そして、その数日後
蕾夢
あ、いた
玲緒
……?
蕾夢
悪いけど直球に言うな
蕾夢
薄々思ってたけど
蕾夢
お前、家出だろ
玲緒
え…………
蕾夢
服とか変わってないし、ボロボロだし
玲緒
…………
蕾夢
まさかとは思うけど
蕾夢
ずっと外にいた……?
玲緒
……うん
蕾夢
まじか……
玲緒
……
なんか、胸苦しい
蕾夢
なんで家出したんだ?
玲緒
……居場所がなかったからだよ
玲緒
学校にも、家にも
蕾夢
……だからって
蕾夢
家族とか心配してるんじゃ…
玲緒
心配してるわけないよ
蕾夢
……
玲緒
虐められて
玲緒
相談したってダメだった……
玲緒
誰も助けてくれなくて
玲緒
我慢しろって言われて
玲緒
上手くいかないことばっかりで……
玲緒
たくさん努力だってした
玲緒
でも何も認められなかった
玲緒
全部無駄にされた……!
玲緒
僕の……存在する価値って何……
玲緒
赤の他人の君に何が分かるの……!?
蕾夢
……
蕾夢
(こいつも、同じなのか……)
玲緒
……何も、分からないでしょ……
蕾夢
…確かにわかんねぇよ
蕾夢
お前の言う通り、俺らは赤の他人だ
蕾夢
互いの事なんて分からないんだよ
玲緒
…………
蕾夢
だから、今聞いた
玲緒
…………
蕾夢
玲緒
蕾夢
辛いところから逃げてきたのはよくわかった
蕾夢
だけど、ずっとこのままだと尚更辛くなると思う
玲緒
…………
玲緒
今更……戻ったところで……
蕾夢
俺も帰れとかはあんまり言いたくないけど
蕾夢
大事にはしたくない
玲緒
……わかっ……た
蕾夢
……少なからず味方はいるってこと
蕾夢
忘れんなよ
帰らないと……
玲緒
………っ
玲緒
(早くしないと……)
玲緒
(誰かに怪しまれたら……)
玲緒
(だけど……!)
帰りたくない気持ちが胸を締め付けた
でも、今更戻れない
いっその事、誰かが連れ去ってくれれば
そうしたら…
玲緒
(そんなこと、あるわけない……)
息が苦しい
胸が痛い……
玲緒
(誰か…………)
……玲緒?
玲緒
…え……………