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悪魔のひまわり

悪魔のひまわり

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1

悪魔のひまわり

♥

1,226

2019年04月27日

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綾瀬 加奈

私は綾瀬 加奈

成人してから不治の病に侵され 入院している

小さい頃身内は祖母だけ

親は祖母が1つも

教えてくれなかった

そんな祖母も……

去年 寿命を迎え 亡くなった

1人寂しく 病室内にいる加奈は

夜中 ぼんやりと外を

眺めていた

すると

窓から一人の男が

現れた

大きな羽……悪魔のしっぽ……

綾瀬 加奈

綾瀬 加奈

し……死神がお迎えに…

綾瀬 加奈

私……アンタに命
取られちゃうの……?

『俺は死神じゃねーよ悪魔だ』

『しかもお前の命なんざ 興味ねぇさ……』

綾瀬 加奈

そ……そう

『……お前名前は?』

綾瀬 加奈

普通聞くんじゃなくて
自分から言うのが先じ
ゃないのかしら?

『悪魔が人間の行儀に 従うわけねーだろ』

綾瀬 加奈

綾瀬 加奈

……ふふっ そうね

綾瀬 加奈

私は綾瀬 加奈

『……ふーん』

綾瀬 加奈

自分から聞いといて
興味なさそうでねぇ……

綾瀬 加奈

で、アンタの名前は?
名前ないと呼びずらい
じゃない。

『また会う前提なんだな』

綾瀬 加奈

そうよ?

『……。』

『俺は名前なんてねぇよ』

綾瀬 加奈

……なんで?

『捨てられたんだよ親にな』

綾瀬 加奈

……私と似てるわ

『似てる……?』

綾瀬 加奈

私は祖母に育てられたのだけど本当の親には1度も会ったことないの

『いいじゃねぇか…俺より』

『俺なんざざっと 1万年間ずぅーっと』

『1人だったんだぜ?』

綾瀬 加奈

確かに 言われてみれば
私可哀想ね

『もう寂しいとか悲しいとか そんな感情ねぇけど』

綾瀬 加奈

私が悲しませて
やろうかしら?

『無理だろ……おめぇには』

綾瀬 加奈

ふふっ…あ、名前だけど
あなた悪魔よね?

『ん?……あぁ。』

綾瀬 加奈

ならさ!

綾瀬 加奈

"あーくん"なんて
どうかしら?

『あーくん……?』

『ネーミングセンスねぇな』

綾瀬 加奈

ないよりあるほうが
いいってことよ。

『……そうだな』

あーくん👿

んじゃ あーくんって
ことでよろしくな

綾瀬 加奈

明日は来るの?

あーくん👿

夜来るぜ

あーくん👿

昼間だと人に
見られるだろ

綾瀬 加奈

それもそうね……

綾瀬 加奈

それまで退屈だわ

あーくん👿

………。

あーくん👿

早く寝れば病気も
治るんじゃねーか?

綾瀬 加奈

あら、よく私が病気
だと分かったわね……

あーくん👿

入院してたら誰だって
気づくわ、アホ。

綾瀬 加奈

でも私の病気は
治らないのよね……

あーくん👿

不治の病っつーやつ?

綾瀬 加奈

そうよ

綾瀬 加奈

ふわぁ……

綾瀬 加奈

なんだか眠いわ
また明日ね

あーくん👿

…また明日

次の日

加奈は病院の先生に呼び出された

綾瀬 加奈

どうしましたか?

病院の先生

……大変言い難いの
ですが………………

綾瀬 加奈

病院の先生

綾瀬さんの
余命がわかりました

綾瀬 加奈

……そんなことですか

病院の先生

そんなことって……

綾瀬 加奈

先生だって
知っているでしょう?

綾瀬 加奈

私にはもう生きる意味が
ないし身内ももういない

病院の先生

……一応、余命1週間前辺りには手術を行う予定です

綾瀬 加奈

えぇ ありがとう
で……余命は?

病院の先生

……1ヶ月です

綾瀬 加奈

あら意外と短いわね

病院の先生

……すいません
何も出来なくて……

綾瀬 加奈

いいんですよ別に

綾瀬 加奈

綾瀬 加奈

では病室に戻りますね

病院の先生

……はい

夜中私がまた窓を

眺めているとあーくんが

やってきた

綾瀬 加奈

綾瀬 加奈

ホントにきた……

あーくん👿

なんだよ
来ちゃいけねぇか?

綾瀬 加奈

いえ?むしろ嬉しいわ

綾瀬 加奈

でも悪魔がちゃんと
約束を守るのが

綾瀬 加奈

不思議に思ってね……

あーくん👿

ふーん……

あーくん👿

あーくん👿

今日は面白いのを
持ってきてやったぜ

綾瀬 加奈

……面白いの?

あーくん👿

あぁ……これだ

綾瀬 加奈

あら、本、、、?

あーくん👿

そうだぜ

あーくん👿

ぽえむ?とかよく
わかんないけど

あーくん👿

死にたい人へとかの
詩集だ。

綾瀬 加奈

……。

綾瀬 加奈

これを私に読ませて
どうしろと?

あーくん👿

……あ、いや、それは…

綾瀬 加奈

私ね……余命1ヶ月
らしいのよね……

あーくん👿

……あっそ

そしてこんな日々が

何週間か経って……

余命1週間となった

この頃から

息が苦しくなったり

思うように体が

動かせなくなった

けどなぜか分からないけど

あーくんの前では微笑んだり

口を動かす動作ならできた

そして

残り1日の夜……

加奈は前日大きな手術を

受けた

手術費は知らない人が

出したらしい

手術が終わり

成功とは言えないが

結果は何も変わらなかった

最後の夜中

いつも通りあーくんが

窓から入ってきた

あーくん👿

あーくん👿

お前…もう時期死ぬな

すると、、、

何故だが 口が動かせた

綾瀬 加奈

綾瀬 加奈

あ……ら かな……し…い…?

声は震えるが

多分聞き取れるだろう……

あーくん👿

へっ……まぁな

あーくん👿

話し相手が
いなくなるぜ……

綾瀬 加奈

……わ…たしの……
かち…………な…の……ね

あーくん👿

勝ち……?
あー……いつしか

あーくん👿

俺を悲しませるとか
言った時か……

あーくん👿

あーくん👿

だけどざーんねん

あーくん👿

俺は勝負なんて
してねぇから

あーくん👿

俺の負けじゃねーよ?

綾瀬 加奈

ふ……ふふ…
あく……まめ……

あーくん👿

悪魔だからな……

「会話になってないわよ」

と 言おうとしたら

口が動かなくなった

あぁ……奇跡の時間は

ここまでか……

そしてあーくんは

察したのか喋らない

私を見て 口を開いた

あーくん👿

俺な?
お前がまだ生きられるよーに偉い人にたくさんおねがいしたんだよ

あーくん👿

だけど

あーくん👿

『寿命のある人間には手を出すな』って言われた

そして加奈はまた気づいた

今度は視界もダメになったことを…

だけど加奈は必死に

耳をあーくんに向ける……

あーくん👿

お前ともしまたどこかで会えるなら
俺は会いに行くよ……

その言葉を聞くと

耳も遠くなり…意識もだんだんと

薄れた……けど

私のあたまに何かがついた

……においならまだ

匂いを嗅ぐと

ひまわりのにおいだった……

「あー……今日もあちぃな」

俺は腕で汗を拭うと

目先に花屋があるのに気づいた

「……今 夏だよな…なら」

「ひまわりでも買うか……」

『いらっしゃいませ』

女の店員と目が合った

俺はその瞬間不意に声をかけた

「あ……あの!その…名前って……」

『……綾瀬 加奈です。 なんの花をお探しです?』

「あ…いや その……」

『もしかしてこのヘアピンですか?』

そう店員はいうと

あたまについている

ひまわりのピンを見せた

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コメント

24

ユーザー

寝桜眠夢様 わ……私が……センスの塊だと……

ユーザー

マメぽち様 ありがたきお言葉✨✨✨

ユーザー

サムネがオシャレ過ぎる… 色々な面で感動致しました… センスの塊ですか゚(゚´Д`゚)゚ これからも頑張って下さい

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