湊の教師時代

あぁ

俺はいつまで自分を偽って生きていくんだろう

昔は本気で教師になりたかった

だから勉強も死ぬほど頑張っていた

（中学生の湊）

そう

教師という職業は会社員などとは違い

様々な資格や勉強をしなければならない

だから俺は夢を叶えるために昔からコツコツと勉強をしてきた

ﾋﾟｯ（タイマーのスイッチを押す音）

そして俺は第一志望の高校に入学し

その高校では学年一位をキープし続けた

そこからも専門学校に通ったり

自分で勉強したりした

そして俺はやがて念願の教師になった

生徒「ざわざわざわ、、」

でも教師になってからわかったことがある

それは

教師なんて楽しくもなんともないことだ

昔は自分の学校の先生がキラキラして見えて

自分もなりたいって本気で思っていた

でも毎日が同じことの繰り返しで刺激なんかありゃしない

それは俺にとってとても退屈なことだった

千郷はそんなことを思っていた俺のかつての生徒だった

千郷は明るくて面白くて

入学早々もうあいつの周りには人が集まっていた

学生時代

好かれなかった俺とは違って

だがある日

俺のそんな生活は幕を閉じた

ｸﾞｻｯ

そこからの記憶はあまりない

別にこの組織がやっている犯罪を悪いことだとは思わなくて

俺の退屈だった生活に急に刺激が入ってきて嬉しかった

そして俺はどんどんこの組織に染まっていった

いや、俺は、、

本当の自分を取り戻す事ができた

正直千郷には会いたくなかった

だって

だって

過去の偽った自分を思い出すから

俺は元生徒である千郷のこの笑顔に

不覚にもキュンとしてしまった