朝起きて最初に思い返すのは
かつての仲間の最期の言葉
シヴァ・ペンデンネ
『私の妹達を、助けて』
シヴァ・ペンデンネ
……あんな奴ら生かす必要ないと、俺は今でも思うけどな
ビコナ・レンダーチェ
……
父の最期の言葉は 善人の声だった
ビコナ・レンダーチェ
『何故私が、何故彼女に』
ビコナ・レンダーチェ
私もそう思うよ
お父さん
お父さん
だから殺さなきゃ
私から家族を奪った あの長髪の男を
チェルシー
イリニ国の王女の死に際の言葉は面白いものではありませんでした
チェルシー
『お父様は私を褒めて下さらなかった』
チェルシー
『だけどそれでいいの
来世で褒めてもらうから』
来世で褒めてもらうから』
チェルシー
『ねぇ皆』
チェルシー
『皆は私に関する事で
暴走なんてしないでね』
暴走なんてしないでね』
チェルシー
……ま、その約束も
守られることは無かったんだけどね
守られることは無かったんだけどね
チェルシー
……ノーシェル
いつからそこに?
いつからそこに?
ノーシェル・ノーカール
……数刻前から
ノーシェル・ノーカール
……何故
何故あなたがここに居るんです
何故あなたがここに居るんです
ノーシェル・ノーカール
だって、もう!!!
チェルシー
……
ノーシェル・ノーカール
……チェルシーは…
『死んでいるじゃありませんですか』
チェルシー
……そうね
チェルシー
私は死んでるわ
でも幽体になる事は出来る
でも幽体になる事は出来る
チェルシー
また会いたかったら
ルルアを尋ねる事ね、彼女の能力なら来れるかも
ルルアを尋ねる事ね、彼女の能力なら来れるかも
ノーシェル・ノーカール
ぁ……ッ!!
待ってッ!!まだ話したい事が……ッ!!
待ってッ!!まだ話したい事が……ッ!!
チェルシー
……うそうそ、まだここにいるわ
聞かせてちょうだい?
聞かせてちょうだい?
ノーシェル・ノーカール
……!はいっ!
ノーシェル・ノーカール
えっとですね
まず最近博士号取ってですね!今テオナと一緒にお菓子作りに奮闘してて……
まず最近博士号取ってですね!今テオナと一緒にお菓子作りに奮闘してて……
チェルシー
そうなの、楽しそうね
チェルシー
(……とある所に
イリニ国という王国がありました)
イリニ国という王国がありました)
チェルシー
(その王女は虐げられ、罵られ、国から追放されました)
チェルシー
(その王女は冒険者として力をつけ、活躍して行きます)
チェルシー
(ですがそれを国王は気に食わなかった、だから)
チェルシー
(腹に剣を刺して殺したのです)
チェルシー
(そんな惨劇を辿った王女
名は______)
名は______)
チェルシー
……
チェルシー
チェルシー
(私はチェルシー
イリニ国の王女様)
イリニ国の王女様)
チェルシー
(きっと私の家族は
今も近くに……)
今も近くに……)