鳴海
あのさ...雫ちゃん。
水鏡
んー?
鳴海
もう遅い時間だからさ、お母さん心配してるんじゃないかな?
水鏡
全然ー‼︎だって私には両親がいないからね‼︎
鳴海
えっ...
夕焼けのせいか彼女の言うことに、私は少し怖くなった。
鳴海
そ、そろそろ私帰らなきゃ...‼︎お母さん心配してるだろうし‼︎
水鏡
あれれ?悩みは?
鳴海
いや、やっぱり大丈夫だよ‼︎
鳴海
(ヤバイ...何だかこの子普通じゃない...)
鳴海
鳴海
えっ...?
鳴海
嘘...何で開かないの...っ⁉︎
なんと、入ってきた時には開いた筈の扉がビクともしないのだ。
鳴海
誰かっ‼︎誰かっ‼︎
水鏡
あのさー、鳴海ちゃんは悩みがあるからここに来たんでしょ?
水鏡
それなのに何も話さずに帰ろうっていうのは流石に...ね?
鳴海
あ、あなたは一体誰なの⁉︎
水鏡
だから、『透明人間』だってば。
鳴海
お願いだから私を家に帰してっ‼︎
水鏡
うーん...でもなぁ、私は暇だからお喋りしたい訳だしなぁ...
水鏡
あっ‼︎それならさ、まずはお友達として一緒に遊ぼうよ‼︎
水鏡
ねっ‼︎それならいいでしょ?
この子が何を言っているのか分からないが何となく嫌な感じがした。
水鏡
じゃあ、そうと決まれば今日、一晩泊めてくれないかな?
鳴海
鳴海
は?
鳴海
何言ってんのっ⁉︎
水鏡
だって、鳴海ちゃんは私のこと怖がってるみたいだし...
水鏡
だから手っ取り早く仲良くなる為に鳴海ちゃんの家に泊まらせて?
鳴海
いやいや‼︎私のお母さんが驚くかもしれないし‼︎
水鏡
じゃあ、お母さんの前ではポルターガイストは控えるからさ‼︎
水鏡
ね?
正直恐怖心はまだ残っていたが、この状況を切り抜ける為だ。
鳴海
わ、分かったよ...
水鏡
よかった‼︎
水鏡
じゃあ、鳴海ちゃんの家へ案内して‼︎
私はなんて図々しい奴だと思ったが、仕方なく彼女を案内することにした。