ナホ
ほら、ここ何回も言ってるじゃん!
ナホ
いい加減覚えてよ
千冬
う、うん
ある日突然
お姉ちゃんが変わった
ナホ
ほら、そこさっきも間違えたじゃん
千冬
ごめん、
ナホ
これくらい出来てよね
千冬
はい、
姉ちゃんが変わったのは
お父さんとお母さんが亡くなった時から
だった
千冬
出来た!
ナホ
やっと?
千冬
え、
ナホ
え、じゃないでしょ
ナホ
これくらいできて当たり前なんだから
千冬
そ、そうだよね、
ナホ
はぁ、
千冬
(なんでお姉ちゃん変わっちゃったの、)
突然起きたことだったから
何も分からなかった
"分かりたくなかった"
ナホ
ちょっとお姉ちゃん出かけてくるから
ナホ
それまでにこのドリル終わらせといてね
千冬
分かった、
俺の目の前にあったのは
終わるはずのないドリルと
お父さんとお母さんの写真
千冬
何で、変わっちゃったの、?
千冬
この前までニコニコしてたじゃん、
俺は
別人かのように変わっしまった
姉を受け入れることが出来なかった
千冬
何でよ、泣
千冬
今までのお姉ちゃん返してよ、
千冬
なんでもするからさ、泣
勉強がしたくないわけじゃない
とにかくいつものお姉ちゃんが
帰って来れば何でも良かった
千冬
俺何か悪いことしたの、?
千冬
謝るよ、
頭の中は
"お姉ちゃん"
ばっかりだった
千冬
勉強するか、
千冬
勉強したら
千冬
"いつもの"お姉ちゃんが帰ってくるかもしれないしね、
神様一生のお願いです
"俺の"大好きだったお姉ちゃんを返してください