屋上
美玖
ねぇ!煉君
煉
んぁ?
美玖
あの、さっきは……ありがとう
煉
………。別に感謝されることはしてねぇよ
煉
たまたま教室戻ったらお前が打たれててなんか、事件かなって思って教室見たら猿が居たから俺の責任だなってなっただけ
煉
それに俺はあの店の手伝いしてねぇからせめてこれぐらいやらせてもらわねぇとお前らも不愉快だろ?
美玖
そんな事ないよ!
美玖
少なくともわたしはそんなこと思ってない!
美玖
だって煉君みんながいなくなった教室で一人後片付けしてたの知ってるよ?
煉
……。それは、俺がタバコ吸うのに邪魔だっただけでな……
美玖
じゃあそーいう事にしとく
煉
で?ここ来たのってそんなの言うためだけなの?
美玖
それだけじゃないよ!ちょっとこの後2人で別のとこ行って話したいなぁて思って
煉
…………。お前がやろうとしてるのこれだろ?
そう言って煉はポケットから1枚の紙切れを出した
美玖
!?そ、それって
煉
こーやさいだっけ?こんなくだらねぇ事したいが為に俺のとこ来たんだろ?
美玖
うぐつ……でも、なんでそんな興味無いものを煉君持ってるの?
煉
さっきお前がここ来た時に落としてったんだよ。
美玖
え!?うそ!!
慌てて自分のポケットを探る。しかしポケットには自分の後夜祭に誘うチケットは持っていた。それも2つとも…
煉
嘘だよばーか。これは俺の
美玖
じゃあ、なんでもそんなの持ってるの!?
煉
それは、お前にこうするとこを見て欲しかったんだよねぇ…
すると美玖の前で後夜祭のチケットをビリビリに破り捨てた。
美玖
な、なんでそんなこと……
煉
ほら、そのチケットもよこせよ…
煉は強引に美玖のチケットも奪いまた、破り捨てた…
美玖
………。
煉
あーあ。泣きそうな顔しちゃって…
美玖
だって私……煉君と一緒に……
煉
………。
煉
あのなぁ……
美玖
なに?まだ私の心を痛めつけるの?
煉
ちげーよ。
煉
そんな、チケット要らねぇだろ?
美玖
え?
煉
俺が言いたかったのは、こんなもの無くてもお前から誘ってこればいつでも行ってやるし、誘はないなら俺から誘ってやる。
煉
それぐらいの仲だって事を言いたかったんだよ
美玖
う………そ?
煉
なんでここで嘘つくんだよ。
煉
俺は嘘つきが嫌いだからな。嘘で固められた奴となんかダチにもならねぇよ
煉
お前は、常に前向きだ。お前の目を見ればなんとなくで分かる。
煉
何事にも全力、そしてその隠すことない純粋な誰かに対する【好き】て感情
煉
そんなこと出来るのはお前ぐらいだろ。
煉
そんなの出来るやつは嘘なんかで固められた【人間】では、到底出来ないことだ
煉
だから、俺はお前に心を開いた。違うか?
美玖
ううん。違くないよ……
煉
だから、泣くなってこんなので。
美玖
だって嬉しいんだもん。
美玖
最初は皆との距離を置こうとしてた煉君がさっきクラスのみんなに謝罪してて
美玖
こんな短期間で人って変われるんだなって思ってさ…
煉
変われると言うか半強制で変わらせられたみたいなとこあるけどな
美玖
そっか。もっと色んな話したいけどちょっと場所移してもいい?
煉
勝手にしろ
煉
俺はお前についてくだけだ
美玖
なんか、ペットみたいだねw
煉
……。急用思い出したわ。
美玖
待って!ゴメンって。ね?一緒に来てください。煉様!
煉
はぁ………めんどくせぇ女だな
煉
で?この何処なの?
美玖
学校の裏山って言うか丘なのかな?
煉
こんなとこ来てなに話すんだよ
美玖
えー?今日までの思い出話?w
煉
うわぁ……長くなりそ〜
美玖
思い出話する前に、1個だけ確認させて?
煉
なに?
美玖
私がイメチェンした時なんで何も言ってくれなかったの?
煉
……。
美玖
ねぇ?答えてー
煉
いや、まさかホントにイメチェンするとは思わなかったからね
美玖
えー!?私煉君の為にイメチェンしたのに!?
煉
なんで、俺の為なんだよ
美玖
あっ……。うそうそ!皆との距離を縮めるために……
煉
ホントに馬鹿だな。で?俺になんて言って欲しかったんだよ
美玖
そ、それは……
煉
「メガネ外したんだ。可愛いね」とかを求めてたのか?
美玖
ぐっ…………そのトーリでございます
煉
アホらし……。
煉
まぁ、言うだけならいいよ。
美玖
え!?ほんと!!
煉
べつに思ってないけど俺がお前に言えばそれでスッキリするならそれでいい。
煉
ほっとく方がむしろ面倒くさそう
美玖
(๑´• ₃ •̀๑)むー!そんなこと言わなくたっていいじゃん!
煉
事実だろw
美玖
でも良かった。煉君
煉
何が?
美玖
私だけでもこうやって楽しくお話してくれんだもん
煉
あっそ。俺はお前のせいでこうなってるけどな
美玖
そんなつもりはナカッタケドナーー
煉
うっざ………。
煉
はぁ。とりあえずあれ言えばお前の気は満足するんだな?
美玖
うん!
煉
………。美玖。今のお前の方が可愛いよ
美玖
よし!!大満足!!
煉
はぁ。何やってんだろ俺………
美玖
じゃあ次は〜
煉
今ので満足だろ…
煉
これだけのためにここ来たのかよ
美玖
違うよ!これはジョブ!!ホントは煉君とここの景色を一緒に見たかったの
そこから見える景色は、夕方とは違い 静かな街がそこにはあった。 住宅の電気で街はほんのり明るくなり
暗い世界を明るく照らしている。 学校は、その僅かに零れた光を浴び 不気味だが、何処か神秘的にも感じれる
煉
……。ここらか見える景色綺麗だな
美玖
でしょ!?まぁ、わたしも始めて見るんだけどね
煉
昼なら何回か来たことがあるんだよな。
美玖
え?あるの
煉
学校サボる時はここ来たりしてたな
煉
昼とは違った世界で見えて……いいな
美玖
気に入ったならそれでいいよ!
煉
ここ街灯も少ないから夜空も綺麗だな
美玖
うん。
煉
今度は、こんな後夜祭なんてイベントじゃなくてお前のしっかりとした理由で読んでくれよ
美玖
いいの?わたしの都合で?
煉
どーせ呼ばれるだろうしな
美玖
あれ?バレてた?
煉
なんとなくでわかるわお前のことなんて
星が輝く寒空の下 2人の距離はグンと近くなった