ほとけside
りうら
悠佑
僕らが訪れたのは遊園地
かなり有名で人気なところだけあって 混み合っている
エントランスでここまで混んでいると 中はかなり人が多そうだ
6人で過ごすことが日常と化してきたが 遊びに行くのはこれが初めてだ
りうちゃんや初兎ちゃんと 遊びに行くことはよくある
しかし先輩達がどんな感じかが わからないので少し緊張する
ないこ
いふ
全員
りうら
初兎
ないこ
いふ
たくさんのアトラクションが 所狭しと並んでいる
幼い頃に家族と訪れたのとは また違う感覚だ
昔は乗り物に乗ることを 主軸に置いていたが 今は特別な時間を過ごすことに 主軸を置いている
成長とともに物事の見え方も 変わると言うものだ
悠佑
初兎
先輩が言っているのはこの遊園地の 名物であるジェットコースターの ことだろう
スリル満点でレベルが高いらしい
僕もせっかくなら乗りたいと思っていた
ないこ
ほとけ
いふ
ガッガッガッガッ🎢
ジェットコースターは どんどん坂を登っていく
これを登り終えれば急降下が 待っていると思うと緊張してきた
りうら
悠佑
りうら
初兎
初兎
ないこ
ないこ
りうちゃんと初兎ちゃんは先輩たちと すっかり打ち解けている
お互いをあだ名や呼び捨てで 呼び合っている
僕も憧れるがなんだか気恥ずかしい
だから未だに敬語で先輩呼びだ
ほとけ
いふ
いふ
地上にいると大きく感じた アトラクションも 上から見ると小さく見える
夢の空間は案外小さいものだ
りうら
ないこ
全員
りうら
初兎
顔を真っ青にしている二人
先輩たちもげっそりとした顔をしている
スリル満点で楽しかったが それと同時に怖かった
このまま空へ飛んでいくのではないかと 錯覚するほどだった
それがジェットコースターの 醍醐味だとは思うが慣れないものだ
ないこ
ないこ
初兎
いふ
ないこ
りうら
ないこ
りうら
ないこ
ないこ
りうら
悠佑
初兎
三人がワゴンや自販機の方へと 向かっていく
僕ら三人は席を取っておくために 待っている
初兎
ほとけ
いふ
初兎
初兎
いふ先輩と二人きりになってしまった
別に嫌なわけではないが変な感じだ
いふ
ほとけ
ほとけ
いふ
ほとけ
いふ先輩がさっきから口数が少ないため 心配していたのだ
もうマシになったそうで安心だ
いふ
ほとけ
ほとけ
いふ
ほとけ
いふ
いふ
先輩は来年3年生になる
大学受験に向けて勉強しなくては ならないので友達と遊ぶことも 難しくなるだろう
今のうちしか青春を謳歌できない
先輩と話す機会も減ってしまうかも しれないと思うと悲しい
ほとけ
いふ
いふ
ほとけ
ほとけ
いふ
ほとけ
いふ
ほとけ
脳裏に鮮明に思い出されるあの日のこと
いきなり先輩に告白されて 驚いたことをよく覚えている
そのことに対して嫌悪感などを 感じたことは一度もない
ほとけ
いふ
ほとけ
ほとけ
ほとけ
いふ
誰かを好きになることに理屈は 必要ないとよく言うものだ
相手を好きになった理由は 内面的なものだと思う
相手がその性別だから 好きになったのではない
その人自身を好きになるのだ
いふ
ほとけ
いふ
ほとけ
いふ
ほとけ
いふ
いふ
ほとけ
いふ
僕の言葉に顔を真っ赤にするいふ先輩
あれ、ちょっと待って?
僕結構やばいこと言っちゃったんじゃ…
ほとけ
いふ
口元に手を当て、 伏し目がちな先輩の姿は 僕の心を揺さぶる
この不思議な感覚は、 先輩に荷物を運ぶのを手伝ってもらった時の 帰り道で感じたものと同じだ
他の友達とは違う感情
明らかに先輩だけに感じるこの想い
先輩が自分のことが好きだと わかっているからだろうか?
どうして先輩だけにそう思うのかが わからない
ないこ
初兎
いふ
二人の間に気まずい空気が 流れていた時にちょうど 四人が戻ってきた
りうら
ほとけ
りうちゃんから炭酸飲料を受け取る
蓋を開けるとシュワシュワと音を立てる
ほとけ
心のモヤモヤごと 炭酸を喉に流し込んだ─────
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