次の日の朝。

今日は撮影日。

今日は多めの撮影だった。

2人・4人にわかれて同時撮影する予定だ。

けいこた・りょがみなさつきよ の2グループに分かれた。

俺と小太郎は「1週間私服交換する」という動画を撮る。

そして4人は「二人羽織をして対決してみた｣の動画を撮る。

撮影時間はいつもと同じ2時からだ。

4人はリビングで撮影し、

俺と小太郎が俺の部屋で撮影することになった。

俺と小太郎はソファに座り、オープニングを撮った。

そして、お互いに1週間分のコーデを用意した。

まずは俺から着替えた。

仲良く話しながら俺は小太郎の1日目の服に着替えた。

それから7日間分着替え、次は小太郎の番になった。

ズボンのネクタイの仕方が分からないらしい。

小太郎の背後から、ネクタイを結ぶために腕を回した。

なんか、あの時と似てるな。

俺が可笑しくなって、小太郎にバックハグした時のこと。

背後から腕を回す。なんて、あの時とまんまだ。

なんか、ハグしたくなってきたな。

でも、今は友達だ。

変なことできないよ。

ネクタイを結び終わり、腕を戻そうとした。

そのとき、

小太郎が俺の手首を掴み、自分の胸の方に寄せた。

これは完全に

俺がバックハグしている感じになっている。

あの時と一緒だ。

その体勢のまま小太郎はそう言い出した。

びっくりした。

普通にネクタイを結んで、そのまま戻そうとしたのに

まさかこんなことされるなんて。

こんなことされたら、ぎゅってしたくなる。

小太郎、、変なことするなよ。

また変になっちゃうじゃん。

俺は、小太郎にバックハグした。

さつきが俺の部屋に入ってきた。

俺は焦って小太郎から離れた。

きっと、俺の心にやましい気持ちがあったのだろう。

バックハグしたことがバレたことに焦った。

小太郎はあまり焦っていない。

小太郎の言葉を遮り、涼雅がそう言った。

いつもの涼雅より、少し怖かった。

怒ってる…？

やっぱり何かキレてる…

隣にいるさつきの顔を見た。

何故か泣きそうな顔をしている。

俺と小太郎のハグをみてからな気がする。

と言って、さつきは涼雅の手を引っ張りながら、部屋を出ていった。

この様子を見ると、涼雅とさつきは俺らに言っていないことがあるという事だ。

なんなんだ…？

涼雅が怒っている理由も、わからないままだ。