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テラーノベル(Teller Novel)

勇者

あのさ?

ルビィ

はい?

勇者

今ほんとに魔王城に向かってるんだよね?

ルビィ

今は向かってませんよ?

勇者

え?

ルビィ

だってそんなおもちゃみたいな装備では魔王以前にそこらの雑魚にすら勝てませんからね?

勇者

いやでも街とかによれば……

ルビィ

街とか村とか寄ってると変なイベント発生するのでなるべくは避けてます

勇者

何そのメタ的な発言

勇者

まるで勇者が疫病神みたいな

ルビィ

いやだって訪れなければその村の人や街の人は平穏に過ごせるんですよ?

ルビィ

あれと一緒です

ルビィ

丸メガネしてて赤ネクタイに青い服?着てて

ルビィ

どこかに訪れれば必ず事件が起きると言われている

ルビィ

見た目は子供頭脳は大人のあの人と同等なんですよ勇者って

勇者

なんかそれ発言的に大丈夫なのか?

勇者

怒られそうな気がするんだけど…

ルビィ

誰に怒られるんですか?

勇者

あー……なんでもないです

ルビィ

(・・)??

勇者

それよりもなら僕は何処に向かってるんです?

ルビィ

装備を整えるためだよ?

勇者

街とか村とか以外に武具がある場所なんて…

ルビィ

古の装備を揃えるって言った方がいい?

勇者

そんな装備がこの世界にあるんですか?

ルビィ

恐らくある

勇者

確信はないのね

ルビィ

いやでも私にひとつ思い当たる場所があるのよ

勇者

その場所とは?

ルビィ

私の故郷【妖精の里】

勇者

へぇー

勇者

それならルビィだけが行けばよくない?

勇者

別に僕も同行する理由がないんだけど…

ルビィ

私もそれが可能ならそうしたいけどダメなのよ

ルビィ

里の奥には大妖精様か許可された妖精しか入れない特別な部屋があるの

ルビィ

大妖精様から許可されるには勇者様が同行してくれなければならないのよ

勇者

なんでそんなめんどくさいシステムなんだよ

ルビィ

ともかくその古の装備を手に入れるにはあんたはついてこないと行けないの

勇者

はぁ…分かりました

勇者

なら早く行きましょうよ

勇者

それでその妖精の里はどこにあるんだよ?

ルビィ

この森の中に泉があるはず

ルビィ

それが目印ね

勇者

なるほどねそれなら

勇者

2週間ぐらいで魔王討伐できそうな気がするけど

ルビィ

たぶん無理ね

ルビィ

古の装備は少なくとも4つある

勇者

剣に兜 鎧と盾の4つか?

ルビィ

私が知ってるのはその4つ

ルビィ

他にもあるかもしれないの

勇者

その根拠は?

ルビィ

ない

勇者

ないんだ

ルビィ

ただ妖精の感ってやつね

勇者

当たらんと思うけど

勇者

泉が見つからないんですけど〜

ルビィ

おかしいわね?

ルビィ

この辺だと思ったんだけど

勇者

入り口ってそんなコロコロ変わるの?

ルビィ

定期的に変わります

ルビィ

なんでも人に悟られないようにとか

勇者

人間と妖精は本来は会ってはいけないって事か?

ルビィ

たぶんそうです

勇者

ならなんで僕はいいんだ?

ルビィ

恐らく勇者だからですね

勇者

勇者ってすげー

ルビィ

でもたまにただの人間が迷い込むことがあるんですよ

勇者

あるんだ

ルビィ

そもそも妖精は一般人にはただの小さな光の玉にしか見えません

勇者

僕はしっかり姿見えてるけど?

ルビィ

妖精に選ばれた人または契約した人は姿がしっかりと見えるんです

ルビィ

それで迷い込む人達の特徴ですがまず心がとても清い方は妖精の姿を確認できるようです

勇者

心が清い人か…

勇者

そんなのいなくない?

ルビィ

大人は大体汚れてますが子供は清い者ばかりです

勇者

まぁ確かにな

勇者

子供は無邪気と言われるけど大人は無邪気なんて言われないもんな

ルビィ

なので迷い込む人のほとんどは子供たちです

勇者

無邪気な子供なんて歳もそんなにない子達ってことだよな?

ルビィ

そうですね

ルビィ

5歳から8歳までですかね〜

ルビィ

その子達はよく迷い込むようです

勇者

頻繁に迷い込むんだ

勇者

ならさ、子供達が行きそうなところに妖精の里の入り口があるって事じゃない?

ルビィ

…………

ルビィ

確かに!!!

勇者

一応泉周辺も探すけど見つからなかったら子供達が行きそうなところを探してみましょう

ルビィ

天才か君は

勇者

やっぱりそう思います?

ルビィ

ごめん今の忘れて

勇者

ひどい…

ルビィ

泉周辺はやっぱりなかったです

勇者

ならほかのところ探すか

ルビィ

でも1度休憩しましょう

勇者

そうだな

勇者

ここの森のボス(笑)は倒したからゆっくりできそうだしな

ルビィ

そうですね

ルビィ

それにまだ背中ちょっとヒリヒリしますから私

勇者

まだ痛いんだ

ルビィ

結構痛いです

勇者

薬草塗りたくってやろうか?

ルビィ

やめてください

ルビィ

傷口に塩みたいな感じになるので

勇者

いい案だと思ったんだけどな

ルビィ

鬼ですね勇者様って

勇者

いやいや善意のつもりよ?

ルビィ

どーでしょうかねぇ

勇者

んな事よりこの後どの辺りを探すんだ?

ルビィ

子供達が行きそうな場所ですと…

勇者

なくない?

ルビィ

そうですね…

勇者

よくよく考えたら子供達この森全体使ってるからどこ行くとかないよね?

ルビィ

しかも子供ですから勇者様ぐらいの身長では行けないところもありますね

勇者

そんなとこあるの?

ルビィ

まぁちょっとだけ知ってます

勇者

じゃあもう少し休んだらそこ行こう

勇者

それじゃ僕はちょっとここで寝るね

ルビィ

寝るんだ〜…

勇者

言うてもまだ6日目でしょ?

ルビィ

そうですけど…

ルビィ

早く助けた方がいいことには変わりないですからね?

勇者

まぁまぁ~

勇者

急ぐとミスにつながるからゆっくり行こうよ〜

ルビィ

ほんとに勇者なのか今更ながら心配なんですけど

勇者

じゃあちょっと寝るね〜

ルビィ

はぁ…

ルビィ

じゃあ私はまた入り口探しに行ってきますね……

勇者

行ってら〜

ね、ねぇ?

なによ?

ほんとにやるの?

やるに決まってるでしょ?

こんな所で寝やがって

あたしらが里に帰れないじゃない!

で、でも…

やると言ったらやるの!

勇者

(ん……誰か話してる?)

すごく幸せな顔してるんですよこの人?

幸せな睡眠を妨げるのは……

あんたがやらないならあたしがやるからいい

あんたはちょっと見ててね

う、うん……

攻撃カード【鼻フック】

勇者

(何その攻撃カード!?)

勇者

(待て待て……これ寝たフリしてたらやばいのでは?)

勇者

(鼻取れるんじゃないのか!?)

これを引っ掛けて

こうして……

よし!

見ててね〜?

も、もう知らないよ!?

大丈夫だって!

行くぞ〜?

せ〜……のっ!

グッ…

勇者

イダダダダダダ!!?

大成功だぜ!

あぁ!?

ごめんなさいごめんなさい!

何謝ってんだよ

あたしらの姿は他の人には見えないんだぞ?

ま、前見て?

何だよ?

勇者

お前か僕に鼻フックしてきた野郎は……

凄い圧感じるよ?

気、気のせいだろ?

勇者

気のせいじゃなぁ〜い!!

この人私らの事見えてるよ〜!!?

バカ!逃げるぞ!!

勇者

お前だけは逃がさん!

ひぎゃ!?

イタズラをした何者かを捕まえた勇者

勇者

1匹逃がしたがアイツはどうやら無罪そうだからな

タ、タンマタンマ!

あたしが悪かったって、な?

勇者

何が【な?】だ許すわけねぇだろ

勇者

お前さんも妖精なんだな?

そ、そうだよ!

なんであんたはあたしら妖精が見えんだよ!?

勇者

とある妖精と契約してるからだ

は?

ルビィ

勇者さま〜?

ルビィ

今こっちに後輩の妖精ちゃんが飛んできてて……

勇者

そいつは逃がした妖精だな?

ルビィ

あんた何してんの?

勇者

イタズラをした妖精を捕まえてるだけだ

契約してる妖精って…

ルビィさんだったんですね!

ルビィ

ちょっと事情聞きたいからその子話してあげて

勇者

……しゃーないな

助かった〜

サンキューなルビィ先輩

ルビィ

私にお礼より勇者様に謝罪よ

え!?

こいつが勇者なのかよ!?

勇者

悪かったなこいつで

ルビィ

はぁ……

ルビィ

1から話すわよ

ルビィ

……て事なの

なるほどな

それなら尚更しっかり謝らないと…

勇者

お前さんはしっかりしてるのな

ルビィ

その子は【フェニィ】優しい子よ

ルビィ

でもちょっと自信とかなくて周りに流されがちなのよね〜

フェニィ

うぅ……ごめんなさい

勇者

そんな謝んなくてもいいよ

勇者

君は優しい子だって分かったし

勇者

でも次からはこんなイタズラダメだからね?

フェニィ

はい…気をつけます

勇者

さて……あとは

あんだよ!

あたしも悪かったとは思ってるって!

勇者

反省の色が見えない

ふぐぅ…

ルビィ

その子は【キュティ】イタズラ好きなちょっと手のかかる子なのよ

勇者

ならしっかり教育してやれ

キュティ

そんなんしなくてもあたしは一人前の妖精だ!

勇者

僕の前でそんなドヤ顔して威張らないで

勇者

第一一人前の妖精がこんなことするわけないでしょ

キュティ

な、なにをぉ!?

勇者

あんたらのトップである大妖精さんはそんな事しないでしょ?

ルビィ

そうね

ルビィ

里のために日々頑張ってらっしゃるもの

キュティ

うっ…

勇者

一人前を名乗るのはまだまだ早いってことだ

ルビィ

そーよ!

ルビィ

私ほどでないと一人前の妖精とは言えないわ

勇者

あんたも人のこと言えないの

そう言ってルビィの鼻辺りにデコピンを 食らわせた

ルビィ

あうっ…!

勇者

あんたも僕のサイフ大事に抱えて

勇者

隙あらばアップルパイ買おうとしてるでしょ

ルビィ

そ、それは〜……

キュティ

ルビィ先輩マジすか……?

勇者

ほら引かれてる

ルビィ

ち、違うわよ!

ルビィ

私はそんなことしないよ!

フェニィ

じゃあなんで勇者様のお財布持つんですか?

ルビィ

それは〜……あ、あれよ!

ルビィ

戦闘の時邪魔になるかもしれないし

キュティ

そんなことないと思うけどなぁ

ルビィ

そ、それにお金の管理はこの人じゃ出来ないから……

勇者

僕は必要最低限のものしか買ってないけど?

勇者

無駄な経費はルビィがアップルパイとか買ってることぐらい

フェニィ

勇者様もそう仰ってますけど?

ルビィ

む、むぐぐ〜…

キュティ

ルビィ先輩……

キュティ

さすがにそれはダサいっす

ルビィ

やだ〜!見放さないで〜!

ルビィ

私にできた初めての後輩ちゃん達〜!!

勇者

君達2人もあんなふうにならないようにな

フェニィ

はいです

キュティ

あたしもくだらないイタズラは今日で辞めるよ

キュティ

ルビィ先輩みたいにはなりたくないですからね

勇者

いい判断だ

勇者

今後はこの2人を連れてきたいくらいだ

ルビィ

捨てないで〜!

勇者

まぁ冗談はこれくらいにして本題に入ろう

勇者

君達2人は里に帰るところだったんだろ?

フェニィ

そうです

キュティ

でも入り口があんたで塞がれてたからあんなイタズラしたんだよ

勇者

て事は今僕が座ってるここにその入り口があるんだな?

キュティ

そーいうことだ

勇者

なら里まで案内してくれよ

キュティ

お易い御用だぜ

フェニィ

勇者様なら大歓迎です!

勇者

なら僕はこの場所から退くから入り口開けてくれる?

フェニィ

はいです!

勇者

ありがとうな

勇者

僕に取り憑いた奴より有能だね

ルビィ

いーや!私のが有能だね!

ルビィ

魔物の事に関してはこの子らは無知に等しい!

キュティ

それは確かにそうだ

キュティ

あたしらは魔物の事はほとんど分からねぇんだよな

フェニィ

う……うん

勇者

勇者

フェニィちょっと返事籠らなかったか?

フェニィ

ふぅぇ!!?

フェニィ

そ、そんな事ないですよ……

勇者

正直に答えてくれ

勇者

魔物の事ほんとに分からないか?

フェニィ

…………

フェニィ

ちょっとは分かります

勇者

じゃあこの森の魔物のことは?

フェニィ

ある程度分かります

キュティ

この森ならあたしもちょっとは分かるぞ?

ルビィ

ゆ、勇者様?

ルビィ

まさか本格的にサポーターチェンジしようと?

勇者

いや、チェンジはしないけどこの子ら連れて行けるなら連れて行こうかと

ルビィ

な、何故ですか?

ルビィ

未熟な彼女らより私の方が…

勇者

未熟だからこそだよ

勇者

外の世界を知るにはいい機会だろ

フェニィ

ゆ、勇者様!!

キュティ

へぇ〜…いいこと言うじゃん

勇者

だろ?

ルビィ

あぁ……こうして私のサポーターとしての座が奪われていくのか………

キュティ

じゃああたしは扉を開く

キュティ

勇者様達はちょっと雑談でもしててよ

勇者

あぁ

勇者

フェニィの出来ることを聞いていこうと思う

ルビィ

あの〜私は?

勇者

優秀な妖精さんなら扉開くの手伝ってきたら?

ルビィ

デスよね〜……

新たな仲間(仮)が出来てより賑やかになる勇者一行であった

4ヶ月以内に魔王倒してください

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