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アナタを救えたならば 弍
鬼だ…追い出した方が良いんじゃないか…?
そうねぇ…天人を引き寄せる鬼だもの…きっとそうした方が良いわよ…
いつもの方々を呼んでこよう
あぁ矢張りこうなるか。 人里に下りると必ずしもあるこの冷ややかな雰囲気。刺される視線一つ一つはまるで凶器である。
だが今人里に居るのは危険だ。先程体内に流れるこのウイルスを烏を実験台に試してみた。 徐々に徐々に漆黒に染まる毛並みは色素が抜けていき、鳴くこともままならずに純白の羽を落とし倒れる。
意図的に出せるモノだから問題は無いのだろうが、もし暴走してしまっては元も子もない。
そしてもう一つ…
俺の頬に何かが掠る。
ソコからは真っ赤な血がジワリと滲み、滴り落ちた。
だがその血は瞬時に無くなり傷口は真っ白な肌に変わっていた。
それはどういうこ事か、それは俺の体内にあるナノマシンのエネルギーが生命力や治癒能力に完全変換され試したところ俺の体は所謂不老不死の状態になり果てていた。
この状況があの人と重なり、無の境地に達している。
最初に口にした握り飯も直に吐き出してしまい、どうやら食や睡眠は要らぬ体質になっていた。
傷が再生すると俺は逃げるように走り出し人里から離れた。ココからは奈落の本拠地を探さねばならない。
一息吐くと空を仰ぎ、錫杖をギュッと握りしめる。
感情が思うように出てこない、昔は覚えることが早かった負の感情すらも無と化していた。
楽しい、嬉しい、面白い 怖い、寂しい、悲しい
何も感じない、ただ思うとすれば面倒臭い すべてがどうでもよくなる。
ただ消えぬあの人、吉田松陽の光は闇の最奥でずっと輝き続けていた。
気が付くと川の近くへ来ており、水面を覗くと頬の下から鎖骨までの間に紫の梵字が書かれていた。
あぁ気味が悪い。この鈍い銀色も、血のような真っ赤な瞳も、闇の渦めく瞳孔も
俺は急いで顔にある梵字を消そうとナノマシンを操作する。この包帯を操ることに慣れている余りこういうことは簡単に出来た。
坂田銀時
すると梵字が完全に消え思い出した目的地に深い溜息を吐く。
場所も定かでは無い。過去の俺の記憶によると朧は数日間先生と旅をし、萩へ辿り着いた。まぁ辿り着いたのは松陽だけなのだが…
ならば萩付近の森奥にあるのだろうか、いや若し本拠地が見つかったとはいえ奈落加入など安易に出来るモノではないだろう。
どうしようと、またはぁと溜息を溢した。
それに応えるように白夜叉、そんな単語が降り掛かる。
驚きはしないもののバッと振り向き、錫杖を構えるもその錫杖はポロリと落ちた。
なぜ、なぜ、この二人がココに居る
なぜ、その名で俺を呼ぶ
坂田銀時
今井信女
朧
目の前の女と男は何をしているのだろう。
俺は頭を抱えた。
遡るは数分前、 顔に書き綴られた梵字を消そうと夢中になっていた俺は背後から近付いてくる二人の人物に気付かなかった。 俺はその二人に名前を呼ばれ、目が覚めたら…
坂田銀時
そうあの時この二人は俺の名を呼び、それと同時に俺を気絶させココ奈落の本拠地へ招き入れた。
起きると布団の中で寝かされており、何故が「はく」という名で呼ばれていた。
そして相変わらず今井信女はドーナツを頬張り、朧は無愛想な面で茶を啜っている。
坂田銀時
朧
朧は卓袱台に茶を置き、銀時を真っ直ぐに見詰める。
余りにも真剣そうな雰囲気に暑苦しくなるも念の為耳を傾ける。
朧
朧
朧
長々しい説明の後に続くその問いに一瞬言葉が詰まる。自分と同じ境遇の者達が居て少しの気楽さがあるもこの行動には未だ後ろめたさがあった。
だが話さねば進まないと思い、ふぅと一度声を整え前を見る。
坂田銀時
今井信女
坂田銀時
その言葉に違和感を覚えた二人は首を傾げた。
坂田銀時
その言葉に珍しく目を丸めた二人はとても貴重。感情が湧かないと言うのに何故か面白く思えてしまった。
坂田銀時
朧
坂田銀時
坂田銀時
先刻から話をしていて俺の名を銀時と呼ぶのではなく「はく」と呼んでいるのが妙に気に掛かった。
俺に白のはの字も無いというのに、何故そう呼んでいるのか不思議でたまらない。
今井信女
朧
坂田銀時
今井信女
坂田銀時
朧
今井信女
この日から俺は奈落加入となり、二人との生活が始まった。
坂田銀時
朧
ココに来て数日が経ち、俺はどんどん実績を上げていった。攘夷戦争での影響か殺しへの躊躇いは無い。
挙げ句にはこの容姿で年齢、信女と同等の実力に俺を信仰する者達まで出始める始末だ。
因みにこの口調や呼び方は俺からの提案である。若し俺を知る人間が現れたとしても口調や声帯を変えて誤魔化すことが出来るし、プライドすらも捨ててしまった無の俺にはちょうどよい過ごし方だった。
坂田銀時
朧
今日も満月の下で三匹の烏は飛んでいた。基本的任務が殆どだが空いた時間は萩付近に巡らされた部下達や烏の始末。
ついでに今の松下村塾の情報を探っていた。
矢張り今世でも吉田松陽は村の人間からの評判は鰻登り、相変わらずの拳骨の威力らしい…
そして、ソコには高杉と桂も居るとの情報も耳にする。安堵する自分も居れば不服そうな自分も居る。
だがコチラもコチラで兄弟子と妹弟子との生活はとても良いモノだった。
坂田銀時
朧
坂田銀時
今井信女
朧
坂田銀時
坂田銀時
今井信女
朧
坂田銀時
朧
銀時と信女の声が重なる。 そんな時銀時の中にある光が、またピカッと光った。
坂田銀時
姉様にこれを尋ねたのは姉様もみなを救うことを望んでいたからだ。佐々木が見せた最期の笑みは今でも脳に焼け付けられたままである。
今井信女
坂田銀時
今井信女
…わたしが、ワラウ…?
その疑問は俺の脳内を覆い尽くした。
浮き上がったのは、門の下、先生と笑っている自分であった。
そして上からもあっさり承諾を得て、俺達は二日間の作戦会議を行い月明かりが銀を照らす夜に本拠地を出た。
若し、先生達に記憶があろうとも俺達は記憶が無いふりをすると、そして絶対に悟られてはならないと、
坂田銀時
朧
今井信女
吉田松陽
案の定、三人には記憶があったらしい、勿論ふりは続いているが
松陽は顔を歪め、コチラを見ていた。
俺と信女は持ち前の演技力で幼い子供を演じ、朧の背中に隠れる。一応初対面という設定だ。
朧
吉田松陽
朧
桂小太郎
高杉晋助
流石兄様ですね、迫真の演技です
朧の演技に感心しながらも目の前の男を穴が空くほど見詰めた。 この人の為に、今俺達は行動している。
失い、とりこぼしてしまった筈の命が今目の前にある。 絶対に救ってみせる。
吉田松陽
朧
朧が自慢気に紹介をすると俺達は背から離れる。
今井信女
坂田銀時
朧
坂田銀時
吉田松陽
桂小太郎
高杉晋助
朧
吉田松陽
高杉晋助
ここから朧は松陽に奈落の動きを知らせ、逃亡する算段、というよりもこれからの策を考えていく。
策については二日間の中で候補に挙がってきたモノも取り入れるつもりだ。
坂田銀時
今井信女
今高杉や塾の子供達と一緒に花畑で遊んでいた。昨夜の血の海とは比べ余りにも穏やかな今に違和感を覚える。殺戮しかしてこなかった俺達にとってソレは鈍りも同然であった。
坂田銀時
今井信女
今井信女
信女は足をピタリと止める。その言葉に続くのは何かと銀時も止まり信女に振り向くと、彼女は笑う。
今井信女
坂田銀時
坂田銀時
会話は聞こえなかったモノのその光景を見ていた高杉と桂は目を見開いていた。
桂小太郎
高杉晋助
二人の知る今井信女はいつもどこか抜け落ちたような表情で話していた女だった。
なにをしようとも無表情、無表情。 なのに今の彼女は優しく微笑んでいる。
桂小太郎
二人が覚えた違和感は一致する。
それは坂田銀時という男であった。
今の彼は、いや彼の瞳は、闇で染まっていた。
アナタを救えたならば 弍 続