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オタクは弱くない!!!!

オタクは弱くない!!!!

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オタクは弱くない!!!!

♥

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2020年04月05日

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ピピピピッ ピピピピッ

おはよう♡朝だよ♡

今日m…カチッ

ユウト

おはよー!!

ユウト

やっぱいいなぁ……推しの声で起きるのは………

大好きなアイドル、 リンちゃんのライブグッズの通販で買った目覚まし時計。

一番萌えるのが、 まさかの本人ボイス入り。

貯金箱の中にあった3000円をこれのためだけに使った。

おかげで現在金欠。

母親

おはようユウト。

母親

今日もうるさいくらいずっと目覚まし時計鳴ってたわよ。

母親

早く止めてよね……

ユウト

ごめんって!

ユウト

お、トーストだ!!

ユウト

いっただっきまーす!!

母親

ちょっと聞いてる?!

ユウト

ひいへふひいへふ!
(聞いてる聞いてる!)

ユウト

んまっ!

母親

あんたねぇ……

母親

母親

オタク生活ばかりしてたら

母親

彼女なんてできないわよ!

母親

友だちのレンくんのお母さんから聞いたけど、

母親

あなた、彼女どころか、友だちもできてないみたいじゃない。

母親

彼女がいるレンくんを見習ってほしいわ……

ユウト

彼女はリンちゃんで十分だよ!!

ユウト

ごちそうさま!!

ユウト

行ってきます!!

母親

ちょっ……ユウト!!

ユウト

母さんはうるさいんだよなぁ…

ユウト

彼女はリンちゃんだけで十分だって……

ユウト

リアコってやつ?笑

レン

おはよ優人!

ユウト

おぉ!レン!

ユウト

彼女と一緒じゃねぇの?

レン

ああ。俺の彼女なら、先に行った。

レン

今日生徒会の仕事あるんだってよ。

ユウト

そっか…生徒会の書記長様だっけ……

レン

そうそう。毎日忙しいらしいぞ。

レン

昨夜電話でたくさん愚痴聞いてやったんだぜ!俺!

ユウト

あ、だから昨日俺が送ったリンちゃんの可愛い写真に既読つかなかったのか!!

レン

ほんとお前リンちゃん?好きだな笑

レン

母さんに何か言われねぇの?

ユウト

言われたところで、俺はリンちゃん一筋だ!!

レン

クラスに気になる子とかいねぇの?

ユウト

そんなんいるわけないだろ!

レン

だから彼女できないんじゃ…

ユウト

レンまでそんなこと言うのかよー……

レン

わりぃわりぃ笑

レン

あ、彼女からRINE来てた。

ユウト

え、なんて?

レン

「書記長の仕事が大変だから手伝いに来れる?」だって。

レン

うわぁ…俺の彼女が可愛い………。

レン

てことで!じゃあな!!

ユウト

お、おう……

今日は最近よりもずっと暑い。

汗でメガネが下がって、 視界がぼやける。

クイッと直して、 また歩き出す。

ユウト

オタクで何が悪い…

ユウト

彼女ができなくても何も悪くないだろ…

先生

じゃあ、昨日出した宿題を提出してもらおうかなー!

先生

でもその前に、答え合わせしてから!!

先生

当てていくので、当てられた人は答えてくださーい

ユウト

ユウト

(超暇な化学の時間…)

ユウト

(意味わかんねぇし、宿題ならやってきて……)

ユウト

(ない!!)

ユウト

(え、昨日やらなかったっけ?!)

ユウト

(あ、そうだ…歌番組見ててやってなかったぁ……)

ユウト

(当てられませんように……!)

先生

じゃあ次の問題を…

先生

ユウト!

ユウト

(え…)

先生

この問題の答えは?

ユウト

ユウト

すみません…忘れてきました……

ザワザワ……

うわ…さすがオタク…

人生負け組だよねー笑笑

先生

次はちゃんと持ってくるように。

ユウト

はい……すみません……

先生

次の人はー……

先生

ユズキさん!!

先生

この問題の答えは?何グラム?

ユズキ

はい。10グラムです。

先生

正解!

ユウト

(いいよなぁ…こんな優等生に生まれたかったなぁ……)

休み時間は、いつも1人。

でも、1人なのは 俺だけではない。

俺の隣の席のユズキさん。

当てられたら絶対に答えは合ってるし、ザ・優等生。

いつも1人で本を読んでる。

あ、立った。

どっか行った。

ヤマト

おいオタク

めんどくさいのにつかまった…

せっかくこれから リンちゃんが書いた小説読もう と思ったのに…

ヤマト

お前またどうせ昨夜もオタクしてたんだろ?

ヤマト

よくあるオタ芸見せろよ。

そうだそうだ とみんなが騒ぐ。

ほんとうるさい……

「番長」って 呼ばれてるだけある……

ヤマト

よっこいせ

そう言って、ユズキさんの机に座った。

机がギィッと悲鳴をあげる。

ヤマト

ほらやれよ。

ユウト

やらないよ。

ユウト

オタ芸まではやってないし。

ヤマト

なんだと!!!

ヤマト

俺に口答えするのか!!

すみません

この一言でうるさかった教室が静かになった。

ユズキ

座りたいので、避けてもらっていいですか?

ヤマト

お、おう…

キーンコーンカーンコーン

ヤマト

じゃあな。オタクくん笑

ユウト

ユウト

(何も…言い返せなかった……)

ユウト

(あんなのただの言い訳じゃん……)

ユウト

(やっぱり、オタクって弱いのかな……)

ユズキ

あのぉ……

ユズキ

大丈夫…ですか…?

ユウト

え、あ、はい……

ユズキ

よかったです。

ユズキ

ああいうのは無視していいと思います。

ユズキ

関わったらめんどくさいだけだから。

とだけ言って、前を向いた。

ユウト

(は、はじめて喋った……)

ユウト

(話しかけてくれた……嬉しいなぁ……)

俺は、少しだけ頭を下げた。

でも彼女は、 前を向いたままだった。

放課後、 俺は居残りさせられた。

20問全部答えをしっかり書いて提出しないといけない。

終わるまでは、帰宅できない。

ユウト

だりぃ……

ユウト

ほんとに分からない問題が多すぎる……

ユウト

俺の自業自得なんだけどさ……

隣の席には、まだカバンが残っていた。

ユウト

残ってるんだ……

ユウト

教室にいないってことは、学校のどこか……かな……?

ユウト

会って今日のお礼言いたいな…なんて………思ったり……

パタッ

ユウト

ん?

彼女のカバンから、1冊の本が落ちた。

彼女がいつも休み時間に読んでる本だった。

ユウト

そういえば、何読んでるんだろう……

ユウト

ユウト

まだ戻ってこなさそうだし…

ユウト

ちょっとなら…いいよね…

パラッ……

ユウト

内容は、

男と男がイチャイチャする、 B*だ。

バサバサバサ!!

扉の方から紙がたくさん落ちる音がして、見ると、

彼女が立っていた。

ユウト

ユズキ

ユズキ

イヤァァァァァァァァァァーーーーーーーーー!!!!!

悲鳴をあげて、俺から本を奪い返した。

ユウト

い、いや、ご、ごめんなさい!!あ、あの…

ユズキ

こ、こここここのことは、
ひみみみつにしててください!!

ユズキ

ではまた!!!

ユウト

え、ちょっ……

君が真面目なキャラを 「演じていた」 ということを知るのは、

もう少し先のこと。

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