

一体なんなんだよ···

アスマ

あの子は···

アスマ

だ···、

アスマ

誰だっけ····

アスマ

····くっ

アスマ

····頭が割れそうだ

アスマ

くっそ····

AM 11時45分

《黒猫マート》

レン

···うぅっ

レン

···ぐすっ

レン

······ヒック

レン

何で·····、

レン

なんで····

佐助

····おや?

佐助

レンちゃん?

レン

っ!?

レン

さ、佐助さんっ

レン

···何で今の時間にいるんですか?

佐助

今はね、猫達にご飯を·····って

佐助

レンちゃん····

レン

えっ?!

佐助

泣いてたのかい?

レン

えっ····と···

レン

············

佐助

何かあったの?

レン

佐助さんは··

レン

私の事を···、覚えていてくれていますよね···?

佐助

?!

佐助

あ、当たり前じゃないか!

レン

······良かったです···

黒鉄

····レン

レン

!!

レン

くっ····、黒鉄さん~·····

レン

うゎ~ん···っ

黒鉄

アスマの様子がおかしいのだろう?

レン

っ!!

レン

····何故それを··?

黒鉄

大体いつも見張っているからな··

黒鉄

見ていれば分かる

レン

···私には何が起きているのか···

レン

全く分かりません····グス···

アスマ

通話終了

通話
12:00:07

レン

っっっ!!!

レン

も、もう嫌です····!

黒鉄

···わしが出よう

レン

えっ?!

ボフッ

レン

!!!!

レン

えーっ?!

レン

黒鉄さんが···

レン

イケメンに····!!?

ピッ

黒鉄

············

アスマ

レン····

黒鉄

レンはもうお前を見限ったぞ

アスマ

?!

アスマ

お、お前誰だよっ?!

黒鉄

···お前には関係ないだろう?

アスマ

ふ、ふざけんなよっ!!

アスマ

何でレンのスマホをお前が····っ!!

アスマ

···っく

アスマ

ハァハァ···

アスマ

レンに···

アスマ

謝らないと·····

黒鉄

····アスマ

アスマ

っ?!

アスマ

何で···

アスマ

俺の名前を··

黒鉄

お前、記憶を喰われている事に気づいていないのか?

アスマ

はぁっ?!

黒鉄

ふん···

黒鉄

まぁいい

黒鉄

残念だが、レンは俺がもらっておくよ

アスマ

なっ?!!!

アスマ

ふっざけん····

ピッ

黒鉄

これでよし!

レン

············

レン

えーーーーーー?!

レン

···て、記憶を喰われるって

レン

何ですか?!

黒鉄

····まあ、喰われると言っても

黒鉄

記憶が無くなる訳ではなくてな···

黒鉄

意識ごと記憶が侵食されている様なものだ

レン

·····それって

レン

人格を乗っ取られるって事ですか····?

黒鉄

最終的にはそうなるが···

黒鉄

まだその段階ではない

黒鉄

意識が飛び始めているところだろう

レン

····何とかしないとっ!

黒鉄

············

黒鉄

お前は···

黒鉄

あんなやつの事がそんなに大切か?

レン

っ?!

レン

勿論です!!

黒鉄

お前を見ても思い出しもしなかった奴だぞ?

レン

そ、それは····

レン

でもっ

レン

それでも私は·····

黒鉄

まったく····、物好きめ··

黒鉄

····ならば

黒鉄

覚を探せ

レン

さ、さとりっ?!

黒鉄

人の心を見透かし、それを糧とし侵食していく妖魔だ

黒鉄

必ずアスマの近くにいるはずだ···

レン

っ!!

レン

わ、分かりましたっ!

レン

黒鉄さんっ!佐助さんっ!

レン

有り難う御座いましたっ!

佐助

··うん、何かあったらまたおいでっ

バタバタバタッ

佐助

····黒鉄は、アスマ君の用心棒じゃないのか?

黒鉄

ふん····

黒鉄

サトリ程度、自分で何とか出来ねばこの先はない

黒鉄

奴は人に外傷を与えず、忍び足で近づいてくる

黒鉄

恐らく鈴もならん程度の妖気しか持ち合わせておらぬ

黒鉄

心が弱っていなければ

黒鉄

侵食されることなど無いのだ

佐助

アスマ君は····、色々悩みが多そうだからね···

黒鉄

だから、あの程度の妖魔にすら振り回されるのだ

佐助

·····あの二人にとっては大切な想い出も

佐助

侵食されることになるんだろうから····、おお事だよね

黒鉄

···········

佐助

600年前の、俺と黒鉄の記憶が大切なようにさ····、二人も同じなんだよ··

黒鉄

ふん··

黒鉄

·····全てはアスマにのし掛かる運命の重さが呼んだ事だ

黒鉄

なればこそ、尚更この試練を乗り越えねばならぬ

佐助

ま~、きっとあの二人なら大丈夫だろうけどね~っ

黒鉄

だと良いがな····

黒鉄

············

黒鉄

ところで佐助·····

佐助

ん?

黒鉄

わしの····

黒鉄

飯は?

佐助

········あ

佐助

忘れてた~··

黒鉄

·····ガーーーーーーーン

佐助

(···彼らの運命がもっと優しい方向へ向かうと良いなぁ··)
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