天の声
デビルズパレスを出て、食事をしに来た○○達。
ルカス
主様♪着きましたよ、私がオススメする料理店です♪
○○
わぁ!!凄い!!
○○
お店の見た目も雰囲気も私、好きだよ!!
ルカス
それは良かったです♪
ルカス
(チクッ...?)
ルカス
(この胸の痛み...、いや。心?の痛みは何でしょうね...。)
ルカス
(まぁ、そんなことよりも大切な主様をいつまでもこんな所で立たせているわけにはいかないね。)
ルカス
では、早速お店に入りましょうか♪
○○
うん!!
○○
2人で一緒にランチだね!!
ルカス
はい♪
ルカス
(...ん?)
ルカス
(胸が暖かい...?いや、心...?)
ルカス
(痛くなったり、暖かくなったりと忙しいものだね...。)
天の声
そうして、2人は料理店へと入っていった。
天の声
ルカスは、料理店への嫉妬から○○の"2人で一緒にランチ"という言葉に嬉しくなっている様子...。
天の声
彼は、なぜ心が分からないのだろうか...。
天の声
それは、昔の子供の頃の環境が。世界が。彼を、そうさせたのかもしれない...。
天の声
...。
天の声
そして、2人は一緒に楽しくランチを共にした。
ルカス
とても美味しかったですね主様♪
○○
うん!!
○○
すごく美味しかったねルカス!!
○○
それに、ルカスと一緒にランチ出来て楽しかった!!
ルカス
はい♪私もです主様♪
ルカス
(主様が、私と2人だけのお食事でご満足いただけた♪これは、他の執事ではなく。この私で♪)
ルカス
(私もとても楽しいお食事でした♪)
ルカス
(やはり、他の女性では感じない"嬉しさ"に満たされます♪)
○○
また2人でランチしようねルカス!!
ルカス
はい♪
ルカス
もちろんです主様♪
天の声
と2人、食事を終え店を出て"他にも買いたいものがある"と○○が言うので雑貨店を目指して歩いていた。
通行人 A
え、あれ。ルカス様じゃないかしら?
通行人 B
あら、本当ね!!
ルカス
...!?
天の声
と、ルカスファンに見つかってしまいルカスは瞬く間に女性に囲まれてしまった。
天の声
そして、○○はそのルカスファンによりルカスから引き剥がされる形で離れてしまった。
ルカス
主様ッ!!
通行人 A
ルカス様!!今日は、何の御用でこちらに?
通行人 B
今日も相変わらず、素敵ですわルカス様!!
○○
(わぁ...流石、人気ルカス。街に出るだけで、沢山の女性に囲まれちゃうね。)
○○
(うんうん。めっちゃ分かる!!ルカスは、いつでも素敵で紳士だよね〜!!)
天の声
ルカスの心配とは裏腹に、○○はルカスファンに共感していた。
ルカス
主様!!今すぐ、そちらに向かいますのでお待ちください。
天の声
と、少し離れた所からルカスの声が聞こえた。
○○
(私は、いつでもルカスと話せれるけど。この女の人達はルカスとたまにしか話せないもんね。)
○○
大丈夫だよルカス!!私1人で行けるから〜!!
ルカス
なりません!!そのような事は、とても危険でございます主様!!
○○
平気だよ〜!!すぐ側にそのお店があるから、安心して〜!!
○○
私よりも、その女の人達を相手してあげて〜!!
天の声
と、遠目に○○がお店に入っていくのが見えたルカス。
天の声
走って○○の後を追いかけようとしたが、ルカスファンに囲まれているため身動きが取るに取れなかった。
ルカス
(困ったね…、この女性達に囲まれているから主様の所まで行けない...。)
ルカス
(でも、主様は私に"この女性達の相手をしろ"と仰っていたね...。)
ルカス
(う〜ん、主様が仰っている事だし...。この人達のお相手をした方が良いのかな...?)
天の声
と少し悩んだが、ルカスはルカスファン達を相手することに。
天の声
ルカスの本音は、"ファンサービスですよ♪主様意外の女性となんて、話したくもありませんから♪ですが、主様が仰っておられましたので仕方なくです♪"らしいです。
通行人 A
ルカス様、今日はどちらへ向かわれるのですか?
ルカス
お店ですね♪
通行人 B
どこのお店なんですの?
ルカス
雑貨店です♪
通行人 B
あら!!じゃあ、私達もご一緒しても宜しくて?
ルカス
それは、主様とご相談させていただきますねお嬢様方♪
天の声
と、少し素っ気なくも感じるがルカスがルカスファンの相手をして数十分。
天の声
○○は、欲しいものがなかったのか店から出てきた。
天の声
だが、そんな○○には気づかなかったルカス。
天の声
○○に、言われていたので彼なりに集中してルカスファン達の相手をしていたのだろう。
天の声
突然、○○の居る前方から凄まじい物音がした。
天の声
馬車の馬が何かの拍子に、暴れてしまい暴走して走って来ていた。
迷子の男の子
お母さーん!!どこー?
迷子の男の子
お母さーん!!
迷子の男の子
うっ、僕…、こんな所なんて来たことないよぉ…
天の声
男の子は、その場でしゃがみ込み泣き出してしまった。
天の声
だが、馬車の暴走は止まらない。
"御者(ぎょしゃ)"
とは、馬車を操縦する人のことを指す。
○○
(まずい!!あの馬車、凄いスピードでこっちに走ってくる!!)
迷子の男の子
うぅ…、お母さん…、、
○○
(あの子!!馬車に轢かれちゃうッ!!)
天の声
男の子がしゃがみ込んでいた場所は運が悪く馬車が走って来る通路だった。
御者「こ、このままじゃ目の前の店に
激突しちまうッ!!」
迷子の男の子
う、うぅ…お母さん…
○○
危ないッ!!
天の声
と、咄嗟に○○は、声を出した。
ルカス
(主様の声!?主様に何かあったのでは?)
ルカス
(それに、今の物音も気がかりですし。)
ルカス
すみません、急用が出来てしまったのでこれで失礼致します。
通行人 B
え?待ってくださいな、ルカス様〜!!
天の声
とルカスは、強引にルカスファンを振り解き○○の声の方向へと走って向かって行った。
中の人です。
今回は聴いても聴かなくても
どちらでもいいです。
納得いってないので。
Youtubeで検索すると出てきます。
"ジレンマ、メガテラ・ゼロ"
です。
天の声
ルカスは急いで、○○の元へ行くと。
天の声
あまりの光景に、絶句した。
ルカス
ッ…!!
天の声
○○は、迷子の男の子を庇うようにして血を流して倒れていた。
天の声
馬車がお店に激突し、辺りには馬車の部品やら扉の破片の木やらが散乱していた。
天の声
そして、○○の腹には大きな木の破片が深く突き刺さっていた。
ルカス
主様ッ!!
天の声
ルカスは、○○の状態に驚きつつもすぐに○○の容態を診た。
ルカス
(辛うじて、まだ息はしているようだね)
ルカス
(だめだ、ここじゃ医療道具もまともな物がないね…)
迷子の男の子
う…、お、姉ちゃん…?
天の声
男の子は、○○に庇ってもらったのだと知り○○に話し掛けた。
○○
だ、大丈夫…?怪我は、無い…?
天の声
○○は、自分の腹の怪我よりも男の子を心配した。
迷子の男の子
うん。僕は大丈夫。
迷子の男の子
でも、お姉ちゃんが…。
天の声
と男の子は、また泣き出しそうになっていた。
○○
私は大丈夫だから。早く、安全なところに…行っててね。
天の声
と○○は、大怪我しているとは思えない程の笑顔で男の子に言葉を掛けた。
迷子の男の子
うん。
迷子の男の子
ありがとう、お姉ちゃん。
○○
うん…。
天の声
男の子は、○○に礼を述べるとルカスへ質問を投げ掛けた。
迷子の男の子
あなたは、悪魔執事さんだよね…?
ルカス
はい。
天の声
ルカスは、○○のここで出来る応急処置をしながら男の子の質問に応える。
迷子の男の子
お姉ちゃんは、助かるよね…?
天の声
と男の子は涙目になりながら、声を絞り出すようにして○○の容態を聞いた。
ルカス
保証は無いね。
ルカス
でも、私は医者だから助けてみせるよ。
ルカス
何より、私達の大切な"主"様だからね。
天の声
男の子は、ルカスの答えを聞き安心することが出来たのか自らの名を名乗り"必ず、屋敷に行く"と伝えどこか安全な所へと行った。
○○
良かった…。あの子が、助かって…。
ルカス
今は、お話なさらないでください。
ルカス
傷口が広すぎて、出血が止まりません。
○○
ごめんね。ルカス…。
○○
私、そろそろ…限界みたい…。
○○
ありがとう、ルカス。
天の声
と、○○は痛みが強すぎるのか上手く笑えず苦笑いを浮かべた。
ルカス
最後の別れ言葉みたいなことを仰らないでくださいッ!!
ルカス
私は医者です!!患者を治療し、回復させるのが私の務めです!!
天の声
とルカスは、○○に声を荒らげて必死に自らの思いを伝えた。
○○
皆にッ伝えて...、"私は幸せだった。
○○
暗い毎日が嘘のように明るくなって、楽しかった。
○○
皆、大好き。
○○
前を向いて生きて。
○○
私は、笑ってる皆が好きだから。"って。
ルカス
その言葉をご自身でッ
天の声
○○は、ルカスの言葉を遮るようにして言った。
○○
ルカス、心を痛めないで。お願いッ、、
○○
これは、誰も悪くなんかないよ…。
○○
事故は何時でも何処でも、起こり…うることだから。
天の声
と血だらけの手をルカスへと伸ばし、その手でルカスの両頬を捕らえると。
天の声
遠のく意識の中、こう呟いた。
○○
ルカス…、本当に大好き。
○○
絶対にッ、自分を責めたりしないでね。
天の声
やがて、力を失ったように主はスルリと手からルカスを解放すると動かなくなった。
天の声
○○の言葉は、普段失敗したりすると"無意識の内に己を言葉で傷つける彼"を思って掛けた言葉だろう…。
ルカス
…え?…主、様?
○○
…。
ルカス
主様ッ!!
天の声
ルカスは、言葉をかけても言葉を返してくれるはずのない○○の名前を呼び続けた。
ルカス
○○様!!
ルカス
○○様ッ!!
ルカス
○○様...?
ルカス
○、○…様。○、○…、、
天の声
やがて、ルカスは確認するようにして○○の脈を測った。
天の声
だが、脈など測っても心臓が止まってしまったから脈など測れるはずもなく。
ルカス
あれ?おかしいな?
ルカス
…私、脈の測り方を忘れちゃったのかな?
天の声
と言い、再度○○の脈を測り直した。
天の声
が、当然結果は変わるはずもなく。
ルカス
○○様は、私1人残して逝かれるのですか...?
ルカス
こんなに○○様を思っている...私を残して逝かれるのですか…?
ルカス
..."人を愛する"って何なんでしょうね...○○様...。
ルカス
私は、○○様。貴方以外に誰かを好きになることはないでしょう...。
ルカス
この先、絶対に...。
天の声
とルカスは、自分の胸元にあるネックレスを力強く握った。
天の声
そして、血だらけの○○を抱き抱え屋敷へと歩いていった。
天の声
だが、彼の顔からは何を考えているのかは全く読み取れない。
天の声
昔の冷徹だった頃の顔にそっくりだったから。
天の声
そして、屋敷へ帰るとベリアンに事情を話した。
天の声
…。