あけましておめでとうございます!! 一日に出せなくて申し訳ない...!
正直この連載が2024まで続くとは思ってませんでした!
まだまだ頑張って書いていきます! 今年もよろしくねぇぇ!!
2024/1/2投稿
第40話
「褒めてくれる人」
黄
治療している人
男性
黄
黄
治療している人
男性
赤
無事北側の治療所に着くことが出来た。 とりあえず一安心だ。
でもこの後どうするべきなんだろう。
赤
でも残ってなにができるんだろう。 手伝うのなら混雑している中央の方の治療所に行った方がいい気がする。
それとも初兎ちゃんたちを探すべき? ないくんが居るとしても1人を抱えてこの危険な村を走り回るのは無理がある。
でも、きっとこの男性がちゃんと治療所に着けたか、さっきの女性は心配しているはず。知らせることもしなければ。
黄
考えていることをそのまま聞かれる。
赤
赤
赤
...ほとけっち?
赤
黄
赤
赤
黄
赤
みんな知ってる。1番ほわほわしててゆったりに見えるほとけっち。 1番無理しているのを隠すのが上手いんだ。
もしかしたら体に鞭打ってヒールして、魔力切れでぶっ倒れてるかもしれない。
黄
赤
黄
赤
黄
赤
黄
「でも...」と言いかけると、拳をつくってこちらへ突き出してきた。
黄
黄
赤
赤
赤
ボロボロな村の中を全力でかけてきた。 多分ここが中央治療所。教会だ。 さっきの北側治療所と比べ物にならないくらい人が居る。
赤
向こうの方に見える水色の髪。
赤
赤
水
青
血まみれの人を2人で囲んでなにやら集中している様子。 こちらの声に気づいていない。
まろは...魔法を使ってる? すごく微量な魔力を感じる。
水
青
水
青
水
手元見たまま話してる.....
メスっぽいものを慎重に動かしていくほとけっち。 もしかしたら止血しているのかもしれない。
ほとけっちの動きがピタッと止まった後、メスを水桶の中に投げた。
水
青
まろが針のような細いものをほとけっちに渡す。 それを手に握ったほとけっちは、覚悟を決めたような顔で頷いた。
水
また下を向いて作業を始めてしまった。
赤
まろの肩をぐいっと引っ張って声をかける。 まるで意識がこの世界に戻ってきたかのように、こちらをばっと振り返った。
青
赤
青
ほとけっちから少し離れたところに連れていく。 多分、あそこで話したらほとけっちの邪魔になってしまう。
赤
青
赤
刃先だけずっと温める....たとえ黒魔だとしてもかなり難しいはず。 それをほとけっちが血管を焼き切れるまでずっとやっていたなんて信じられない。
表情から読み取るに、相当疲れているのはすぐに分かった。 まろは本当にずっとやっていたのだろう。
赤
青
赤
青
青
赤
赤
まろの手と自分の手を繋げる。 人と人が直接繋がって魔力移植をする方法はあまり使われない。 貰う側が危険だから。
でも、時間が無いらしい。 りうらが出来ることは、直接貰ってりうら経由でほとけっちに渡すことだ。
青
赤
赤
魔力は持っている人によって密度や流れる速さが変わる。 結局魔力は魔力なので、体外に放出して少ししたら普通の魔力に戻るのだ。
これが、ジョブが違う者同士で魔力移植する時の難点。 特に黒魔の体内の魔力は密度が高くて重々しいから黒魔以外の人に流すと魔力を受け止め切れる器がパンクする。
りうらの魔力の器がそんなに大きいわけではないが、体内で魔力を循環し続ければパンクすることは無い。
青
青
赤
子供という言葉に少しカチンとくる。 前から思ってたけどそんなにりうらを子供扱いしたいの? ずっとメンバーは「子供だ子供だ」って心配しなくていいことを心配してくる。
赤
青
赤
青
赤
なるべく鋭い目で、冷たい目で、射抜くような目でまろを真っ直ぐ見る。
人の心を変える方法は、毒使いと怪盗を掛け持ちしようと考え始めた頃に自然と学んだ。りうらの周りの賢い大人はみんなこうしてた。
まろが少しうっとなって渋々両手を握りなおしてきた。
青
赤
青
ドクンッ
重い魔力が手を伝って、腕を伝って、 体に巡っていく。 自分の魔力とは違う。 その魔力に心臓が高鳴っている。
止めないように、溢れないように、 そのまま体の端へ巡らせていく。
足先までいったらまた回れ右して次は頭の方へ、頭までいったら次は指先へ、 それの繰り返しだ。
赤
同じ量を同じ速さで揺らさずに、真っ直ぐ流れる川のように体の中に流れてくる。 こんなに調整するのはかなり難しい。
集中していると、流れてくる魔力がピタッと止まった。
赤
青
赤
一気に指先に魔力を流す。
ボワッッ
青
手の上に出てきた魔力の塊。 一見魔法のようだが、ただの魔力の塊で攻撃力は無い。
とりあえずまろの魔力を全部体外に出して、この魔力玉に集める。
青
赤
さっきのモンスター討伐では毒メインでガッツリな魔法はあまり使っていない。 それに加えて野宿が早く終わり2日間も休めたおかげで結構余っている。
ボワッッ
青
赤
さっきまで黒と紫が混じったような色だった魔力玉が、黄色になっていく。 これが変化する前の魔力ということになる。
水
腕で額の汗を拭いながらこちらへ駆け寄ってくる。 そういえばマントを外しているな。 少し子供っぽさが抜けている。
赤
水
赤
赤
水
立ってるじゃんと言わんばかりに ザ・仁王立ちをする。 知ってるよ。立ってるの絶対辛いの。
ほとけっちもまろも顔が疲れている。
赤
水
赤
水
水
赤
赤
水
なかなか受け取ってくれない。 屁理屈こねて逃げるつもりだろう。 なんでそんなに嫌なのか....
水
赤
赤
水
赤
水
ほとけっちが口に含んだ大きな魔力玉をふがふがいいながら手で抑えて出てこないようにしている。
息が苦しくなったのか、我慢できずに飲み込み、ぜぇぜぇ言いながら息を吸う。
赤
水
大きい魔力玉を飲み込んだせいで違和感があるのか、喉元を押えて唸っている。 ちゃんと息してるのでそこまで心配することはないだろう。
赤
水
赤
赤
アニキにされたように拳をずいっと突き出してみる。 なんだか主人公感があってかっこいい。
ほとけっちが照れながら、自分の拳を控え目に当ててきた。
水
水
赤
青
水
頼もしい笑顔だ。
さすが白魔術師。 走っていく背中がかっこよかった。
青
赤
教会の端でまろと会話中。 別々行動していたので、情報交換だ。
青
赤
青
青
赤
ここで合流して、北陸モンスター討伐連盟から集合がかかるのを待つ感じになるだろう。
なんで戦争みたいなことが起きているのか、この後の行動はどうなるか。 ちゃんと知らせてくれるはずだ。
青
赤
赤
青
青
赤
赤
外の騒がしい音もほとんど聞こえなくなって、教会内のざわざわもおさまってきた。
多分外での戦いが終わったのだろう。
青
2人で荷物を運んでいる中、まろが入り口を見つめながら名前を呼んでくる。
青
赤
つられて入り口を見てみると、それらしき3人組が。
額の汗を拭っているアニキと、げっそりした顔してるないくんと、そのないくんに背負われている初兎ちゃん。
赤
赤
青
赤
青
桃
黄
黄
アニキが初兎ちゃん達を探しに行って正しかったんだ。 その事が分かって少しほっとする。
それにしても背負われている初兎ちゃんが動かない。 まだ意識を失っているのかもしれない。
赤
桃
桃
近くの椅子に初兎ちゃんを降ろす。 顔色は相変わらず悪いが、息は正常で、特別苦しそうでは無い。 とりあえず一安心だ。
桃
青
黄
赤
黄
あれ。反応が微妙だった。
桃
桃
赤
黄
桃
青
赤
桃
赤
北側治療所から中央治療所まで走っている間に見た光景。
崩れた家と、微かに感じる血の匂いと、兵隊の叫び声と..... 人の肉片まであった。
人と魔族がいがみ合っている状態なら知っている。俺はそれで大切な人を失ったのだし。
でも、同じ種族でなんて__
赤
赤
連盟のリーダー
赤
村人に感謝されまくっているほとけっちとまろは来れないし、 アニキは力仕事で活躍してたし。
ないくんは初兎ちゃん担当になったから初兎ちゃんを見とかなきゃいけない。 ということでリーダー集合にりうらが来ることになってしまった。
赤
というか浮いてるんだなぁ....1人だけだよこんなに子供なの。周りのリーダー達は結構ベテランのようだ。
連盟のリーダー
連盟のリーダー
いや気にする事はないってなんだよ。 それ言うためにリーダー達集めたんじゃないの?
連盟のリーダー
連盟のリーダー
連盟のリーダー
「紛争」
確か...戦争も紛争の中に含まれる。 宗教の問題や民族同士の文化の違いなどによって起こる武力を使う戦い。
そういえば北側の情勢はあまり良くないと習った気がする。 ずいぶん昔から争っていて、対立の溝が深いらしい。
赤
このクエストともなにか関係がありそうな予感がする。
ガチャッ
赤
大人組の方にはとりあえず伝えてきた。 次は自室に帰って2人への説明だ。 そういや初兎ちゃん起きてるかな....
水
紫
赤
ベッドに腰掛けてひらひら手を振っている初兎ちゃん。 顔色の悪さもおさまって、元気そうだ。
赤
紫
赤
ニコニコしてるから体調はもう大丈夫そうだろう。 ほとけっちに背中をつつかれ、初兎ちゃんがりうらを真っ直ぐ見る。
紫
紫
赤
紫
紫
紫
下を向いて喋らなくなってしまった。
赤
赤
水
水
水
下を向いて動かない初兎ちゃんの頬をほとけっちがむにむにしてる。 ほとけっちは言葉選びが上手だな。
基本励まされる側だったりうらは不器用すぎて励まし方もよく分からない。
赤
赤
紫
あと2日もあったら初兎ちゃんも少しは元に戻っているだろう。 戻ってくれてないと帰る時の野宿がやばい。
りうらに出来ることは、あとの2日間を全力で頑張ることだ。
2日後。北陸モンスター討伐連盟はもうここで解散で、あとは各々帰るようにとのことだった。
つまり、ここからまた2週間の野宿だ。
紫
この人はすっかり回復してる。
黄
青
紫
紫
こういう性格憧れるな....ケロッと変わりすぎな気もするけど、ずっとくよくよされててもらしくない。 初兎ちゃんの良いところだ。
桃
赤
紫
水
紫
紫
水
黄
青
紫
桃
赤
後ろで4人について行きながらないくんと喋る。 いつの間にかしりとりが始まっていた。
赤
桃
赤
桃
桃
赤
赤
大晦日くらいにまろとほとけっちの関係を聞くと、「初兎にでも聞いたらわかる」と返されたのでだいぶ前に初兎ちゃんに問い詰めた。
混乱した様子で「もともと知り合いなんしかしらんけど....」と言われた。 嘘ついてる感じじゃなかったし、多分本当にそれしか知らないのだろう。
ないくんも知らないんじゃ本人しか分からない。
赤
桃
赤
桃
桃
赤
別に知らなくてもいいこと。 それに過去を知らないのはほとけっちだけじゃなくて、俺が知っているメンバーの過去はないくんのジュスティス時代とまろの黒魔になった経緯だけだ。
けど、なぜか知らないのが少し悔しいと思えてくるのだ。
赤
桃
赤
赤
桃
ないくんに驚いた顔をされる。 そんなに意外なことを言っただろうか。
赤
桃
....ん?
赤
桃
赤
みんな子供扱い好きだな....
桃
桃
赤
桃
赤
ほとけっち、話してくれるだろうか。 意外と隠し事多いから、隠したがるかもしれない。
けど、せっかくメンバーなんだから聞いてあげて寄り添いたい。 自分を褒めてくれる存在の大切さは よく知っている。
きっと次は、自分がその番だ。
紫
黄
青
みんなで木を中心に円になる。 もうこうやって寝るのにも慣れたな。 もう寝そうな人も居るが、思い切ってほとけっちに話を切り出してみる。
赤
水
赤
なんて言うのが正解なんだろう。 どうやったら過去の話に繋げられる?
赤
水
水
ちょうど隣だったほとけっちが俺の方を向いて笑う。たしかに急すぎたな。 でもここからしか話が広げられなさそうだから仕方ない。
赤
水
水
話題が終わってしまいそうな雰囲気なのに、ないくんが全然助け舟を出してくれない。 約束したのに。裏切られた??
この後どう切り出すか悩んでいると、ないくんがド直球な言葉をほとけっちにかける。
桃
もうちょっと聞き方ひねろうよ!! 16歳のりうらでも頑張ったよ!?!?
水
青
寝そうだったまろの目がめっちゃ開いた。 そんなに重い話なのだろうか。
黄
紫
他の人も話題に飛びついてくる。 あえてはっきり気になる話題を言うことで、周りの人も知りたい気分にさせる... すごいな、ないくんの会話術。
赤
水
水
水
赤
もっとたくさんあったはず。 1分で終わるだなんて、これまでの人生を否定しているようで悲しすぎる。
赤
水
赤
赤
水
赤
赤
赤
赤
桃
水
赤
そうだ。この辛さはただ閉じ込めておくだけじゃダメなのだ。 他の人の辛さも共感してあげられる。
「褒めてくれる人が居ない」という13の時に味わった虚無感。 この使い道は他の人に同じ思いをさせないことだ。
赤
赤
赤
水
赤
赤
回りくどい言い方をするのを諦めて、 ちょくせつ思いをぶつける。 不器用だからもういいや。こっちの方が早くて正確に伝わる。
ほとけっちが1度下を向いて、 顔を上げて月明かりが照らす空を見た。
水
水
赤
赤
続け
コメント
21件
あけましておめでとうございます!🎍🌅 白くんはやっぱり戦争関連で倒れちゃったのかなと思いました、、 赤くんが水くんに対して、自分なりに「人に褒められるのは すごく嬉しいこと」だと話していたり、寄り添ってあげたいと 思っていて成長したんだなと感じました! 水くんの過去編めちゃくちゃ楽しみにしていたので嬉しいです!✨ 続き待ってます!頑張って下さい!(๑•̀ㅂ•́)و✧
あけましておめでとうございます! 水くんの過去…めっちゃ気になります! 続きが楽しみです✨
おけましてあめでとうございます!!(( 水くんの過去まじ楽しみ✨️ 今回もまじ最高でした✨️ 続きもめっちゃ楽しみです!