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あぁ…困った
非常に困ってしまってる
以前雫がやらかしたせいで 勉強会は中止となったのだが
その後再度改めてやることになって 今その勉強会をやってるのだが
大変気まづいです……
翔太
……
雫
………
翔太
………
雫
………
翔太
（どうしよう…めっちゃ気まづい）
翔太
（ここはなにか話すべきか？）
翔太
（いやでもそれだと勉強に集中してないと判断されかねないよな…）
雫
あんたまた集中切れてるでしょ？
翔太
……はい
雫
一旦休憩しましょうか
翔太
ありがとうございます…
雫
しょうもないことだけどひとつ聞いていい？
翔太
はい？
雫
さっきなにかんがえてたの？
翔太
それはですね……
翔太
その〜……えっとー
雫
もしかしてなにか話さなきゃとか考えてない？
翔太
……
翔太
その通りでございます
雫
別に無理に話そうとしなくてもいいのに
雫
てかそもそもあんた学力底辺なんだからそんな事を思ってないで集中しなさいよ
翔太
その通りだと思います
翔太
とは言ってもやはりなにか会話しないと気まづい感じが出ますし
雫
じゃあなんか話題提示してよ
翔太
最低な振りの1種ですよそれ
雫
てかなんで敬語になってんのよ
翔太
一応教えてもらう立場だからですかね？
雫
話しづらいでしょそれ
翔太
うん
雫
やめればいいのに
翔太
それは…
雫
だからバカなんて言われんのよ
翔太
あーそういうこと言っちゃうんだ〜
翔太
今俺の心が壊されてくのがわかりませんでしたか？
雫
全く分からないわね
雫
むしろ分かりたくもないわね
翔太
あんた人の面した鬼だね！
雫
辞書投げつけるわよ？
翔太
ごめんなさいそれは勘弁願います
翔太
人に辞書投げつけるのは危ないのでほんとにやめてください
雫
する訳ないでしょ
雫
そんなもん投げつけちゃいけないくらい分かりますから
翔太
それは良かった
翔太
学校もそのくらいのノリでいればいいのに
雫
それは……
翔太
なんかあんの？
雫
あんたには関係ないし…
翔太
まぁ関係ないっちゃ関係ねぇけど
翔太
俺からもなにか恩を返したいなと思ってさ
翔太
今みたいに勉強教えてもらってるのに俺はあんたに何もやってあげれねぇからさ
翔太
せめてなんかの相談くらいはしてやりてぇなと思って
雫
別にそんなのいい…
翔太
どうせろくな友達いないんだろ？
雫
失礼な事言うのね
翔太
でも実際そうだろ？
翔太
あんたは学校でできる女感を出してるせいで誰も近寄ってこないだろ
雫
………
翔太
着飾ってる分他の人からは高嶺の花みたいに扱われてるんだろ？
翔太
だから友達もあんまりいないんだろ？
雫
………
雫
あんたはなんで私にそこまで親身になってくれるの？
翔太
俺はあんたを落としたい
翔太
俺の女にしたい
翔太
最初からそう言ってたろ？
翔太
彼女になった時にそんなつまらねぇ顔とかされたら困っちゃうわけよ
翔太
だから今からあんたのそのお堅い表情とその考えなんかを変えたくてね
雫
……
雫
ほんと馬鹿なんだね
翔太
馬鹿でわるぅござんした
雫
私ね…
雫
お母さん達に常に完璧でいて欲しいって思われてるの
雫
2人とも完璧だからその間に生まれた子供も完璧にしたいみたいなの
雫
2人とも名門校を出てる人なの
雫
今通ってる学校は特別な学校ではないんだけど
雫
それには理由があって
雫
この高校なら沢山のことを学べるからここで沢山学んで
雫
社会に出た時の武器にしろって言われててね
雫
だから私色んな事に積極的に参加したりしてね
雫
自分の経験値を貯めてるんだ
雫
私のスペックにあってない量を無理やり合うようにして…
翔太
………
翔太
お前の方が馬鹿じゃねぇか
雫
そんなの分かってる
雫
でも反対する勇気も私には無い
翔太
なんでだよ？
雫
反対すればそれ相応の罰があるから
翔太
………
翔太
じゃあ分かった
翔太
俺が代わりにお前の不満を言ってやる
雫
やめてよ！
雫
そんな事しなくても良いって
雫
別にほんとに思い詰めてるわけじゃ…
翔太
俺の意見として
翔太
あんたの親は人として終わってると思う
雫
なっ！？
翔太
失礼だって言うのは分かってるけど
翔太
それでも言わせてもらう
翔太
あんたの親は人として終わってる
翔太
なんでお前は親の言う通りじゃないといけないんだ？
翔太
お前はその親の人形なのか？
翔太
それとも心を持たないロボットなのか？
翔太
言われたことを忠実にやるだけでほんとにいいのか？
翔太
前の授業ではこんな議題があった
翔太
自然権について
翔太
俺はこの授業をあんまり真面目に受けてなかったが
翔太
なんとなく中身は入ってきた
翔太
その中に基本的人権の尊重なんてものがあったはずだ
翔太
お前には何かを決める権利がある
翔太
やりたい事をやりたいと言える権利がある
雫
………
翔太
お前がやりたいと思うことに誰かがやめろなんて指図する権利はない
翔太
やりたいと言った者の意見を尊重するものじゃないのか？
翔太
でもお前の親は違う
翔太
やりたいと言ったことを否定し自分の作ったレールの上を走らせようとしてる
翔太
いいかよく聞け
翔太
お前の人生はお前のものだ
翔太
余程のことが無い限りお前の意見について否定なんてものはしていいものでは無い
翔太
きっとお前の親はお前に苦しい思いをして欲しくないから縛ってるんだ
翔太
だがその考えは違う
翔太
いずれ人は必ず困難にぶつかる時が来る
翔太
それは逃れることの出来ないものだ
翔太
しかし人という生き物はそんな困難を超えてこそ成長できるのだ
翔太
お前の親はその成長を止めているんだ
翔太
もしこのまま親の言いなりで生きたとしてその親は自分より先に亡くなってしまう
翔太
そうした時お前はやる事が分からなくなる
翔太
今まで親の言う通りで育ってきてるんだから
翔太
そうならないためにも自分のやりたい事をやりたいと言うんだ
翔太
それはお前の為でもある
翔太
これを話せばきっとお前の親は否定してくるはずだ
翔太
それでもお前の本当にやりたい事みんなに見せたいホントの自分がいるのなら
翔太
その反対を押し切る必要があると俺は思う
雫
…………
雫
何ちょっとカッコイイこと言ったみたいな顔してんのよ
翔太
俺にしてはなかなかのことだと思うんだけどな
雫
そうね……
雫
今度私のやりたいこと言ってみるわ
翔太
そうしてこい
雫
何偉そうに言ってんのよ
雫
低学歴がイキらないでくれる？
翔太
その低学歴に励まされてる高学歴さん恥ずかしくないんですか？
雫
なかなか私に生意気なこと言うようになったじゃない？
翔太
そういうあんたもなかなかいい顔してきてるじゃねぇか
翔太
ホントの自分を出せてるみたいでよ
雫
うるさいわねほんとに辞書投げつけるわよ？
翔太
ハイハイごめんなさ〜い
雫
反省の色が見えない！
翔太
痛った！？
翔太
投げつけないでぶん殴ってきた！？
雫
余計な口開く時間あるなら続き始めて！
雫
もう十分に休憩できたでしょ！
翔太
はいすいません
これを気に彼女は少しずつだが 本当の自分を出せていくのだった
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