上迫 渉
(今日は定時、定時〜!)
渉のその後ろ姿は 誰が見ても良いことがあったのだろうと分かるくらいだった
上迫 渉
(いやぁ久々にどっかで飲んで帰ろうかなー!!)
仕事が定時に終わった。 これが彼にとっての良い事 小さい事のようで とても大きな彼の喜びである
上迫 渉
(うわぁ、こまち定休日だったぁ!まぁ平日だもんね、でも、うぁぁ、えー、どうしよ他のお店…もう飲みたい気分になってるのにい!あれ…?)
上迫 渉
(あそこ、お店…かな?カフェ&バー、、へぇなんかおしゃれ、よし!ここで疲れた体を癒すとしましょう!!)
落胆、困惑、発見、切り替え 口に出していないのにも関わらず 渉は分かりやすい男だった
♪〜カランカラン
上迫 渉
すみまぁ、、っと
上迫 渉
(え、混んでる!めっちゃ混んでる!なんで?平日なのに?こまちなんて休んじゃうくらい平日なのに!)
上迫 渉
(てか、なに、みんな小洒落てない?服とかおしゃれじゃない?若い女の子とか結構いるし、そうか、あれか、インスタ映えってやつか…ハッ!!俺服大丈夫かな、上着!とりあえず襟のあるシャツをぉお!!)
渉は常に心の中がやかましい男だった
店主【和田 友和】
…さま、お客様
上迫 渉
えっ、あぁ、大丈夫です!満席ですよね、他あたるんで、また来ますね!
店主【和田 友和】
いえ、もしよければどうぞこちらに
上迫 渉
??
渉はお店の1番奥にある カウンター席へと案内された そこには予約席のプレートが2席分を おさえるように置いてある
店主【和田 友和】
どうぞお掛けください
店主はプレート取り上げると 渉に席に着くよう促した
上迫 渉
え、いいんですか?
予約席って…
予約席って…
店主【和田 友和】
大丈夫ですよ
もしもの時の為の予約席ですから
もしもの時の為の予約席ですから
そう言って店主は優しく微笑んだ
店主【和田 友和】
何か飲まれますか?
上迫 渉
あっ、はい、えと、、生ありますか?
店主【和田 友和】
はい、少々お待ちください
上迫 渉
お願いします
上迫 渉
(…かっこよ!!マスター髭ダンディズムだよ!髪もロマンスグレーだよ!俺もなりたい!こんなオシャおじに)
店主【和田 友和】
お待たせいたしました
上迫 渉
ありがとうございます
上迫 渉
(持ち手のないグラスでビール飲むの久しぶりすぎる…たまにはこうゆう小洒落たとこで飲むのも悪くな…)
上迫 渉
(…値段)
上迫 渉
(値段!見るの忘れたぁあ、なんか雰囲気に圧倒されて言われるまま、聞かれるままで答えちゃったけど値段!)
上迫 渉
(あー、どうしよ、めっちゃ高かったらどうしよ、いやぼったくるとか無いと思うけど、いつもの安っすい居酒屋とはベースが違うよな、やばいよ下手なもん頼めないよ、うわぁミスったかもしんない)
♪〜カランカラン
店主【和田 友和】
いらっしゃいませ
本間 恵実
……あのー
上迫 渉
えっ??