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オスマンはひとらんから目を逸らした
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オスマンの手は震えていた
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この国に舞い降りた、 神々しい者が言った
「50年に一度、新緑の眼をした者を 生贄にして、切り首にすると良い」
「さすれば厄災から 国民を守りたもう。」
国王はそれを信じ、50年に一度、 新緑の眼の者を切り首にするよう 代々と受け継いだ。
一度、優しき国王が生まれ、 それを拒んだという逸話もあるが
50年に一度がくると、 たちまち厄災が降り注ぎ、 国を滅ぼしたそうだ。
生き残った国民はまた国を作り上げ 新緑の眼の者を切り首にし続けた。
50年に一度開かれる祭り、 『ウァーター祭り』
祭りのクライマックスで 新緑の眼の者を切り首にする。
こうして国が発展することを 祈願すると言う。
ここまではむしろ良かったのだ。 ここまでは。
新緑の眼の者は教祖として国民から 愛され、崇拝される。
それもあってか新緑の眼の者は 国民のためと自ら命を捧げるのだ。
50年の時を過ごしたし、もう満足だ そう国民に言い残し、 新緑の眼の者は首をはねられる
オスマンの前の代の新緑の眼の者は 少々、短命であった
38年という若さでこの世を去った。
次に生まれたオスマンは、 齢12という若さで、首を刎ねられる。
オスマンは、12年しか 生きられないと言う事だ。
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オスマンの目に曇りはなかった
希望に満ち溢れた目だった
とても、3日後に死ぬことが 確定している人とは思えない、
良い笑顔をしていた。
やめてよ
そんな目、しないでよ
信じたくなってしまう
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スーツの女性
スーツの男性
突如として、スーツ姿の 男女二人組が現れた。
ひとらんは知っていた
コイツらは、教会の連中だ
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ああ、ダメだ
マンちゃんを連れて行ってしまう
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その場から去ろうとするオスマンの 手を、引き止めるように強く握った
スーツの女性
スーツの女性
中尉、という言葉でひとらんは オスマンの手を離してしまった
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オスマンは無邪気に手を振った
ひとらんは、最後の別れというのに 声が出なかった
またね、そう言ったオスマンの発言が 本当になるんじゃなかと、 思ってしまったから。
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ひとらんは街のベンチに座り込み、 深くため息を吐いた。
不思議と涙は出なかった
この国を出ようという俺の提案は、 マンちゃんは拒否するだろうと 分かっていたからだろうか
暗くなっていく空を、 ただただ、ぼーっと眺めた。
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見かけない顔だ
旅人だろうか
それにしても服が ボロボロすぎないか?
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その言葉にグルッペンが反応し、 トントンを肘で突いた。
トントンは申し訳なさそうな 顔をして目を逸らした。
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