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抗体人間シリーズ−未来編−

抗体人間シリーズ−未来編−

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69

6分間の幻

♥

22

2020年02月24日

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???

...っ‼︎

...い...ょ...っ‼︎

....

たい...ょうっ‼︎

(うるさい...何が起きているんだろう...)

大将っ‼︎大将っ‼︎

何ですか...さっきから騒がしい...

大将っ‼︎お身体の具合は大丈夫ですかっ⁉︎

えっ...?別に、何ともないですが...

ここは救急車内です‼︎今、病院へ向かっているのでもう少しお待ち下さい‼︎

あの...どうして私は救急車に...?

街で謎のガスが撒かれたと通報があり、ニュースを見ていた槐が大将を発見したと私に報告してきたので...

あれ...?そういえば翠さん、確かあなたはインフルエンザじゃ...

そんなインフルエンザなんかよりも大将のお体の方が心配ですっ‼︎

救急隊員

なっ⁉︎あなた、インフルエンザなんですか⁉︎

大丈夫だ‼︎問題ない‼︎

救急隊員

あなたは大丈夫でも、こちらの方は大丈夫ではないんです‼︎

グイッ

あ?私の言うことが聞けないってか?

救急隊員

そ、そんな脅してもダメです‼︎もし病状が悪化したらどうするんですか‼︎

あ...いや、その...

救急隊員

...とにかくもう着くので、着いたら病室には立ち入らないで下さい。

そ、そんなっ‼︎

私は自分より翠さんの身体の方が心配です。なのでしっかり治してから、また来て下さい。

は、はい...分かりました...

(救急車を呼んでくれたのはありがたいですけど、もしものために...ね。)

個室病棟

....

(とはいえ、翠さんが帰ってしまうと流石に暇ですね...)

琥珀さんとルナさんは明々後日まで海外ですし、小鹿さんと蘭丸さんは仕事ですし...

...そうだ、花澄さんは⁉︎

花澄なら問題ないっすよ。

蘭丸さん...どうしてここに?

蘭丸

俺の働いている場所が偶然にも事件現場付近で、花澄と柊さんが巻き込まれたと報道されていたので病院に急行したんすよ。

実名報道ですか...

ではその事件の被害者は全員この病院に送られているんですか?

蘭丸

恐らくそうっす。

蘭丸

いやぁ、でもよかったっすよ。

何がですか?

蘭丸

蘭丸

実は花澄の心臓が6分程止まっていたんすよ。

6分...⁉︎

蘭丸

今は意識を取り戻して小鹿さんが病室にいるっす。

そうですか...

あ、すいません蘭丸さん。テレビのリモコンを取ってくれませんか?

蘭丸

あ、いいっすよ。俺がつけるんで。

ピッ

アナウンサー

《...ということで、この事件は何らかのテロ行為ではないかという意見が多く挙げられています。》

専門家

《しかし“変な偶然”があるもんですね。》

アナウンサー

《“変な偶然”...ですか?》

専門家

《今回の事件は圉鵺市で発生し、先程被害者らが目を覚ましたとの報告があったのに対し...》

専門家

《遺体仮安置施設で生命維持装置を着けていた数名が同時に目を覚ますといった報告が挙がっています。》

専門家

《つまり被害者と施設の人々は何らかの繋がりがあるのではないかと...》

繋がり...?

姉さんが寂しさに慣れているのなら、私はそんなもの消してやります‼︎

(あれ...?何これ...?)

姉さんが寂しくないように、戻るその瞬間までずっと抱きしめています‼︎

???

???

“約束”、絶対に守って下さいね。

(あれは...私...?)

蘭丸

ら...さ...‼︎

蘭丸

柊さんっ‼︎

は、はい‼︎何ですか?

蘭丸

どうしたんすか?さっきから呼びかけても返事をせずに...

い、いえ...何でもないです。

蘭丸

本当っすか?

ほ、本当ですよ。

蘭丸

それなら...

蘭丸

蘭丸

どうして泣いているんすか?

えっ?

い、いえ別に‼︎な、何ででしょう...?

ゴシゴシ

あ、あれ?おかしいですね...涙が止まらないです...

蘭丸

....

私は何故か涙が止まらなかった。

何も悲しくも辛くもない筈なのに...

もしかして、私そっくりな人が関係しているのだろうか?

そんなことを考えながら、私は溢れ出す涙をひたすらに拭った。

抗体人間シリーズ−未来編−

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