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白い大きなテーブルに向かい合って座るすいせいとみこ。 彼女たちにサーブされた食事は、ほとんど手をつけられていなかった。
みこ
すいせい
みこ
すいせい
みこ
みこ
すいせい
みこ
みこ
みこ
すいせい
みこ
みこ
すいせい
すいせい
すいせい
みこ
みこ
すいせい
みこ
すいせい
すいせい
眼前は居たのはみこではなく、見知ったソファーのアームレストと柄物のクッションであった。
すいせい
まるで私の不安がそっくりそのまま表出したような夢だったな、と右手で髪をかき分ける。撫でたその髪と額には汗が染み渡っていた。
左手で取ったスマホの美少年の額の時刻は、まだ夕刻前を示していた。
みこから連絡が来ていないかと期待したが、時刻の下に描画されていたのは、先程昼食を共にした友からのラブコールであった。
すいせい
すいせい
ふぁーと大きなあくびをひとつする。すいせいの体は若干の疲弊を残しながらも、活動するためのエネルギーを十分に回復していた。
すいせい
すいせい
冷蔵庫にあったピッチャーを取り出し、緑色の飲料をグラスに注いで、その1口を舌で転がす。
朝は問題ないと思ったスムージーも、口内での残存時間が長くなるほど、ほうれん草の青葉の香りがより強く鼻腔を刺激することに気づく。
すいせい
すいせい
すいせい
すいせい
すいせい
世界を救う頑なな決意とともに、スムージーを一気に雑食に適応した内臓へ流し入れた。
喉に甚大な不快感を覚えながらグラスを洗浄していると、みこへのプレゼントを買うことをふと思い出した。
すいせい
すいせい
すいせい
すいせいは、即断即決の女であった。 すぐさま化粧を直し、よそ行きの服に着替える。商店街に行くくらいだから、マキシスカートとシャツくらいでいいだろうと迷わなかった。
クローゼットを漁るついでに、ディナー用に純白のシルクのブラウスとハイウエストパンツ、そしてステートメントアクセサリーを長い眠りから叩き起した。
随分とご無沙汰だったため、サイズに問題ないか試着したが、すいせいのすらりとした体型にあっさりジャストフィットした。
すいせい
すいせい
暫し自らのエレガンスに震えていると、スマホも同じように声を上げて震えた。
すいせい
すいせい
返信を待ち侘びた女性からのチャット。それは返信の遅延を詫びる文と、ひとつの疑問であった。
みこ
みこ
すいせい
みこ
すいせい
みこ
すいせい
みこ
すいせい
すいせい
みこ
すいせい
みこ
すいせい
みこ
すいせいはずっとこうしてみことふざけていたかったが、太陽が随分と地面に近づいてきているのを察して切り上げることにした。
すいせい
みこ
すいせい
みこ
すいせい
みこ
すいせい
みこ
図星を言い当てられたすいせいは、さぁねとだけ返信してスマホをドレッサーに伏せた。
すいせい
さっと普段のシャツとスカートに着替え、トートバッグに必要な物品を一式詰め込むと、颯爽と玄関を後にした。
都内某所、商店街。
すいせい
すいせい
太陽と地平線はほとんどキスできそうなほど接近しているのに、太陽はとても強引だった。
すいせい
手頃な日陰を探していると、甘美な匂いからBelleza Floral(ベジェッツァ・フロラル)の看板を発見する。
すいせい
すいせい
すいせい
すいせい
思い立ったままに、花の芳香に着いて行くことにした。
すいせい
すいせいの呼びかけに対して返事は無い。
すいせい
店の看板がOPENを表示しているのを一瞥して、店内のより奥へ進む。
すいせい
すいせい
すいせい
より大きく明瞭な発声で、声がする方へ呼び掛けた。
すいせい
かなた
そうか、ありがとうね、としゃがれた声に送り出された若い低身長の女性に、すいせいは見覚えがあった。
すいせい
かなた
かなた
すいせい
かなた
すいせい
かなた
僕の人生の先輩でもあるんだ、と誇らしげに胸を張る。
すいせい
かなた
その可憐で純白の美しさを備える花の花言葉にすいせいは覚えがあった。
すいせい
かなた
かなた
美しい、とすいせいは感銘を受ける。同時にそのような儚い形の愛を、他人に対して保ち続けることがどれだけ困難であるかを想像した。
かなた
すいせい
かなた
みこにと言うとまたかなたが発奮してマシンガントークが炸裂しそうなので、適当に誤魔化すことにした。
すいせい
かなた
すいせい
かなた
すいせい
かなた
すいせい
かなた
すいせい
すいせい
かなた
かなた
すいちゃん、裏切ったにぇとみこの低い猫なで声をかなたがモノマネする。 実際みこちなんだけどね、とすいせいは言わんとして結局やめた。
かなた
すいせい
かなた
だったら、と言い残して一瞬店の奥へ姿を消す。
緑や白を基調とした花弁のサイズが異なる何本かの花を抱えて、かなたはすいせいのもとへ戻ってきた。
かなた
すいせい
かなた
かなた
ほら見て、と言ってアストランティアと呼ばれた小さな白い花弁を持つ花を指さす。
かなた
すいせい
かなた
すいせい
かなた
そう言うと、かなたは奥のカフェスペースで完成まで待機するようすいせいを促した。
かなた
すいせい
かなた
すいせい
かなた
すいせい
程なくして、かなたがプラスチックのケースをお腹に抱えて、すいせいの所までうんしょと舞い戻ってきた。
かなた
すいせい
すいせい
かなた
かなたが得意げに右腕をぶんぶんと回す。
すいせい
かなた
応援してるぜ、とすいせいの肩に左手を置いてウィンクする。
かなた
すいせい
すいせい
かなた
すいせい
かなた
外を見ると、太陽と地平線はもう抱擁を終えて互いに背を向けていた。
すいせい
かなた
すいせい
かなた
すいせいが通りへ出たのを確認すると、かなたは綺麗に結われた花達に話しかける。
かなた
かなた
かなた
急いで花達が織り成す静寂から抜け出すと、スマホの連絡帳をたぐって友人の電話番号を探した。
すいせい
すいせい
数回のコールの後に、聞き馴染みのある声が店名を告げて挨拶をした。
すいせい
すいせい
すいせい
すいせい
すいせい
電話口の黄色い歓声がすいせいの鼓膜を劈く。
すいせい
すいせい
すいせい
すいせい
すいせい
すいせい
すいせい
スマホをしまって花屋Belleza Floralの方を見遣ると、かなたがケースを持って手を振りながら近付いてきた。
かなた
すいせい
かなた
すいせい
すいせい
すいせいがトートバッグに長財布を探そうと突っ込んだ右腕を、かなたがぎゅっと掴んで制止する。
かなた
すいせい
かなた
すいせい
それにさ、とかなたは照れくさそうに人差し指で頬を掻く。
かなた
すいせい
かなたの温かくて優しい微笑みに、すいせいの胸がきゅっと窄む。
すいせい
かなた
その代わりと言ってはなんだけど、とかなたは付け加える。
かなた
すいせい
すいせい
すいせい
かなた
すいせい
すいせい
かなた
僥倖に はしゃぐかなたに別れを告げると、応援してるからね、と力強く手を握りしめられた。
すいせい
すいせい
すいせい
まだ日差しがカンカンに差しこんでいた頃の、Rincón Únicoの座敷で受けたまつりの真摯な視線を思い出す。
すいせい
すいせい
もうすっかり眠気は晴れている。それでも、すいせいは両頬をパチンと叩いた。
すいせい
すいせい
配車アプリで手近のタクシーを手配し、自宅でエレガントな勝負服に着替えた後に、みことの集合場所へと向かった。
レストラン 「Sabor Elegante」(サボール・エレガンテ)前にて
みこ
すいせいを発見したみこが遠目からでもはしゃいでいるのが分かり、同様にすいせいも意気揚々とする。
すいせい
みこ
みこ
すいせい
みこ
みこ
みこ
息を整え終えて顔を上げることに成功したみこは、上品な洋装を纏うすいせいのオーラに釘付けになる。
すいせい
みこ
みこ
すいせい
みこ
肘ですいせいの胸をちょいちょいと小突く。
すいせい
みこ
すいせい
みこ
先程までの天真爛漫さが一変し、みこの目付きが真剣のものになる。
すいせい
みこ
みこ
すいせい
すいせいの体が硬直する。 これはあの夢と同じ展開ではないか。
再び額に汗が広がる。 上手く視線を定められず、俯いたまま微かな声で尋ねた。
すいせい