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テラーノベル(Teller Novel)

(はぁ……)

(突然だが僕の悩みを聞いて欲しい)

(まず、変なことを言うようだが僕には他の人にはない力がある。)

(それは俗に言う赤い糸が見えるということだ)

(それ即ち運命の人と言うことになる)

(しかし、実は運命の人とは時を重ねると変わったりする)

(その一例としてとあるカップルを見た時)

(互いに赤い糸は結ばれておらず別の人物に繋がっていたのだが)

(少ししてたまたまその2人を見かけたら)

(不思議なことに赤い糸はお互いの小指に結びついていたのだ)

(つまり両思いにとなって、将来結ばれる事がほぼ確定してるということ)

(この能力自体は誰かに広言はしていないが)

(友人の恋愛相談的なのに乗ったらこの始末だ)

(何故か男女問わず恋愛相談に乗る羽目になった)

(別に他人の恋愛がどうなるとか僕の知ったことではない)

(もっと言えばそもそも恋愛が何か分からない)

(そんな僕にこの能力が授かったとなると)

(神とやらの嫌がらせなのでは無いとつくづく思う)

(ここまで話してきて察してくれただろうが)

(僕の悩みというのはこの能力のせいで恋愛相談に乗らないといけないということ)

(全く困ったものだ)

先生

先生

というわけでだ、みんなが気になる転校生の紹介をしようと思う

先生

では、教室に入ってきてくれ

(そう言えば転校生がうんたらとか話してたな)

(最近の僕の苦悩に思いふけって何も聞いてなかった)

結衣

先日こっちに越してきましたー

結衣

《柴崎 結衣》です。よろしくおなしゃーす

先生

てことだ。はいみんな拍手

パチパチパチ

先生

そんじゃあ空いてる席に座ってもらおうかな

先生

ちょうど良さげなのは……

先生

先生

《伊都町》の隣だな

(僕の隣か……)

(転校生が隣に来るなんて漫画やアニメだけの世界だと思ってた)

(しかも転校生は女性で容姿端麗って感じだ)

結衣

よろしく伊都町くん

呼びずらいだろうから茜でいいよ

結衣

そう?じゃあよろしく茜君

あぁ、よろしく

(まぁ今後話す機会はないだろうけども)

〜放課後〜

あー疲れた…

なんで放課後まで僕は相談に乗る羽目に…

結衣

結衣

あっ!よーやく見っけた茜君

んぁ?

僕に何か用でも?

結衣

ちょっと聞きたいことがあってさ〜

結衣

まぁ廊下で話すのもなんだから教室とか入ろっか

今から僕帰ろうとしてたんだけど

結衣

じゃあ帰りになんか奢るから、ね?

もので釣られるほど僕は子供じゃないんだけど…

結衣

少しだけ話をするだけだから、ね?

……はぁ

分かったよ

結衣

話のわかる男で助かるぅ♪

んで、話って?

結衣

単刀直入に聞くんだけど、君って恋愛相談に乗ってたりするよね?

まぁ、何故かね?

結衣

それでその事なんだけど

(まさか初日から相談とかいうなよ?)

結衣

君ってもしかして赤い糸見える人?

!?

結衣

その様子だと見えるっぽいね

な、なんでそれを?

結衣

実は私も《見える人》になるんだよねぇ

で、それを報告するために場所を移したと?

結衣

そーだよ?

結衣

だってこんな会話聞かれたら私ら変な人って思われるんだよ?

結衣

実際茜君も、それを危惧して誰にも公言してないんでしょ?

そりゃー…まぁ………うん。

結衣

で、実は見える人だって言う報告だけじゃなくて

結衣

ちょっとした確認もしたいんだけど

結衣

自分の手を見て赤い糸って見える?

あー……

結衣

見えないよね!?

(言われて見れば確かに)

(気にしたことは無かったけど自分の糸は見ないな)

見えないわ

結衣

じゃあ私の糸は見える?

……見えるけど

結衣

なんで渋るの?

言うけどその前に君も僕の糸が見えてるんだよね?

結衣

まぁ、見えてるわよ?

先にそっちから話してくれる?

結衣

いやー……それはちょっと…

(この反応的に恐らく……)

てことは多分お互い見えてるものは同じ説があるね

結衣

それほんとに言ってるの?

じゃあ先に言ってよ

結衣

それははばかられるかなぁ…

なら言いたくないけど僕から言うよ?

結衣

どうぞ?

君の糸は僕に繋がってた

明らかにこちらの方に糸が伸びてるのは見えたから間違いないと思う

結衣

はぁ…やっぱり?

結衣

私も同じで茜君の糸が私に続いてるのが見えたのよ

とは言っても、最近僕が気づいたことがあってね

結衣

実は時の流れで運命の人は変わるっぽいんだ

結衣

て事は、今のところ繋がってるけど

結衣

いずれ別の人と結ばれる可能性があるってこと?

そうなるね

まぁ誰が運命の人だろうと僕には関係ないけどね

結衣

どうして?

だって僕恋愛一切知らないもん

結衣

なのに恋愛相談なんて受けてたの!?

糸が見えるからそれを頼りに…

結衣

逆に気になる相談内容が

糸で結ばれてない相手を好きになっても別にいいかなって思って

大体玉砕くらいでいいぞ、みたいな話が多いですね

失恋も人生の糧になるから、て言うのが僕の決めゼリフみたいなもんです

結衣

適当こいてるのね

まぁでも実際そんなもんじゃないですか?

結衣

確かにそんなもんかもしれんな

結衣

私も前の学校で似た経験してるし

別に無責任ではないから

あくまで僕は相談を受けた側なんで

その相談内容を受け止めて行動するのはその人次第だから

そこに僕は深く関与はしてないですし

結衣

そのせいで恋愛が分かんないんじゃない?

そもそも興味が無いんですよ

結衣

あー…じゃあ仕方ないか

なので今回のこのお互いの糸が繋がってるて事も深くは考えなくていいですよ

柴崎さんも別に初めて会う人間が運命の人とか受け止められないでしょうし

何より僕なんかよりも他の人の方が恋愛して楽しいでしょ?

結衣

自分に自信が無いのはナンセスねぇ

結衣

運命の人が変わるって話も聞いたし

結衣

その間茜君のその性格と恋愛が何たるかを教えようかなぁ

余計なお世話って感じだな

結衣

そんなこと言わずに〜

結衣

帰りにソイゼ奢るからさぁ

奢る約束はあったから当たり前だね

結衣

意外に姑息な人なの!?

茜君は恋愛が分からない

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